窯業協會誌
Online ISSN : 1884-2127
Print ISSN : 0009-0255
ISSN-L : 0009-0255
92 巻, 1071 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 杉浦 正洽, 上垣外 修己
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 605-611
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    複合有機金属化合物を用いて高純度, 超微粒子のスピネル粉, MgAl2O4を合成した. MgAl2(i-OC3H7)8の合成はThomasにより開発された方法を改良し, 水銀添加によって行った. MgAl2(i-OC3H7)8の加水分解とそれに続く焼成過程により, スピネルの超微粒子ができた: 粒径は800℃で50Åから100Å, 1200℃で約0.1μmであった. 純度は99.98+%であった. 主な不純物はシリコングリースからのSiであった. 焼成後の粉の均一性と化学量論性は透過型電子顕微鏡 (TEM) と化学分析により決定した. X線及び赤外分析により, MgAl2(i-OC3H7)8からMgAl2O4が生成する過程はMgAl2(i-OC3H7)8の加水分解時の雰囲気及びそれに続く焼成温度に依存することが分った.
  • 特に調製条件の影響
    梅垣 高士, 柴 繁伸, 金澤 孝文
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 612-616
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    リン酸カルシウム類を湿式で調製する際, 沈殿生成前の原料水溶液の濃度の積, [Ca2+] [PO43-] は, 過飽和度に比例するとみなせる. その濃度積が, 2.5×102から2.5×106mM2の範囲で調製された非晶質リン酸カルシウム (ACP) の熱変化をX線回折, 熱分析等により調べた.
    104mM2以上の濃度積下で得られたACPの加熱結晶化により, 600°-650℃で準安定α-Ca3(PO4)2が生成した. Ca2+水溶液とPO43-水溶液とを急速混合して得たACPのα-Ca3(PO4)2への結晶化及び結晶化で得たα-Ca3(PO4)2のβ型への転移の見掛けの活性化エネルギーには, 濃度積依存性が認められた. また, Ca/P混合比が0.5-2.0の範囲でACPが生成した. いずれのACPも, 400℃-500℃まで非晶状態が保たれることが分った.
  • 爆発衝撃及び微粉砕について
    管野 善則, 桑原 好孝, 藤原 修三
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 617-621
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4原料粉体の爆発衝撃処理 (100kbar, 300kbar) 及び微粉砕処理により, 粉体の物理的あるいは化学的特性がいかに改善されるかを粉末X線回折法及び昇温脱離法により追求した.
    昇温脱離法による粉体表面活性は300kbar爆発衝撃において最も高く, 以下微粉砕, 100kbar爆発衝撃の順であった. 微粉砕は格子ひずみの増加よりもむしろ結晶子径の微細化を促進させることが判明した. 爆発衝撃は100kbar処理で格子ひずみの増大を促進し, 微細化をあまり進行させない. しかし300kbarの処理では結晶子径の微細化と格子ひずみの増加が同時に進行した. 比表面積測定より, 爆発衝撃処理によるSi3N4の直接焼結の可能性が示唆された. 微粉砕によりSi3N4の各指数面の回折角度が低角側にシフトし, 爆発衝撃では高角側にシフトした. HFによる表面層の溶出実験より, 微粉砕による活性化は表面近傍に起こり, 爆発衝撃による活性化は粉体内部深く浸透することが明らかになった。
  • 可視域, 赤外域の光吸収及び屈折率
    小山田 了三, 古賀 秀人, 下道 毅
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 622-628
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    PbO-GeO2-R2O (R=K or Na), PbO-GeO2-K2O-Na2Oガラス中のNi2+イオルの吸収スペクトルを測定し, これを用いて配位子場強度, Racahパラメーター及びNi2+イオンの配位状態を決定した. アルカリ含量によるこれらのパラメーターの変化をガラス構造と関連付けて検討した. PbO-GeO2-R2O-NiO (R=K or Na) 系ガラスでは, アルカリ含量の増加に伴い配位子場強度を表すピークの位置は高波数側へ, Racahパラメーターは低波数側ヘシフトした. PbO-GeO2-K2O-Na2O-NiO系ガラスでは, 配位子場強度及びRacahパラメーターは算出できなかった. PbO-GeO2マトリックスガラス中では, Ni2+は6配位が支配的であるが, アルカリ含量増加に伴い4配位と6配位のNi2+が生成する. これらの測定結果から, この系のガラス中にはGeO68-イオンが生成していることが示唆された.
