ガラス溶解窯用の主な耐火物, 及びそれらの主成分であるAl
2O
3-SiO
2, ZrO
2-SiO
2, Al
2O
3-ZrO
2-SiO
2系において, Na
2Oレベル (化学ポテンシャル) を一定に保ったときの平衡状態について, 実験により検討した. 試料をNa
2SO
4などの侵食剤の蒸気相中に置き, 同条件下で充分平衡に近づいたと見なされる状態で, 試料中のNa
2Oを分析し, 含有相の同定を行った. Na
2Oレベルは, 侵食剤の種類や, 実験に使用するるつぼの設置状態を変えることにより, 種々のレベルに保つことができた.
耐火物試料について, 種々のNa
2Oレベル下での平衡状態を求め, 更に, Na
2O-Al
2O
3-SiO
2及びNa
2O-ZrO
2-SiO
2系の1300°, 1500℃等温断面図上で, 各実験条件のNa
2Oレベルに相当する組成位置を推定した. Al
2O
3-ZrO
2-SiO
2系についても, 種々のNa
2Oレベルにおける1500℃等温断面図を明らかにした. その他, Na
2O-ZrO
2-SiO
2系の等温断面図を急冷法により求めた.
これらのデータは, Na
2Oを含むガラスの溶解窯用耐火物の, 侵食状態を考え, 安定性を判断する上で, 有効であると考えられた.
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