窯業協會誌
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92 巻, 1072 号
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  • 谷 英治, 一ノ瀬 弘道, 岸 和司, 梅林 正気, 小林 和夫
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 675-679
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4, Al2O3, AlNの混合粉末を用いてz=3組成のβ-サイアロン (Si6-zAlzOzN8-z; z=0-4.2) を温度1800°-2000℃, 窒素圧力0.1-4MPaの条件下で雰囲気加圧焼結を行った. 焼結には, 詰め粉としてβ-サイアロンのz=3(+4) (4当量%酸素過剰) 組成に相当するSi3N4, Al2O3, AlNの混合粉末を用いた.
    z=3(+4) 組成のβ-サイアロンを1800℃, 0.1MPaで焼成した場合, 最高密度3.05g/cm3 (理論密度の99%) の焼結体を得た. また2000℃においてもz=3(+2) 組成のβ-サイアロンは2MPaで2.96g/cm3 (理論密度の96%) の高密度焼結体を得ることができた.
    β-サイアロン単相の熱分解は, 1800℃では1MPa, 1900℃では2MPa, 2000℃では4MPa以上の窒素圧により抑えることができた. 一方, β-サイアロンとX相からなる2相サイアロンの熱分解は2000℃以上で生じ, 2000℃では4MPa以上の窒素圧により抑えることができた.
    β-サイアロンの雰囲気加圧焼結には, 詰め粉, 試料中の過剰酸素成分量及び窒素圧の効果が大きいことが明らかになった.
  • 福味 幸平, 福永 二郎, 吉田 直次郎, 井原 将昌
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 680-685
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    CaO-Al2O3-B2O3系ガラスの低ホウ素含有領域における構造をラマンスペクトル法を用い調べた. この領域に存在する特徴的な構造群はアルミネート網目, オルソボーレート群, 2CaO・Al2O3・B2O3結晶類似の構造である. ラマンスペクトルではアルミネート網目によるピークは540cm-1と770cm-1に, オルソボーレート群によるピークは930cm-1に, 2CaO・Al2O3・B2O3結晶に特徴的な構造群のピークは980cm-1に観測される. B2O3を5mol%又は10mol%含むガラスでは, アルミネート網目とオルソボーレート群が主要な構造群であり, 2CaO・Al2O3・B2O3結晶類似の構造も多少共存する. B2O3を20mol%含むガラスでは, アルミネート網目, オルソボーレート群, 2CaO・Al2O3・B2O3結晶類似の構造が主体を占め, B2O325mol%含むガラスでは, オルソボーレート群と2CaO・Al2O3・B2O3結晶類似構造が主体をなす. すなわち, ホウ素含有量が増加するにつれて, アルミネート網目は減少し, 2CaO・Al2O3・B2O3結晶類似の構造が増加する. またAl2O3をCaOで置換するとオルソボーレート群の量は増加する.
  • 坂本 千秋, 藤井 知, 杉江 他曽宏, 近沢 亮太
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 686-692
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    LiCl及びNaClの両フラックスを出発原料として, 塩基性炭酸マグネシウムとα-石英を使用し, 徐冷法により, 各種条件下でMg2SiO4の結晶成長を図った. 保持温度及びR (出発原料/フラックス), 更に生成結晶の成長に及ぼすLi+, Na+の効果と考えられる要因により, 形状の異なるMg2SiO4を始め, Li2MgSiO4, MgSiO3の結晶の生成及び成長があり, 次のような結果が得られた.
    (1) LiClフラックスを使用すると, いかなる条件下においても, Mg2+にLi+が置換したLi2MgSiO4が副生する. しかし, これらの大部分は, JIS 200メッシュ (粒径74μm) のふるいを通過できず, 他の生成物と分離できる. また, 生成物はR<0.04において, Li2MgSiO4, R>0.04ではMg2SiO4が主な生成物となる.
    なお, Mg2SiO4は800℃から生成し, 保持温度1000℃, R=0.10, 保持時間8h, 徐冷速度20℃/hの条件下でLi+の媒晶イオン効果と考えられる角柱状の35μmに達するMg2SiO4結晶を得た.
    (2) NaClフラックスの使用において, Mg2SiO4及びMgSiO3の生成条件は, 次のようである. (1) 保持温度1100°-1150℃ではR=0.02-0.08, (2) 保持温度1200℃ではR>0.04.
    なお, 保持温度1200℃, R≦0.04においては, MgSiO3は生成せず, Na+の媒晶効果と考えられるMg2SiO4の板状晶が生成した. その最大結晶は, 約500μmに達するが, 厚さは1-3μm程度の極めて薄いものであった.
  • 大和田 豊, 小林 和夫
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 693-698
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4-SiO2-MgO-CaOを接合剤として用いた窒化ケイ素焼結体 (常圧焼結品) の接合を温度1350°-1600℃, 圧力15MPaの条件にて行い, 接合剤を用いない場合との比較検討をした.
    接合強度 (3点曲げ) と試料の収縮量とに相関が認められ, 収縮量が急激に増加した1600℃接合体では, 接合剤の有無によらず平均360MPaの値が得られた. 接合剤を用いない場合の1500℃以下の接合体では機械的な接合強度を示さない部分があるのに対し, 接合剤を用いることにより1350°-1500℃の接合体で平均160MPaの接合強度が得られた.
    接合部のEPMA分析から, 接合剤を用いた場合, 接合剤成分のCaとMgは, 粒界拡散により接合層から母材内部へ拡散していることが分った. また, 接合剤を用いない場合は, 母材内部から接合面に拡散したと考えられるYが, 接合境界に集中していた.
