窯業協會誌
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91 巻, 1055 号
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  • 浜野 健也, 佐谷野 顕生, 中川 善兵衛
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 309-317
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZnOにNb2O5を添加した配合物は, 加熱するとまずZnO・Nb2O5が, 続いて3ZnO・Nb2O5が生成し, これが1297℃でZnOとの共融により液相を生成する.
    焼結初期の収縮開始温度はNb2O5の添加量の増加とともに高温側に移行し, 液相の生成時に試験片は膨張することが認められた.
    液相の生成しない1200℃焼成体の比抵抗値は, Nb2O5の添加量の増加とともに増大する. そしてZnO粒子が連続相がら不連続相となって比抵抗値が急激に増加する点は, Nb2O5の添加量にして15mol%と20mol%の間であった.
    液相が生成する1305℃での焼成体は, 0.2mol%のNb2O5の添加で比抵抗値は1けた以上大きくなった. そして急冷した試験片は炉冷した試験片に比べて約1/2けた高い比抵抗値を示し, 両者に差が認められた. この相違を加熱処理, 粒界相のぬれ性, ZnO粒子接合部分のマイクロビッカース硬度の測定より検討し, この比抵抗値の差は高抵抗である粒界相のぬれ性の違いだけでなく, ZnO粒子同士の結合の強さにも影響を受けると考えられた.
  • 猪股 吉三
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 318-321
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    大形結晶との比較で, 同じ組成と構造を有する結晶性微粉末が保有する余剰エネルギーの評価を論理的に行い, 以下の結論を得た.
    (1) 粒子径が0.1μm以上程度の微粒子系の余剰エネルギーは, 系を構成する粒子の総表面エネルギーでよく近似される.
    (2) この余剰エネルギーの評価にThomson-Freundlichの関係式を用いるのは適当でない.
    (3) 粒子を微細化しても, 粒子内の圧力は上昇しない.
    (4) 粒子表面や界面の曲率の局所的な変化が, 粒子内に圧力, 化学ポテンシャル及び空孔濃度のこう配をもたらすことはない.
  • 金子 泰成, 中村 英樹, 山根 政博, 溝口 数一, 杉之原 幸夫
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 321-324
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Na2O-SiO2-A2O3系 (A=Al, Ga, In, Y) ガラスのO 1sスペクトルを測定し, ソーダケイ酸塩ガラスの構造に対する3価陽イオンの添加効果について検討した. O 1sスペクトルの低結合エネルギー側の強度は, Al2O3とGa2O3の添加量が増加するに伴い減少したが, このことはAl2O3とGa2O3は網目形成酸化物として働くことを示している. Y2O3の添加量の増加に伴いO 1sスペクトルの低結合エネルギー側のピーク強度は増加したが, このことはY2O3が修飾酸化物として働くことを示している. In2O3は中間酸化物として振る舞うことが分った.
  • 松末 勝利, 藤沢 良昭, 高原 北雄
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 324-328
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    常圧焼結Si3N4の高温強度を調べるために, 焼結助剤が異なる3種類のSi3N4を用いて, 室温から1600℃までの空気中での引っ張り試験を行った. 3種類の焼結助剤はそれぞれY2O3・Al2O3, Al2O3・MgO及びMgO・CeO2などである. 試験の結果, 焼結助剤によって強度特性は異なり, MgOを助剤とする焼結体では800℃を超えると強度は急激に低下し, Y2O3を含む焼結体では1000℃を超える温度で強度が低下した. 各焼結体とも1300℃以上での強度は室温強度の10%以下になった. 引っ張り破面の観察を行い, 各温度での破面の特徴を調べ考察した.
  • 岡田 清, 小坂 丈予
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 329-334
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    室温において相対湿度条件を変化させた際のハロイサイト鉱物の層間水の脱水機構について重量変化の測定と粉末X線回折法を用いて検討した. 相対湿度を60-10%まで変えた雰囲気中での層間水の脱水反応がほぼ平衡状態に達するのには3-5日程度の時間を必要とする. 脱水の際の構造変化について非干渉モデルと干渉モデルの両方を検討した. その結果, (00l) の高次の回折線の出現位置から非干渉モデルは脱水モデルとして不適当であると結論された. これに対して, 干渉モデルについて強度比較法により検討した結果, ハロイサイト10Åの層と脱水相のハロイサイト7Åの層とは脱水により2相分離の関係になっていることが判明した. この結果を少し理想化して考えると, 脱水反応は一つの結晶子の外側から内部へと層に垂直な方向に優先的に脱水が進行するというモデルが考えられた. このモデルから予想される反応速度式はゼロ次反応であるが, 実際には結晶子が多数集合して形成される数千Å程度の大きさの球状粒子内部からの拡散等の影響を強く受けているため, 見掛け上ゼロ次反応に従わない結果をもたらしたものと考えられた.
  • 若林 肇, 寺井 良平
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 334-338
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    誤差の原因となるセル中の不均等電場の形成やセル定数測定に際しての問題点などを避けるために, 溶融ガラスの電導度測定に適した新しい測定法を開発した. そのセルは, アルミナ又はマグネシア磁製管に, 被測定溶液を満たしたものに, 白金の平行平板電極を付けることによって構成されている. 上部電極には, 温度上昇につれて膨張する溶液を逃がすために, 白金網を用いている.
    このセルを用いてアルカリシリケート及びアルカリ石灰シリケートの幾つかの溶液の電導度を測定した. この測定による結果と文献値を比較して, その精度と再現性においてかなり優れていることが分った. このセルは充分小きくすることができるので, 温度上昇に直ちに追従できる. したがって, この装置は転移温度から液相温度以上の広範囲にわたって, 短時間で連続的に電導度測定ができるという機能性に特徴がある.
  • 瀬古 日出男, 岡田 正見, 澤岡 昭
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 339-343
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    窒化ケイ素とジルコニア系セラミックスを試料として微小圧子押し込み法及びノッチドビーム法を用いた3点曲げ強さ試験法の二つの強度評価法から機械設計をする場合に重要な要因の一つである臨界応力拡大係数, KIc, を求めて比較, 検討を行った.
    その結果, 窒化ケイ素とジルコニア系セラミックスの形状因子, χの値がほぼ0.1の値をとったときに上記の二つの強度評価法から求めたKIcの値は一致した. しかしながら, 加工によって相転移が誘起されるジルコニア系セラミックスの中には, ノッチを入れた反対側の面を研磨加工することによって, KIcの著しい低下が観察された. したがって, 部分安定化ジルコニア系セラミックスのように加工によって, 相転移を起こすような材料を使用して機能部品を設計する場合には破壊靱性が低下することに注意をする必要がある.
  • 神崎 修三, 田端 英世, 大津賀 望, 中川 善兵衛, 浜野 健也
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 344-346
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 松末 勝利, 藤沢 良昭, 高原 北雄
    1983 年 91 巻 1055 号 p. 346-348
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 91 巻 1055 号 p. 348
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 91 巻 1055 号 p. A41-A46
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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