窯業協會誌
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90 巻, 1047 号
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  • 袴塚 康治, 土谷 敏雄, 関口 金孝
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 627-633
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    この研究で, 著者らはNa2O-Fe2O3-NiO-B2O3-P2O5系ガラスあるいはガラスセラミックスの結晶化によって, 磁性結晶物質を得る可能性と通常のガラス形成技術により, 任意な形の成形物を得る可能性を検討した. 研究した溶融組成は, 25-35mol% Fe2O3, 10-20mol% NiO, 10-20mol% Na2O, 10-40mol% B2O3, 10-45mol% P2O5である. 磁気特性, 電気伝導, 誘電緩和がNa2O-Fe2O3-NiO-B2O3-P2O5シリーズの急冷と結晶化試料について測定された. 得られた結果は次のとおりである.
    1) 25-30mol% Fe2O3, 10-20mol% NiO, 10-20mol% Na2O, 10-40mol% B2O3, 10-45mol% P2O5組成の溶融は, 冷却により任意な形に成形でき, そして, ある急冷試料は磁化を示した.
    2) ガラスセラミックスの磁化は, Fe2O3の量とともに増加し, 極大がB2O3/B2O3+P2O5組成比≈0.56-0.85で見いだされた.
    No. 7 (急冷試料) の磁化は, 磁場6500 Oeで25emu/gに達した.
    3) γ-Fe2O3とNiFe2O4のようなスピネル型フェライトの結晶の存在が, Fe2O3を高濃度に, NiOを比較的高濃度に含むある急冷試料において, 化学分析, キュリー点, X線分析, IRスペクトルによって確認された.
    4) 析出した結晶の型は, 熱処理温度が増加するにつれ, γ-Fe2O3からα-Fe2O3そしてNiFe2O4に変化した.
    5) 急冷試料の導電率において, 非常に高い導電率がγ-Fe2O3を含む組成で観察された. 異常に大きな誘電緩和スペクトルが, 20Na2O・25Fe2O3・10NiO・25B2O3・20P2O5ガラスセラミックスで観察された.
    磁気的性質の原因は, ガラスマトリックス中のγ-Fe2O3とNiFe2O4のような微構造の形成に関連している. このような微構造の形成は, 電気的性質に異常挙動をもたらすと考えられた.
  • 小久保 正, 鈴木 憲之
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 633-641
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    一般式 (Bi2O2)2+(Mem-1RmO3m+1)2-で表されるBi層状化合物の中, 一致溶融し, しかも比較的高いキュリー点を有する7種の化合物の組成, 及びこれに少量のPbO, Bi2O3, B2O3などを添加した組成の融液を, 白金るつぼ中で70°-140℃/cmの温度こう配下で0.7-2.9mm/hの速度で下から上に向け一方向に凝固した. その結果, いずれの組成, いずれの凝固条件の場合も, 分極軸のa軸あるいはb軸を凝固進行方向にほぼ完全にそろえたBi層状化合物の配向性多結晶体が得られた. これらの多結晶体の多くは, 空げき及びき裂をいくらか含んでいたが, (Bi2O2)(PbNb2O7) にPbO-Bi2O3-B2O3系のガラス形成成分を少量添加した組成の融液を70℃/cmの温度こう配下で, 1.4mm/hの速度で一方向に凝固した場合には, 空げきもき裂もほとんど含まない多結晶体が得られた. 上記の空げきは, 結晶がセル状で成長した結果生じた収縮孔であり, き裂は結晶の熱収縮量が結晶学的方向によって異なるために熱応力によって生じたものと考えられた.
  • 川上 浩, 岡田 肇, 橋場 稔, 三浦 英二, 塗師 幸夫, 日比野 泰三
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 642-648
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    噴霧乾燥したアルミナと, 仮焼してふるい分けすることにより造粒した酸化亜鉛の混合試料を調製した. この試料を800°-1200℃で0-20時間加熱し, アルミン酸亜鉛の生成率を測定し, また走査型電子顕微鏡により微細構造を観測した. アルミン酸亜鉛は造粒した酸化亜鉛の周りのアルミナ凝集体顆粒中に生成し, 反応層の厚さは拡散の法則を満足して成長することを示した. 反応層の厚さから拡散係数を計算し, またその活性化エネルギーを求め, 800°-900℃で23.2kcal/mol, 1000°-1200℃で42.6kcal/molと温度により変化することが分った. また, 測定した生成率-時間曲線にJander式を適用して求めた速度定数の活性化エネルギー値は, アルミナ顆粒中に生成したアルミン酸亜鉛の成長を支配している拡散の活性化エネルギーと一致した. 従来アルミン酸亜鉛の生成反応に対するJanderの速度定数の活性化エネルギーは約100kcal/molから21.3kcal/molまで広範囲にばらついた値が報告されているが, 特に低い活性化エネルギー値を与える理由として, アルミナ凝集体顆粒中に生成するアルミン酸亜鉛層を通しての拡散は, 粒界あるいは表面拡散が体積拡散に比べ大きな寄与をしているのではないかと推定した.
