Si
3N
4の結晶化度を簡便に決定するために, イミド熱分解法により合成した非晶質Si
3N
4粉末の結晶化度と加水分解性との相関を検討した. 100℃の0.5N NaOH水溶液中で非晶質Si
3N
4は, 短時間内に完全に加水分解されるのに対して, 結晶質Si
3N
4は, ほとんど加水分解されず, 安定であった. また, 部分的に結晶化したSi
3N
4の場合には, X線回折により求めた結晶化度と, 加水分解試験により求めた分解窒素量に基づく非晶質含有率との間に, 1次の相関関係が認められた. この相関を利用して, 加水分解試験により, 簡便に精度良くSi
3N
4粉末の結晶化度を測定できることが, 明らかとなった.
また, 種々の粉末の加水分解挙動, 及び加水分解試験前後における粒子形態観察の結果より, 低結晶化度のSi
3N
4粉末とは, 非晶質状態の超微粒子と完全に結晶化した自形粒子との単なる不均質混合物であり, 1次粒子内部での部分結晶化状態は存在しないものと考えられた.
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