    PbO-GeO2-R2O-NiO (R=K or Na), PbO-GeO2-K2O-Na2O-NiO系ガラスのIR吸収スペクトルを測定し, これを用いてGeの配位状態を決定した. 結果として, この系のガラス中ではGeは6配位が支配的であり, アルカリの添加によってGeの配位数はあまり大きい変化を受けないことが示された.
    PbO-GeO2-R2O-NiO (R=K or Na), PbO-GeO2-K2O-Na2O-NiO系ガラスの屈折率を測定した. PbO-GeO2-R2O-NiO系ガラスではアルカリ含量増加に伴い屈折率は低下し, 加成性からのわずかなずれが見られた. PbO-GeO2-K2O-Na2O-NiO系ガラスでは, 〔K2O〕/〔K2O+Na2O〕 の比の増加に伴い屈折率は直線的に低下し, 混合アルカリ効果ははっきりとは現われなかった.
  • 大塚 寛治, 荻原 覚
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 629-639
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    還元雰囲気で焼成されるエレクトロニクス用アルミナセラミックスの有機バインダーのバーンアウトは困難な作業の一つとして認識されている. 92%アルミナ質セラミックスとポリビニールブチラールバインダーの系からなるシステムの還元雰囲気焼成時のバインダーの分解とセラミックスの焼結の相互関係について第1報で検討がなされた. また, 第2報で原料混合条件の変化によるそれらの相互関係が研究された. これに引き続き本報では焼成物の厚みを主体とした物理的寸法の影響について検討し, 収縮率のばらつきの原因を明らかにした.
    焼成物の物理的な寸法の変化で, かさ密度は変化しないが, 焼成収縮率の方位バランスが変わる. この原因は焼成物とセッター間の焼成時の摩擦抵抗によるものである. また, 収縮率のばらつきは気孔チャンネルの気体通過抵抗に関係し, 焼成物の厚み増大によりそのばらつきが増大する. これは第1報, 第2報と同様にバインダーの封じ込めが原因である. 更に混合度の相乗効果について検討し, 湿式混合がセラミックス中のガラス量を増大させる働きをすることを指摘した.
  • 浜野 健也, 李 成元, 中川 善兵衛
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 640-647
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZnOの焼結と電気抵抗に対する希土類酸化物 (Y2O3, La2O3, Sm2O3, Eu2O3, Er2O3) 添加の影響について, 希土類酸化物の添加方法をかえて昇温収縮の測定, 微構造の観察, 比抵抗の測定等から検討した.
    希土類酸化物を酸化物の形で混合した場合, いずれの希土類酸化物を添加した場合もZnO単味より収縮開始温度は高くなった. 希土類酸化物を硝酸塩エタノール溶液の形で混合すると, 収縮開始温度は, 更に50℃-100℃高くなった. 1300℃の焼成実験では, 希土類酸化物はZnOと反応せず, また固溶も認められなかった. 希土類酸化物の添加はZnOの粒子成長を抑制し, この効果は硝酸塩エタノール溶液で混合した場合の方が顕著であった.
    相対密度が80%以下の焼結体では, 焼結体密度が高くなると添加した希土類酸化物の種類によらず, その比抵抗値は指数関数的に小さくなった. このような低密度焼結体では, 粒子間のネックの幅が比抵抗値に大きく影響を与えているものと考えられる. 相対密度が80%以上の焼結体では, 試料の調製方法, 及び希土類酸化物の種類に関係なく, 比抵抗値は, 電流が通る電極間の粒界数に比例しており, 粒界1個当たりの抵抗は約0.3Ωと見積もられた.
