炭化ホウ素を0-50wt%の範囲で添加した仮焼ピッチコークス粉末を200kg/cm
2の加圧下で1800°-2200℃の温度で焼成を行い, 炭化ホウ素の添加量及び加圧焼成温度が得られる焼成体の物性に与える影響を検討した.
その結果, 加圧焼成温度が2000℃以上において, 炭化ホウ素の添加量が焼成体のち密化及びコークスの黒鉛化に著しい影響を与えることが明らかとなった.
特に著しい影響が認められた2200℃焼成の場合, 焼成体の密度及び機械的強度は炭化ホウ素の添加量の増加とともに増加し, 炭化ホウ素の添加量が約30wt%の時, 相対密度約96%, 曲げ強度約1500kg/cm
2の値を示した. また, コークスの黒鉛化の進行及び焼成体の電気比抵抗値の低下は炭化ホウ素の添加量の増加とともに急激に進み, 添加量が5-10wt%の時, 最低の
d(002) 値 (3.358Å) 及び電気比抵抗値 (1×10
-3ohm・cm) を示した. 更に添加量が増加すると, 再び,
d(002) 値及び電気比抵抗値の増加する傾向が認められた.
焼成体のち密化やコークスの黒鉛化は, 添加した炭化ホウ素中のホウ素の一部がコークス中に固溶したことにより促進されたと推定された.
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