ハロゲン化チタン-炭化ガス-水素系気相反応 (1000°-1500℃) による炭化チタン (TiC) 微粉体の合成を行い, その生成条件及び生成物の性質を調べた.
(1) TiC粉体生成に対して, ハロゲン化チタンはTiCl
4<TiBr
4<TiI
4の順に, 炭化ガスはCCl
4≪C
2H
4<CH
4の順に有効であった. 本反応系の生成粉体は, TiC
xと副生炭素からなる.
(2) TiI
4-CH
4又はTiI
4-C
2H
4系において, TiC粉体収率及び生成物のTiC含有率は, TiI
4と炭化水素を1200°-1300℃で混合反応させた場合に最高となった. TiI
4とCH
4の濃度を増すと, TiC粉体の生成量が増加するが, [CH
4]/[TiI
4] の比が高くなるとTiC粉体生成が抑制される傾向が見られ, 副生炭素量が増した.
(3) 生成TiC
x粉体は, 0.01-0.2μmの単結晶粒子からなる. TiC相の格子定数は4.307-4.331Åで, 非化学量論組成C/Ti比 (
x) 0.57-1.00の変化に対応する.
(4) 本反応系でのTiC粒子は, TiCの均一核生成とその成長による生成過程をとり, この過程によって, 本実験の結果はよく説明できた.
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