窯業協會誌
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93 巻, 1079 号
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  • John E. RITTER Jr.
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 341-348
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    構造用セラミック材料についての信頼性の解析を行うためには, これらの材料が示す強度の変動性と時間依存性を考慮する必要がある. この目的には破壊力学理論の概念と手法を用いることができる. 構造用セラミックスの機械的な信頼性を評価するのに適した破壊力学理論を概説し, この理論を, 比較的大きな引っ張り応力がかかる場合の一例としてガラスボンド砥石の安全性の保証に応用する.
  • 若松 盈, 竹内 信行, Ohn MAUNG, 石田 信伍, 今井 寛治
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 349-356
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    酸化鉄を含む粘土を1250℃まで種々の雰囲気のもとで焼成し, X線分析, 及びESRで相の変化を調査した. 還元雰囲気下では1100℃という低い温度でヘルシナイト (Hercynite) が生成するが, 高温では解離した. 強還元雰囲気では, 酸化鉄は金属鉄にまで還元される. 酸化雰囲気では, 1250℃に焼成すると安定相としてヘマタイト (Hematite) が出現する. 焼成物の色は3種類に区別され, それは酸化焼成では赤色, 中性又は強還元では黒色, 弱い還元焼成では黄褐色である. 焼成品の強度は弱い還元雰囲気, すなわち空気比0.9で焼成したときに最も小さくなる. 本報は酸化鉄を含む日本の粘土の焼結特性に炉内雰囲気が与える影響を述べる.
  • 吉村 昌弘, 大平 弘之, 宗宮 重行
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 357-363
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    金属チタンを水熱条件下で再蒸留水により酸化させる反応について, 密封系及び開放系で検討を行った. 水熱酸化反応は, 100MPa, 3hの条件において450℃以上で進行し, 金属チタンからルチル, チタン水素化物, アナターゼが生成した. この反応は650℃でほぼ終了し, 最終的にルチルのみが生成した. 500℃, 100MPaの条件においてすべての金属チタンは約8hでルチル, チタン水素化物, アナターゼに変化し, その後ルチルへの反応が進行した. また500℃及び600℃, 3hの条件では圧力の影響はほとんど見られなかった. 開放系において高温又は長時間処理することにより得られた生成物の表面で, ルチル結晶の成長が観察された. ルチルの平均結晶子径の測定においても, 密封系で生成したものは3h以後約65nm (500℃, 100MPa) で一定になったのに対して開放系では徐々に増加を続け, 120h後には約85nmに達していた.
  • 三友 護, 塩貝 達也, 吉松 英之, 北見 喜三
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 364-369
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ケイ酸エチルとアルミニウムイソプロポキシドの溶液の加水分解により得た微細なSiO2-Al2O3系共沈粉末とカーボンの混合物を窒素気流中で1430℃に加熱し, 還元・窒化反応を行うことによりサイアロン粉末を合成した. 種々の組成について検討したところSi/Al=1の組成において単相のサイアロン粉末が得られることが分った. 粉末は微細でその粒径は0.05-0.3μmであった. Si/Al=1の組成において, サイアロンの合成反応と得られたサイアロンの化学組成の関係を調べたところ, 合成中に酸素の窒素による置換のみでなく, SiOの飛散も起こることが確かめられた. このため粉末中のSi/Al比は時間とともに減少した。
  • 谷 英治, 梅林 正気, 奥園 金純, 岸 和司, 小林 和夫
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 370-375
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4, Al2O3, AlNを用いたβ-サイアロン試料調製方法に検討を加え, ホットプレス法で製造したz=1, 2, 3, 4組成のβ-サイアロンの強度特性を調べた.
    ボールミル混合時間は, 72時間のときが曲げ強度のばらつきが最も少なかった. アルミナの粒径は, 平均粒径が1μm以下程度なら, それ以下の粒径のものを用いても曲げ強度に著しい効果は認められなかった. 曲げ強度及びビッカース硬度は, z=1から4になるに従い各々約50kg/mm2から約38kg/mm2及び約2100kg/mm2から約1300kg/mm2へと低下した. ヤング率はz=1からz=3までは2.91×106kg/cm2から2.34×106kg/cm2へと下がったが, z=4では2.37×106kg/cm2z=3よりわずかに高い値を示した. 破壊靱性値はz=1からz=3までは約3.6MN/m3/2から約2.4MN/m3/2と低くなったが, z=4はz=3とほぼ同じ値であった.
  • 坂本 千秋, 藤井 知, 杉江 他曽宏, 金澤 良道
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 376-381
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ディオプサイド (CaMgSi2O6) のアルカリハライドフラックスによる結晶成長を試み, 結晶原料としてドロマイト原石及びα-石英が, フラックスとしてNaClが最適であることを見いだした. 次にR1=α-石英/ドロマイト (モル比), R2=出発原料/NaCl (重量比), 保持温度及び保持時間を変化させて, 生成した結晶の種類, 形態及び最大結晶長について検討を行った. 保持温度1100℃, 保持時間12h及びR2=0.02の条件において, 次の結果を得た.
    (1) 0.25≦R1≦1.00ではモンチセライト (CaO・MgO・SiO2), 0.75≦R1≦1.75ではオケルマナイト (2CaO・MgO・2SiO2), 1.25≦R1≦3.00ではディオプサイドが生成した.