    Si3N4-SiO2-MgO-CaOを接合剤として用いることで母材の変形の少ない, 1350°-1500℃の低い温度でも比較的強く窒化ケイ素焼結体を接合できることが分った.
  • 服部 豪夫, 伏井 康人, 毛利 純一, 吉村 昌弘, 宗宮 重行
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 699-706
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    硫酸アルミニウムを硫酸チタンの混合溶液から水酸化アンモニウムで沈殿させたAl-Ti共沈水和物を出発物質に用い, これを水熱条件下 (温度100°-700℃, 圧力10MPa及び100MPa, 反応時間0-72h) で処理して, その生成結晶を調べた. 100MPa, 24hの場合, 100°-400℃でベーマイトとアナターゼが結晶化した. ベーマイトは500℃でコランダムに変化したが, アナターゼからルチルへの変化が明確になるのは650℃以上であった. 10MPa, 24hの場合, チタニア端成分では100°-700℃でアナターゼのみが同定された. アルミナ端成分は, 100°-300℃でベーマイトが, 400°-500℃ではアルミナ-硫酸アンモニウム化合物が, 600°-700℃ではコランダムが結晶化した. 共沈水和物を水酸化ナトリウム0.2-10wt%溶液で洗浄すると, 500℃, 100MPa, 24hの処理により, ナトリウム-チタニア化合物が生成した. 同様に水酸化リチウム溶液を使って処理するとリチウム-チタニア化合物を得た. 本実験条件ではアルミナとチタニアの化合物は生成せず, チタン酸アルミニウム (Al2TiO5) はアナターゼとコランダムに分解した.
  • ストロンチウム塩について
    桜井 正, 永井 正幸, 西野 忠
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 707-711
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    既報と関連してSr10(CrO4)6CO3の生成と炭酸ガス気流中での不均化反応について検討した.
    Sr10(CrO4)6CO3を単一相で得る場合, SrCrO4とSrCO3との炭酸ガス雰囲気中での加熱は常にかなりな量のSr3(CrO4)2を共存する.そのため, Sr10(CrO4)6CO3のみを得るのにSr10(CrO4)6(OH)2を高温下でCO2を用いて置換する方法をとった.
    Sr10(CrO4)6(OH)2は過剰のSr(OH)2を含むSrCrO4混合物を含湿窒素ガス中で加熱後, 遊離SrOをメタノールで除去することによって得た. Sr10(CrO4)6(OH)2を炭酸ガス気流中, 約1000℃で急速に加熱 (5時間保持) することにより, Sr10(CrO4)6CO3が単一相で得られる. この化合物は六方晶に属し, 格子定数はa0=10.11Å, c0=7.39Åであった. Sr10(CrO4)6CO3を炭酸ガス中で再加熱すると600℃付近で不均化反応が始まりSrCrO4, SrCO3及びCr2O3となる. この不均化反応は次式のように表される.
    Sr10(CrO4)6CO3+5CO2→6SrCO3+4SrCrO4+Cr2O3
  • 中川 哲, 石間 健市, 河合 進, 横山 督
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 712-718
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    屋根瓦に用いられる粘土は通常真空土練押し出し成形機により成形され, 乾燥, 焼成される. この場合押し出し成形機による成形性は粘土の可塑性に影響される. 本報告では粘土の可塑性を押し出し成形機による成形性と関連付けてプラストグラフ曲線と応力-ひずみ曲線から評価した. プラストグラフ曲線は粘土に加えた水分によるコンシステンシーの変化から求めた. 応力-ひずみ曲線は円柱状に成形した粘土について圧縮試験で測定した. この実験で次の結果が得られた. 1) プラストグラフ曲線にピークが現れる場合, その粘土は押し出し成形機による成形が可能である. 2) 押し出し成形する場合プラストグラフ曲線の最大コンシステンシーを示す水分より多い水分で成形する必要がある. 3) ピークが現れない場合はプラストグラフ曲線だけでは成形の可否を決定できない. 4) 応力-ひずみ曲線は押し出し成形による成形性に有効な情報を与える. 5) 押し出し成形するには, 応力-ひずみ曲線から求めた最大応力が, 10mm径×10mm高さの試料で, 1.20kg以上, 最大変形量が1.8mm-2.0mmであることが必要である.
  • 元井 操一郎
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 719-725
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    マグネシアとシリカよりフォルステライトの合成に当たり, 未反応のペリクレーズやクリストバライトの残存のない, しかもエンスタタイトを副生させない焼成条件と得られた焼結体の物性について検討した.
    その結果, 化学量論組成のマグネシアとシリカに焼結促進剤としてチタニアを, 結合剤としてメチルセルローズをそれぞれ添加した配合物を500kg/cm2で成形し, 1600℃で1時間焼成して未反応成分やエンスタタイトを含まないフォルステライトを合成する適性な条件を見いだした. このようにして得られた合成フォルステライトを成形, 焼成した焼結体の1000℃における熱間曲げ強さは396kg/cm2 (平均値) と大きく, 熱伝導率は温度に逆比例し700℃では2.14kcal/m・h・℃と小さく, 更に熱膨張係数及び弾性率はそれぞれ13×10-6deg-1, 4.6×105kg/cm2と言う特徴ある物性を示す材料であることを明らかにした.
  • 玉木 幸裕, 能代 誠
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 726-727
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1072 号 p. 727
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 池上 隆康, 守吉 佑介
    1984 年 92 巻 1072 号 p. 728-729
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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