クリストバライトのカーボンによる還元窒化反応を1360°-1475℃で行った. 反応生成物はα-Si
3N
4とβ-Si
3N
4で, わずかにSiCも認められた. Si
3N
4(α+β)中のα-Si
3N
4の生成割合は約90%で, Fe
2O
3 (0.18wt%) の添加により約95%に増加した. 窒化反応生成物は主として1μm程度の丸味を帯びた粒子からなるが柱状及び針状粒子も認められた. SiO
2のSi
3N
4への初期転化率から求めた反応の活性化エネルギーは約150kcal/molで, Fe
2O
3を添加すると135kcal/molに低下した. SiO
2-C-N
2系の窒化は生成経路I-IIIによると考察した. すなわち, IはSiO
2(s) とC(s) の反応でSi(s, l) が生成し, このSi(s, l) が窒化される. IIはSiO
2(s) とC(s) あるいはCO(g) の反応により, SiO(g) が生成し, このSiO(g) が不均化によりSi(s, l) とSiO
2(s) を生成する. このSi(s, l) が窒化される. IIIはSiC(s) とN
2(g) の反応でSi
3N
4(s) を生成する. 本実験ではIが主な生成経路と考えられる. IIIはSiCの生成量が少ないので, 全窒化反応の中で重要な生成経路とならないと考える. Fe
2O
3を添加したSiO
2-C-N
2系での窒化では, Fe-Si系の液相を経由して進行する可能性がある.
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