  • 中村 守, 久保 勝司, 平井 幸男
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 648-653
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    遊離Siを含んだ反応焼結炭化ケイ素 (RB-SiC) の放電加工 (EDM) を行った. その電気抵抗は0.08Ω・cmであった. 加工用電極としては, 純銅を用い, 陽極とした.
    RB-SiCは放電電流におけるパルスの波高値が小さい場合, 表面き裂の発生なしに加工された. また, パルス幅が100μsを超えると, 波高値が9A以下の場合には加工用電極の消耗は無視できた. したがって, EDMによるRB-SiCの精密加工が可能なことが示された.
    加工面粗さは, パルスの波高値及び幅が小さいほど減少した. しかしながら, 1パルス当たりの放電エネルギーが小さい場合, 遊離Siの蒸発によって形成された小さな空孔が, 加工面に数多く残った. そのため, 加工面の表面粗さをSiC結晶の平均粒径より小さくすることは困難であった.
  • 金澤 孝文, 近沢 正敏, 武井 孝, 向笠 和夫
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 654-659
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    種々の温度で処理した多孔質ガラスの表面水酸基量を昇温脱離法, グリニヤール試薬 (CH3MgI) あるいはシラン ((CH3)2SiCl2) との反応から求めた. また水酸基のタイプの違いは, (CH3)2SiCl2の消費量とHClの発生量から孤立水酸基, gemタイプの水酸基に分類した. 多孔質ガラスの表面は, 水素結合タイプ, gemタイプ, 孤立タイプの水酸基からなっている. 孤立タイプの水酸基は, 500℃まで安定であるが, それ以上の温度で徐々に脱離された. 一方gemタイプ, 水素結合タイプの水酸基は600℃までの加熱で急減し, 800℃, 4hの処理では消失した. この時表面は孤立タイプの水酸基のみとなり, その表面濃度は約0.7OH's/100Å2となった. これらの表面水酸基は水蒸気吸着に対し重要な役割を果たしている. また水蒸気は, 孤立水酸基上よりも, 水素結合タイプあるいはgemタイプの水酸基上に強く吸着する.
  • 藤木 良規, 小松 優, 佐々木 高義, 加藤 俊作, 宮崎 秀甫
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 660-664
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    熱処理した吸着材とその吸着挙動の相関性がH2Ti4O9nH2OとH2Ti2O5nH2Oの2種類の結晶質チタニア水和物繊維を用いて研究されている. 海水中のウランの吸着挙動が種々温度で熱処理した吸着材を用いて観測され, 水溶液中のセシウムとストロンチウムの吸着挙動と比較した. 300℃で熱処理した繊維状H2Ti2O5nH2O吸着材は5日間で45.8μg/gのウラン吸着を示した. 500℃以上で熱処理して相転移したアナターゼ繊維は同じ条件下で25μg/gの吸着を示した. セシウムとストロンチウムの吸着挙動はウランの挙動と違っている. なぜならばこれらの吸着は吸着材の熱処理温度の上昇に伴い減少するからである.
  • 小松 優, 藤木 良規, 佐々木 高義
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 665-668
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    熱処理した結晶質チタニア水和物繊維に対するアルカリ土類金属イオンの25℃における分配係数をpHに対する関数として求めた. これらのイオンの吸着挙動は, 繊維中の水素イオンとのイオン交換反応としてよく説明される. またこれらの繊維の吸着能力に及ぼす熱処理の影響は70℃以下の熱処理温度ではほとんどみられないが, 80℃又はそれ以上の温度では減少の傾向がみられた. このことは, 熱処理における層間距離の変化と良く対応している.
  • 松本 泰道, 大前 優, 佐藤 栄一
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 669-671
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 赤尾 勝, 三浦 直樹, 青木 秀希
    1984 年 92 巻 1071 号 p. 672-674
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1071 号 p. A57-A61
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top