PbO-GeO
2-R
2O (R=K or Na), PbO-GeO
2-K
2O-Na
2Oガラス中のNi
2+イオルの吸収スペクトルを測定し, これを用いて配位子場強度, Racahパラメーター及びNi
2+イオンの配位状態を決定した. アルカリ含量によるこれらのパラメーターの変化をガラス構造と関連付けて検討した. PbO-GeO
2-R
2O-NiO (R=K or Na) 系ガラスでは, アルカリ含量の増加に伴い配位子場強度を表すピークの位置は高波数側へ, Racahパラメーターは低波数側ヘシフトした. PbO-GeO
2-K
2O-Na
2O-NiO系ガラスでは, 配位子場強度及びRacahパラメーターは算出できなかった. PbO-GeO
2マトリックスガラス中では, Ni
2+は6配位が支配的であるが, アルカリ含量増加に伴い4配位と6配位のNi
2+が生成する. これらの測定結果から, この系のガラス中にはGeO
68-イオンが生成していることが示唆された.
PbO-GeO
2-R
2O-NiO (R=K or Na), PbO-GeO
2-K
2O-Na
2O-NiO系ガラスのIR吸収スペクトルを測定し, これを用いてGeの配位状態を決定した. 結果として, この系のガラス中ではGeは6配位が支配的であり, アルカリの添加によってGeの配位数はあまり大きい変化を受けないことが示された.
PbO-GeO
2-R
2O-NiO (R=K or Na), PbO-GeO
2-K
2O-Na
2O-NiO系ガラスの屈折率を測定した. PbO-GeO
2-R
2O-NiO系ガラスではアルカリ含量増加に伴い屈折率は低下し, 加成性からのわずかなずれが見られた. PbO-GeO
2-K
2O-Na
2O-NiO系ガラスでは, 〔K
2O〕/〔K
2O+Na
2O〕 の比の増加に伴い屈折率は直線的に低下し, 混合アルカリ効果ははっきりとは現われなかった.
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