  • 松尾 哲夫, 大島 栄一, 柴田 博志, 伊東 隆夫
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 648-653
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ジルコニア系砥石, 焼結高純度アルミナ系砥石等今日の代表的傷取り研削砥石 (レジノイド砥石) について4点支持の静的曲げ及び曲げクリープ特性を追究した. 特に砥粒, 粒度, 結合度等の影響について調べた. 試験片は静的曲げ, クリープ試験とも厚さ5mm, 幅10mm, 長さ100mmの板状のものを使用した. クリープ試験温度は常温-300℃であった.
    静的曲げ試験の結果25%及び40%ジルコニア系及び焼結高純度アルミナ系砥石の弾性率はA, WAアルミナ砥石のそれに比べ著しく高く, また細粒で結合度が高い砥石ほど弾性率, 曲げ強度は高い. 一方クリープ変形は200℃から300℃の間で急に顕著になること, そして最もクリープしにくいのはSR砥石で, AZ 77砥石がこれに次ぎA砥石やWA砥石は逆にクリープを起こしやすい. また, 結合度が高いほどクリープ変形は小さいが, 粒度の影響は概して小さいことが分った.
  • 堀田 憲康, 斉藤 夏風, 松尾 重友, 松下 徹
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 653-658
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Nb2O5焼結体と3種類のAl2O3-Y2O3系化合物 (5Al2O3・3Y2O3, Al2O3・Y2O3, Al2O3・2Y2O3) 焼結体を重ね合わせて拡散対とし, 大気中, 1250°-1325℃で加熱した. 生成する反応層をX線マイクロアナライザー分析及びX線回折により測定し, Nb2O5とAl2O3-Y2O3系化合物との固相反応を調べた.
    Nb2O5のAl2O3-Y2O3系化合物への一方拡散により, Al2O3・Nb2O5及びY2O3・Nb2O5が生成した. 反応層内に生成したAl2O3・Nb2O5は長球形, Y2O3・Nb2O5は球形の形状をしており, 各々の粒子は集合体として偏在していた. 反応後, 冷却に際してNb2O5層と反応層の熱膨脹率の差により, それらの界面ではく離が起こった. 反応層の厚化速度はx2=2DNbt式に従い, 見掛けの活性化エネルギーは90-95kcall/molであった.
  • 野村 修身, 江畑 儀弘, 土方 研一
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 658-663
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本報は, セラミック製発電チャネル壁を検討する. この発電チャネル壁は, 壁素子と支持体の間に, 緩衝層をもっている. この緩衝層は, 素子の熱変形が拘束されるために発生する熱応力により, 素子の破壊を防止するという, 重要な働きをもつ.
    緩衝層の熱抵抗を測定するためのモデルが考案された.
    緩衝層は緩衝体と接着層に分けられる.
    緩衝体は直径0.4mm, 純度99.7%のニッケル線束である. 線は素子の中心線の方向にそろえて束ねられている. 緩衝体断面のニッケル占積率は約78%である. 緩衝体の一方は接着層に銀ロウ付けされ, 他方は支持体にはんだ付けされている.
    接着層は厚さ0.3mmの銅板で作られ, 耐熱法により, 素子に接着されている. 接着層はCu, Cu2O, CuOの3層で成り立っていることを見出した.
    モデルの素子は, 純度約99.9%, 気孔率約3%のマグネシアセラミックス製である.
    モデルの支持体は銅製である.
    結果は以下のとおりである.
    (1) 緩衝層の熱抵抗は1.9-2.5K/(W/cm2)である.
    (2) 接着層の熱抵抗は0.43-0.87K/(W/cm2)である.
    (3) ニッケル線のみに熱が流れるものとして, 緩衝体の熱抵抗を計算すると, 約0.7K/(W/cm2)である.
    (4) 以上の結果より, 銀ロウ付け層の熱抵抗は, 耐熱法による接着層と同等と見なされる.
    この抵抗値は簡単に調節できるので, この壁はMHD発電チャネル壁に使えることが分った.
  • 表面応力測定への応用
    岸井 貫
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 664-669
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ガラス表面又は表面層が光を捕えて発散させずに伝える性質があると, ここに光を注入し, 屈折計法又は散乱光光弾性法 (バイアスコープ法) によって表面応力を測り品質管理をすることができる. びん, 管, バルブ, 照明器具等の表面を検査し, いずれも光ウェーブガイド (光導波路) 効果があることを認めた. 表面付近に表面にほぼ平行に配列している屈折率極大がウェーブガイドの役目をするのであり, このような屈折率の分布はガラス融液からの成形工程に原因すると解釈した.
  • 山口 成人
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 669-673
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 大河内 正人, 安藤 義則
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 673-675
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 三橋 武文, 田中 英彦, 藤木 良規
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 676-678
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 鎌田 喜一郎, 松本 茂樹
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 678-680
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 広田 和士, 長谷川 安利, 門間 英毅
    1982 年 90 巻 1047 号 p. 680-682
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1047 号 p. A65-A72
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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