窯業協會誌
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92 巻, 1061 号
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  • 西谷 邦雄, 長谷川 保和, 東方 正章
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 11-13
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    温度が変化する場合の粘性流動によるガラスの焼結を表す式は既に報告したが, 更に粘性流動だけでなく拡散及び蒸発-凝縮機構を含めた温度が変化する過程での焼結を表す次の一般式を誘導した.
    M/C=am+1e/α〔{aΣbi/m+2+(1-aΣbi/m+2)χ(x)}e-(x-β)/(x-β)m+2x1x2 χ(x)=1-m+2/(x-β)+(m+2)(m+3)/(x-β)2-……} ここにM: 焼結量, C: 定数, α: 温度の時間こう配, a: 活性化エネルギー項, bi: 各因子の温度係数, m: 絶対温度Tのべき数, β: 活性化エネルギー項の温度係数, x: 温度と時間に関する変数.
    この一般式から上記のそれぞれの機構について温度が変化する過程における焼結速度式が容易に得られる.
  • 飯泉 清賢, 蕎麦田 薫, 久高 克也
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 14-19
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    熱重量分析, 示差熱分析, X線分析, ガスクロマトグラフィー及び赤外線吸収スペクトルなどの手段を用いてビス (シュウ酸) 酸化チタン (IV) バリウムの熱分解機構及びBaTiO3生成反応について検討し, 次の結果を得た.
    (1) BaTiO(C2O4)2・4H2Oの熱分解及びBaTiO3生成反応は次のように進行する. BaTiO(C2O4)2・4H2O→BaTiO(C2O4)2→BaCO3+TiO2→BaTiO3. (2) 熱分解過程で生成するTiO2は無定形であり, BaCO3は低温から高温へ無定形→ゆがんだ形の立方晶→斜方晶のように転移すると推定される. (3) BaTiO3生成反応は約720℃以上の温度で, その温度で存在する無定形, ゆがんだ立方晶及び斜方晶のBaCO3と無定形のTiO2との反応によって進行すると推定される. (4) BaTiO3生成反応の活性化エネルギーは46kcal/molで, 従来の乾式合成反応の58kcal/molよりかなり低い値である. (5) 従来の乾式合成反応の律速段階は拡散であるのに対し, 本研究のBaTiO3生成反応の律速段階はBaCO3の分解過程である.
  • 大田 陸夫, 幸塚 広光, 曽我 直弘
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 20-24
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    SiO2-Li2O系 (SiO2=35-81mol%組成) 融液を液相温度から, Q1=4×10-2, Q2=1.4×10-1, Q3=4×10-1, Q4=3, Q5=19, Q6=4.4×102, Q7≅105K/sの冷却速度で室温まで冷却し, ガラス化領域を決定した. SiO2=35-75mol%の組成では, ガラス化領域は冷却速度とともに拡大したが, 臨界冷却速度Q*はSiO2=75mol%でわずかに極小となった. しかし, Q2-Q5の冷却速度においては, SiO2>70mol%組成ではガラスの分相が現れ, 冷却速度の上昇とともに分相領域は高シリカ側に縮少した. 液相粘度logηLをlogQ*に対してプロットするとほぼ直線的な関係が得られた. SiO2-Li2O系とB2O3-Li2O系のlogQ*-logηLダイヤグラムを比較したところ, 同じQ*を持つ組成ではSiO2-Li2O系の方が高いηLの値を持つことが判明した. 結晶化速度式を用いて両者のガラス形成能の違いを調べた結果, SiO2-Li2O系の融解エントロピーがB2O3-Li2O系のそれより小さいことが原因であると推定された. このことは, 液体と結晶の構造変化がSiO2-Li2O系の方が, B2O3-Li2O系のそれより小さいことを示唆している.
  • 佐谷野 顕生, 中川 善兵衛, 浜野 健也
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 25-34
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1mol%のNb2O5を含むZnOセラミックスに, 焼成時に生成する液相の性質及び液相と固相の相互関係を変化させる目的で第3成分 (CaO, SrO, BaO, SiO2, CoO, MnO) を添加し, これらが焼成体の電気的性質と微構造に与える影響について検討した.
    CaO, SrO, BaOの添加はZnO粒子に対する粒界相のぬれ性を良くし, 焼成体の比抵抗を増加させた. SiO2の添加は粒界相のぬれ性を良くするが比抵抗の値には変化を与えなかった. CoOの添加は電気的性質, 微構造にほとんど影響しなかった. MnOの添加は焼成体の組織にそれほど変化を与えないが, 添加量の増加とともに比抵抗は急激に増加し, 0.5mol%の添加でバリスター特性が認められた.
    ZnOに0.5mol%のMnOのみを添加した焼成体も比抵抗が高く, 若干のバリスター特性が認められた. これにNb2O5を少量添加すると比抵抗値は急激に減少するが, Nb2O5の添加量が1mol%になると再び比抵抗値は高くなってバリスター特性が現れた. MnOのみを添加した焼成体のバリスター特性はZnO粒界にMnOが析出するためと推定され, これにNb2O5を添加した焼成体のものは液相の生成と関連するものと考えられた.
