窒素ガス流通下 (150-200ml/min), 500°-1100℃の温度範囲でMg還元によってZrO
2からのZrN粉末の合成を試みた. ZrNは600℃以上で生成し, 試料混合比Mg/ZrO
2=2-4 (モル比) において中間生成物γ-Zr
2ON
2が生成したが, Mg/ZrO
2=5 (モル比) ではγ-Zr
2ON
2は生成しなかった. Mg/ZrO
2=5 (モル比), 600°-1100℃, 1h反応で得られた生成物を1N HNO
3及びアルコールで洗浄し, 真空乾燥 (10
-3Torr) させた精製粉末は, X線回折試験によればZrN単相であった. このZrN粉末の結晶子径及び比表面積は, 1000℃以下でほぼ一定で, 結晶子径は16-18nm, 比表面積は30-33m
2/gであったが, 1100℃ではそれぞれ23.0nm, 17.6m
2/gとなった. 走査型電子顕微鏡観察によれば, 700℃, 1000℃でともに得られたZrN粉末は非常に微細 (30-100nm) で均一であった. また粒子の分散性は700℃では良好であったが, 1000℃では凝集がみられた. Mg/ZrO
2=5 (モル比), 1000℃, 1h反応で得られたZrN粉末のN, O及びMg含有量はそれぞれ12.0, 3.1及び0.9wt%であった. Mg/ZrO
2=5 (モル比) における還元窒化反応の見掛けの活性化エネルギーは約3.7kcal/mol (750°-900℃) であった.
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