窯業協會誌
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90 巻, 1042 号
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  • 中野 喜久男, 大久保 勉, 中村 和雄, 杉村 隆
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 285-289
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    NbB2及びTaB2単結晶の (0001) 及び {1010} 面の20°-1100℃におけるKnoop硬度を測定した. (0001) 面では圧子長軸方向が〈1120〉及び〈1010〉方向において, {1010} 面では [0001] 及び〈1210〉方向において測定した. 硬度は温度とともに単調に減少し, 全温度領域においてH〈1010〉(0001)>H〈1120〉(0001)及びH〈1220〉{1010}>H[0001]{1010}なる関係を示した. 同一温度では (0001) 面の硬度が {1010} 面のそれより高い値を示した. lnHTの間にはよい直線関係がなり立ち, T=0.15Tm及び0.3Tm付近の温度において直線に段が観察された. 高温領域においては柱面滑りが優勢に起こっていることが認められた.
  • 新谷 宏隆, 福田 利明
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 289-295
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    カルシウムカーバイド系溶銑脱硫剤による耐火物の損傷機構を明らかにするため, カルシウムカーバイドとAl2O3-SiO2系ち密質焼結体との反応を検討した. 組成の異なる3種の焼結体をカルシウムカーバイド粉末中に埋め込み, 還元雰囲気中で1200°-1400℃で反応させた.
    SiO2含有量の多いムライト質焼結体の場合, 明りような反応層を形成し, その厚さは時間の平方根に比例して増大する. 反応層の酸素濃度は原セラミック層のそれより小さく, 金属シリコンの析出が認められる. 反応層と原セラミック層との間には, 主としてAl2O3単味で構成される薄い界層が存在する. ムライト質焼結体とCaC2との反応は次のような過程により進行するものと推定される. まず, CaC2が反応層と境界層を拡散して原セラミック層に達し, ムライトの分解を促進境するとともに, 生成したSiO2を還元してSiOガスを生成する. SiOガスは境界層を移動して反応層に達し, ここで更にCaC2によって還元されSiを生成する.
  • 小久保 正, 長嶋 廉仁, 伊藤 節郎, 田代 仁
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 295-304
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    人工骨材料などとして有用なCaO-P2O5系の高強度多結晶体を, 融液の一方向凝固により製造する基礎的条件を明らかにするために, 2CaO・P2O5-3CaO・P2O5共晶組成及びその近傍の組成の融液を白金るつぼ中でその底部から上方に向けて一方向に凝固した. その結果, 共晶組成の融液を1350℃以下の温度で溶融し, 同組成の微結晶集合体を種子結晶として, 20℃/cmの温度こう配下で2-20mm/hの速度 (R) で一方向に凝固すると, 気孔を含まず2CaO・P2O5結晶のマトリックス中に葉片状の3CaO・P2O5結晶が凝固進向方向に平行に一定の間隔 (λ) で並んだ多結晶体が得られることを見いだした. λとRの間には, 他の共晶組成の場合と同様にλ∝R-1/2の関係が認められた. ただし, これらの凝固物中には熱応力によって生じたと考えられるき裂がいくらか認められた. 初めの融液の組成が共晶組成からずれている場合には, そのずれが0.5wt%程度であっても粒状の結晶や気孔を含んだ凝固物しか得られず, また融液上部の最高加熱温度を1400℃以上とした場合には上部の結晶の配列が著しく乱れた凝固物しか得られなかった. これらの原因はともに融液中に組成的過冷が生じたためと推定した.
  • 鷹木 洋, 小久保 正, 田代 仁
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 305-312
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    標題の系の融液はNa2O-BaO-Al2O3-TiO2系の融液に比べて繊維状ガラスに成形しやすく, BaOの一部をNa2O, CaO及びSrOで, TiO2の一部をZrO2で置換した組成の融液は, これを白金ノズルから連続的に引き出す方法によっても繊維状ガラスに成形することができた.
    標題の系のガラス粉末2gを2N NaOH水溶液100mlに浸漬した時の重量減少率は, ガラス中のTiO2/SiO2モル比が増大するにつれ低下し, TiO2/SiO2>0.75以上の組成のガラスの重量減少率はNa2O-SiO2-ZrO2系のG 20ガラスのそれよりはるかに小さかった. しかし, その繊維5本を同じ液に浸漬した時の直径減少量はG 20ガラスのそれよりかなり大きかった. BaOの一部をCaOまたはSrOで置換すると直径減少量が減少し, G 20ガラスのそれより低いガラスも得られた. BaO-SrO-SiO2-TiO2系のガラスの侵食速度は浸漬時間が長くなるにつれ低下した. また侵食速度は, NaOH水溶液にあらかじめ少量の同組成のガラス粉末, あるいはSrO, BaOまたはTiO2の水和物を添加しておくと著しく低下した. NaOH処理後の同ガラスの表面にはTiO2に富んだ層が認められた. これらの結果に基づき, この系のガラスのアルカリ侵食機構を推察した.
  • 中川 善兵衛, 浜野 健也, 阪口 美喜夫, 神崎 修三
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 312-319
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    硫酸塩混合水溶液を凍結乾燥し, 熱分解して得たスピネル粉末の性質とその焼結性を検討した.
    凍結乾燥物は樹枝状組織が放射状に配列した多孔質の球状粒子で, X線的には非晶質であり, 水和複合硫酸塩の結晶水が一部脱水したMgAl2(SO4)4・8-9H2Oに相当すると考えられた. これは1000℃で加熱すると直接スピネル単一相に変化した.