  • 石黒 隆, 石沢 伸夫, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 35-38
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    デラフォサイト (delafossite, CuFeO2) 型構造をとる約30種のA+B3+O2化合物の格子定数から結晶構造パラメーターを求め, BO6 8面体の偏平度がB3+イオンの半径rBとともに増加し, その様子がrB=0.8-0.9Å付近を境に大きく変わることなどの現象を見いだし, このようなBO6 8面体層の異常な挙動をイオン結晶の格子エネルギーとA-O-B結合の共有結合性とから議論した.
  • 神山 美英, 荒川 敏彦, 森 忠芸, 飯田 武揚, 三田村 孝
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 39-44
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ハロゲン化物法により, 窒素ガス流通 (100-200ml/min) 下, 200°-1050℃の温度範囲でZrCl4からのZrN粉末の合成を試みた. 特に, 還元剤の影響に着目し, Al, Mg及びZn粉末の3種類について比較検討した. これら還元剤の中ではAlが最も有効で, 800℃以上でZrNが生成した. しかし, 窒化の進行が遅い場合は合金相のAl3Zrが生成した. この窒化反応の見掛けの活性化エネルギーは約28.7kcal/mol (850°-1050℃) であった. 1050℃, 1h反応で得られた生成物は微粉末 (0.1-0.3μm) で, 単相のZrNであり, 格子定数aは4.575Å, 結晶子径は259Åであった. しかし, ZrCl4の昇華損失によりAlの残留が認められた. 残留Alは1N水酸化ナトリウムでほぼ除去できた. 一方, Mgでは窒化反応の進行が遅く, ZrNは粗大粒子となった. また, ZnではZrNを合成することはできなかった.
  • 梅林 正気, 岸 和司, 谷 英治, 小林 和夫
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 45-51
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    α-Si3N4, α-Al2O3及びAlNを出発原料にして, 熱間加圧焼結法により製造したβ-サイアロン焼結体の室温及び1400℃における曲げ強度を測定した. β-サイアロン焼結体の製造に用いた混合粉末の組成は, Z=1 (1.8), Z=1 (2.8), Z=1 (4) 及びZ=1 (5.5) である. ここで, 括弧内の数字は, Z=1の組成をもつβ-サイアロンからの酸素の過剰の当量%を示す.
    (1) Z=1 (5.5) 及びZ=1 (4) は, 十分ち密化したが, Z=1 (2.8) 及びZ=1 (1.8) は, ち密な焼結体とならなかった.
    (2) 焼結体の組成は, いずれもβ-サイアロンからなるが, Z=1 (4) 及びZ=1 (5.5) から得た焼結体には, 走査型電子顕微鏡観察から, ガラス質粒界相が認められた.
    (3) Z=1 (4) の室温における曲げ強度は, 55.5kg/mm2と最も高く, 混合粉末の組成がZ=1 (4) より酸素側へ又は窒素側へ移行しても, 焼結体の曲げ強度は, 低下した. Z=1 (5.5), Z=1 (4), Z=1 (2.8) 及びZ=1 (1.8) 焼結体の1400℃曲げ試験で, 各焼結体とも強度の低下は認められなかった.
    (4) 各焼結体の室温及び1400℃破断は, いずれも各焼結体内部の欠陥 (空孔, 未焼結部分及び粗大粒子の集合部) から始まっていた. 破断のモードは, 室温及び1400℃とも, 粒内破断であった.
  • 今井 寛治, 磯松 良純, 浅見 薫
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 52-59
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    磁器素地の通常の焼成は1300℃という高温であるため大量のエネルギーを必要とする. 焼成のエネルギーを節減するため磁器の特性を変えないで1100℃という低温で焼成できる素地を開発し, その磁器化過程, 素地特性を明らかにした.
    この素地の組成式は0.40KNaO・0.16CaO・0.21MgO・1.00Al2O3・6.99SiO2・0.10B2O3で示される. この素地はB2O3系フリット, アルカリ, アルカリ土類成分を添加しているが, 安定した磁器化状態を保ち鉱物組成, 素地特性等も従来の磁器と大差ない. また陶石合わせ素地のため可塑性もあり, これまでの生産工程を変更することなく製造することが可能である.
    実験炉では, 焼成時間が約30%, 燃料が30-40%節減できることが確認された.
  • 山田 豊章, 水野 正雄, 町田 充秀, 田口 昭, 野口 哲男
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 60-62
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 玉利 信幸, 近藤 功, 樋端 保夫
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 63-64
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 下平 高次郎, 毛利 尚彦, 堤 正幸
    1984 年 92 巻 1061 号 p. 65-66
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1061 号 p. A1-A6
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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