ZnOにNb
2O
5を添加した配合物は, 加熱するとまずZnO・Nb
2O
5が, 続いて3ZnO・Nb
2O
5が生成し, これが1297℃でZnOとの共融により液相を生成する.
焼結初期の収縮開始温度はNb
2O
5の添加量の増加とともに高温側に移行し, 液相の生成時に試験片は膨張することが認められた.
液相の生成しない1200℃焼成体の比抵抗値は, Nb
2O
5の添加量の増加とともに増大する. そしてZnO粒子が連続相がら不連続相となって比抵抗値が急激に増加する点は, Nb
2O
5の添加量にして15mol%と20mol%の間であった.
液相が生成する1305℃での焼成体は, 0.2mol%のNb
2O
5の添加で比抵抗値は1けた以上大きくなった. そして急冷した試験片は炉冷した試験片に比べて約1/2けた高い比抵抗値を示し, 両者に差が認められた. この相違を加熱処理, 粒界相のぬれ性, ZnO粒子接合部分のマイクロビッカース硬度の測定より検討し, この比抵抗値の差は高抵抗である粒界相のぬれ性の違いだけでなく, ZnO粒子同士の結合の強さにも影響を受けると考えられた.
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