加圧焼結β-サイアロン (Si
5Al
1O
1N
7) の室温, 1200℃及び1400℃の4点曲げ強度及びワイブル分布を測定した. 加圧焼結β-サイアロンはSiO
2, Al及びSi粉末をN
2中で焼成することにより作成したものである. 見掛け比重は約3.14であった. 加圧焼結試料はX線回折からは結晶相としてβ-サイアロン単相であるが, 走査型電子顕微鏡観察からガラス質境界相が認められた. 室温における強度の最高値は450MPaであり, ワイブル係数,
mは8.4であった. 1200℃では, 最高強度は変わらないが
m値は3.1に低下した.
m値の減少は表面の所々に少数出現したピットのためと考えられる. 1400℃で強度は減少したが,
m値は4.0に増加した. 強度の低下は粒境界相の粘性とピット生成の増大による. 表面全体に出現したピットと表面酸化層が表面を均質化し, ワイブル値,
mを1400℃で増加させたものと思われる. 4点曲げノッチドビームテストによる破壊じん性値,
K1cは約3.2MPa√mであり, 室温から1400℃までほとんど一定であった.
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