α-Si
3N
4, α-Al
2O
3及びAlNを出発原料にして, 熱間加圧焼結法により製造したβ-サイアロン焼結体の室温及び1400℃における曲げ強度を測定した. β-サイアロン焼結体の製造に用いた混合粉末の組成は,
Z=1 (1.8),
Z=1 (2.8),
Z=1 (4) 及び
Z=1 (5.5) である. ここで, 括弧内の数字は,
Z=1の組成をもつβ-サイアロンからの酸素の過剰の当量%を示す.
(1)
Z=1 (5.5) 及び
Z=1 (4) は, 十分ち密化したが,
Z=1 (2.8) 及び
Z=1 (1.8) は, ち密な焼結体とならなかった.
(2) 焼結体の組成は, いずれもβ-サイアロンからなるが,
Z=1 (4) 及び
Z=1 (5.5) から得た焼結体には, 走査型電子顕微鏡観察から, ガラス質粒界相が認められた.
(3)
Z=1 (4) の室温における曲げ強度は, 55.5kg/mm
2と最も高く, 混合粉末の組成が
Z=1 (4) より酸素側へ又は窒素側へ移行しても, 焼結体の曲げ強度は, 低下した.
Z=1 (5.5),
Z=1 (4),
Z=1 (2.8) 及び
Z=1 (1.8) 焼結体の1400℃曲げ試験で, 各焼結体とも強度の低下は認められなかった.
(4) 各焼結体の室温及び1400℃破断は, いずれも各焼結体内部の欠陥 (空孔, 未焼結部分及び粗大粒子の集合部) から始まっていた. 破断のモードは, 室温及び1400℃とも, 粒内破断であった.
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