    1100°-1300℃仮焼で合成したスピネルは, 格子定数が8.082Åと完全結晶に近い値であるが, 見掛けのクリスタリットの大きさは600Å前後で小さく, 20-30m2/gの比表面積をもつ活性な粉末であった.
    1300℃で合成したスピネル粉末の初期焼結は, 体積拡散機構に支配され, 見掛けの活性化エネルギーとして127kcal/molの値が得られた. 1500℃, 2時間の焼成実験の結果, 合成したスピネル粉末は著しくち密化し, 1300℃で合成したものでは相対密度97%の焼結体が得られた.
  • 松野 外男, 山田 弘
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 320-325
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    研削砥石の弾性率は, 研削性能及び研削理論に関係する最も重要な機械的性質である. このため研削砥石の弾性率を直接測定し, または砥石の構成要素である, 砥粒, 結合剤及び気孔の容積率の関係から求める方法等が試みられた, しかし研削砥石の組織と弾性率の関係について, 単純で効果的な説明はなされていないといえる.
    この報告では研削砥石の単純化モデルを考えて, このモデルから導出した弾性率の理論式を示した. すなわち研削砥石の弾性率をEとすると, 砥粒及び結合剤の, 弾性率Eg, Ebと, 砥石中の容積率Vg及びVbとの関係は次式で表される.
    E={1/Vg1/3Eg+3(1-Vg1/3)2/VbEb}-1
    この式を確かめるために, ビトリファイド研削砥石の試験片を, 砥粒率43-51%, 結合度H-Rの範囲で, WA砥石の砥粒粒度#46-#120及びGC砥石の#60, #80について作製し, 曲げ試験法で弾性率を測定して計算値と比較した. その結果それぞれの砥粒及び結合剤の容積率の組み合わせについて弾性率の良い近似が見られ, ほぼ1-8×103kgf/mm2の範囲であった. したがってこの単純化モデルによる弾性率は妥当なものと考えられる.
  • 石田 信伍, 藤村 義和, 藤吉 加一, 若松 盈
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 326-327
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ウルトラマリンはソーダライト型のケージが最密充てんしたものであり, このソーダライト型ケージはまたLinde Aモレキューシーブ (MS) の構造中の主要な要素である. この理由で, MSからのウルトラマリンの生成は容易なはずであり, 実際に以下の (1)-(4) の過程を経てMS 5A及びMS 4Aからウルトラマリン・ブルーが合成できた. (1) Na2S飽和水溶液中でMSにNa2Sを含浸させ, このMS-Na2Sを乾燥 (N2ガス中), (2) 500℃におけるMS-Na2S上の硫黄蒸気の吸着 (N2ガス中), (3) MS-Na2S-Sを820℃まで加熱 (N2ガス中, 加熱速度17℃/min), (4) MS-Na2S-Sを820℃から500℃まで冷却し, これを500℃で空気酸化.
    MS 5A及びMS 4Aからの酸化生成物はそれぞれ空色及び緑色であったが, 820℃で2-3時間空気中で再加熱したら青色になった.
    MS 4Aからのウルトラマリンの生成は, ソーダライト類似構造を有していないNaAlSiO4組成のカオリンとNa2CO3間の焼結生成物からのウルトラマリン生成に比較して, ずっと容易であった. 上述の結果から, ウルトラマリン・グリーンの生成はMS 4A中の多硫化物がソーダライト型ケージへ侵入することによって引き起こされたと推論された.
    今のところ, モレキュラーシーブが高価格であることと, 生成物中の発色団濃度が低いために, このウルトラマリン・ブルーの合成法は実用的でないが, この方法はウルトラマリン合成に含まれている反応機構の研究のためには利点を有している.
  • 山本 雄二, 神谷 寛一, 作花 済夫
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 328-333
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    金属アルコキシド溶液を用いてガラス基板上に作製したコーティング膜の性状に対するコーティング条件の影響を検討した. SiO2, 98SiO2・2TiO2, 95SiO2・5TiO2及び78.3SiO2・1.7TiO2・20CuOの組成になるように調製した溶液をソーダ石灰シリカガラス基板上に浸漬法で塗布し, 乾燥後, 加熱することによって膜を得た. 塗布時期 (溶液調製後, 塗布までの時間): 1時間-2日, 及び乾燥時間: 1分-1時間の範囲では, どちらも短いほど外観の優れた膜が得られた. この方法で0.1-0.3μmの透明で均一な膜を作ることができた. また, 増粘剤を添加すると0.5μmまで作製が可能であるが, それ以上の膜では, クラック, 白い曇り (微細なクラックによる), はく離の膜のなどの欠陥が生じた. 透明で均一な膜の引っかき強度は基板ガラスの引っかき強度以上であり, 加熱温度か加熱時間が増すと増加した. 透明で均一なSiO2膜の基板ガラスに対する接着力は100kg/cm2以上であった.
  • 松末 勝利, 高原 北雄, 磯部 俊夫, 橋本 良作
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 333-335
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 水野 正雄, 山田 豊章, 野口 哲男
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 335-337
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 岸井 貫
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 337-339
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 山下 仁大, 山崎 昭造, 河本 邦仁, 柳田 博明
    1982 年 90 巻 1042 号 p. 339-341
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1042 号 p. A40-A44
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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