    (2) 上記3種類の結晶のうち比較的結晶成長の良好であったディオプサイドについては, R1=2.00で最大結晶が生成した. その結晶長及び形態は, 2.0×1.5×0.5mmの板状晶, 1.0×1.0×0.8mmの多面体状晶及びφ0.3×4.0mmの針状晶であった.
  • 石沢 均, 桜井 修, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 382-386
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    金属アルコキシドのアルコール溶液を超音波噴霧器を用いて600°-1000℃に保持した赤外線集中加熱炉に噴霧し, TiO2微粒子を合成した.
    生成した粒子は, いずれの合成温度においても平均粒径が0.2-0.3μmの球形粒子と約0.01μmの超微粒子の2種類の粒子からなっていた. 1000℃で合成した場合, 球形粒子には大きさが約0.01μmの1次粒子による組織がTEM観察から明らかに認められた. しかし, 合成温度の低下とともに, 組織が明確でなくなり, 600℃で合成した場合には全く見られなくなった. BET法による比表面積の測定の結果から, 合成温度が球形粒子の組織に及ぼす影響を考察し, このような方法で合成される粒子の生成機構を明らかにした. その結果, アルコキシドは加熱されるとまず重合体を形成し, そこから核生成, 核成長を起こすことが分った.
  • 牧 俊夫, 寺西 妥夫, 小久保 正, 作花 済夫
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 387-393
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    TiCl4を加水分解し, 生成したHClの60-70重量%を減圧下で除去した後, アルカリ水溶液でpH 1近くまで中和し, 0.25-2.0M (M=mol/l) のTiO2のヒドロゾルを調製した. このヒドロゾルを水中で24-120時間透析してTiO2ヒドロゲルとした. ゲルをポリエチレン円筒に入れ, -78℃の冷媒中に1.1-8.1cm/hの速度で降下させ, ゲルを下から上に向け一方向に凍結した. 凍結物を室温に置き, 氷の部分を融解流出させた. その結果, ヒドロゾル生成時にアルカリ水溶液の添加によって部分的中和を行い, TiO2ヒドロゾルの濃度を1.0-2.0Mとし, 透析時間を48-120時間とし, 円筒の降下速度を2.2-4.5cm/hとしたときに, 長さ約10cm, 直径20-100μmのTiO2繊維の束を得ることができた.
    この繊維は多角形の断面を有し, その直径dと凍結速度R及び凍結面での温度こう配Gとの間にはd=a/(RG)+b (a及びbは定数) の関係が認められた, この繊維は半径1.5nm程度の細孔を多数含み, また小さいアナタース結晶を含んでいた. この結晶は加熱温度の上昇とともに成長し, 670℃でルチル結晶に転移した. 120℃で乾燥したこの繊維の化学組成はほぼTiO2・0.3H2Oであった. 上記のような条件で長い繊維の得られた原因をゲルの生成, 凍結過程に基づいて説明した.
  • 山田 哲夫, 桝永 勝朗, 国沢 哲郎, 神徳 泰彦
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 394-397
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4の結晶化度を簡便に決定するために, イミド熱分解法により合成した非晶質Si3N4粉末の結晶化度と加水分解性との相関を検討した. 100℃の0.5N NaOH水溶液中で非晶質Si3N4は, 短時間内に完全に加水分解されるのに対して, 結晶質Si3N4は, ほとんど加水分解されず, 安定であった. また, 部分的に結晶化したSi3N4の場合には, X線回折により求めた結晶化度と, 加水分解試験により求めた分解窒素量に基づく非晶質含有率との間に, 1次の相関関係が認められた. この相関を利用して, 加水分解試験により, 簡便に精度良くSi3N4粉末の結晶化度を測定できることが, 明らかとなった.
    また, 種々の粉末の加水分解挙動, 及び加水分解試験前後における粒子形態観察の結果より, 低結晶化度のSi3N4粉末とは, 非晶質状態の超微粒子と完全に結晶化した自形粒子との単なる不均質混合物であり, 1次粒子内部での部分結晶化状態は存在しないものと考えられた.
  • 松尾 哲夫, 塚本 公秀, 北村 福男
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 398-403
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    研削砥石の切削は砥石製造工場における仕上げ作業に関連する重要な研究課題である. 本研究では研削砥石の旋削が種々の単刃超硬工具によって行われ, 切削加工特性に及ぼす切削条件の影響が調べられた. 被削砥石は直径100mmの種々の結合度を有する白色アルミナビトリファイド砥石で, 切削工具はP 20, K 01, 及びK 10の超硬工具である. 切削速度は30-150m/minで最大切り込みは1.0mm, 送りは0.2-0.6mm/revであった. かくして, 種々の切削条件下で工具先端摩耗量及び切削抵抗が測定され, 最適切削作業条件が追究された. その結果, 砥石はK 01, K 10など適正な超硬工具を選定し, かつ比較的低い切削速度を選ぶことによって容易に切削できることが明らかになった. また, ここでは工具摩耗や切削抵抗に及ぼす砥石結合度の影響なども分った.
  • 水野 正雄, 山田 豊章, 川上 省二, 石井 英一
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 404-406
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 神崎 修三, 熊沢 猛, 浅海 順治, 阿部 修実, 田端 英世
    1985 年 93 巻 1079 号 p. 407-408
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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