窯業協會誌
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92 巻, 1062 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 大里 斉, 杉村 隆, 金重 利彦
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 57-63
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Kの充てん率の異なるクリプトメレーン (KxMn8O16; 0≦x≦2) を合成し, DTA曲線の見掛け上の差違はその充てん率の違いによることを本研究において見いだした.
    充てん率50%のもの (KMn8O16) をKNO3-V2O5系融剤を用いて合成し, 100%のもの (K2Mn8O16) をK2CO3とMnO2の固相反応で合成した. この充てん率の異なる試料をDTA・TGAにより相変化を検討し, 粉末X線回折法により同定した.
    低充てん率のものは, 昇温とともに高充てん率のものへ漸次変化することを明らかにした. Mnの一部は還元されてビクスバイト (Mn2O3) として放出された. DTA曲線の630°-870℃の範囲で, 50%の試料には連続的な台形状の吸熱ピークが存在し, 100%のものには存在しなかった.
    次に, いずれの充てん率のものも分解に際してビクスバイトを介することを明らかにした. DTA曲線の870°-1010℃の範囲で, 充てん率50%のものには2本のピークが, 100%のものには見掛け上1本のブロードな吸熱ピークが存在した. 両者とも, クリプトメレーンがビクスバイトとK2Mn4O8相へ分解し, 続いてビクスバイトがハウスマナイト (Mn3O4) へ相変化した. 見掛け上1本のものも, 両反応が生じることをX線で確認した.
  • 村瀬 嘉夫, 加藤 悦朗, 平野 正典
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 64-70
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZrOCl2の加水分解による単斜ZrO2微粒子の生成効率を高めるためにZrO2微粒子の生成速度, 形, 大きさ及び結晶集合組織等に及ぼす生成条件の影響について検討した.
    単斜ZrO2の生成速度は出発溶液のpH調節及びH2O2水の添加等により増大する. これらの処理は出発溶液のpHをおよそ2に調節した場合, ZrOCl2の約1.5倍のH2O2水を添加した場合及び適当量のアンモニア水及びH2O2水を添加した場合等が最も効果的であった. 上記処理の効果はZrOCl2の濃度が高いほど著しい. 水熱処理においてもH2O2水の添加は有効である. 生成粒子の粒径は反応時間とともに増大し, 反応条件によって反応終了時の粒径がおよそ200Åから2000Åの粒子が得られる. 粒子は互いに配向したはるかに小さい粒子 (1次粒子) からなり, 1次粒子が先に生成した1次粒子の表面で核生成, 成長することにより形成されたと考えられる.
  • 柴田 純夫, 岸 和博, 浅賀 喜与志, 大門 正機
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 71-76
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    C2Sに固溶してβ-C2Sを安定化する効果がないと考えられる成分の例として, Fe2O3を取り挙げて, その添加がβ→γ転移に及ぼす効果について実験検討した. Fe2O3を含んだC2Sを合成した後, 800°-1500℃で10分間-48時間加熱処理し, 急冷した試料中のβ相とγ相の生成比を求めた. 更に顕微鏡観察, メスバウワースペクトル測定を行い, 考察した結果, 以下のような知見を得た.
    (1) Fe2O3添加によりβ→γ転移を抑制できる. 添加量が1%, 3%, 5%と多いほど抑制効果は大きくなる.
    (2) α'相へのFeの固溶量は非常に少なく, 固溶したFeイオンは温度により価数が変わる. またFeは固溶により転移を抑制しているのではないと考えられる.
    (3) Fe2O3を添加した場合も, 無添加の場合と同様にβ→γ転移の粒径依存性は大きく, 粒径の小さいときに転移は起こりにくい. Fe2O3添加によりC2Sの粒成長は抑制されるが, 粒径の効果だけで転移抑制現象を説明することはできない.
    (4) α'相の固溶限界を超えたFe成分を離溶し, この際C2S粒内に生成した相の組織が転移抑制の主因と考えられる. しかし詳細な機構等については更に検討する必要がある.
    (5) 1400℃あるいは1300℃程度で長時間処理することにより, β→γ転移が促進されることもある. その原因は明らかにできなかった.
  • 芝崎 靖雄, 前田 武久, 渡村 信治
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 77-82
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    可塑性粘土とその構成鉱物との関係を明らかにする目的で, 日本の陶磁器素地に用いられている20種の粘土について, 鉱物種の同定と可塑性の測定を行った. 構成鉱物種の組み合わせから, 堆積成因のもので, (1) モンモリロナイトを含む木節粘土系, (2) モンモリロナイトをほとんど含まない木節粘土系, (3) 有機物とモンモリロナイトをほとんど含まない蛙目粘土系に, 熱水成因のもので, (4) カオリナイトを含む混合層粘土系, (5) カオリナイトを含むセリサイト質粘土系, の五つに分類した.
    一方, 粘土粉体から比表面積, Ig. lossを, また, Pfefferkornの可塑性試験法から粘土 (練土) の含水量を測定し, 可塑含水率, 保水率, 可塑特性値及び粘土粒子表面の水膜の厚さをそれぞれに算出した. これらの可塑性表示法の中で, 可塑特性値による粘土の分類と鉱物的な分類が最もよく一致した. この可塑特性値は, また, 従来から可塑性の指標と言われている水膜の厚さよりも, 可塑性の表示法としてはるかに優れていることを明らかにした.
  • 河本 邦仁, 張 中太, 柳田 博明
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 83-89
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    無添加, Li又はAl添加NiOについて, 800°-1400℃における導電率と熱起電力の測定を行った. 0.1mol% Li2O添加NiOの導電率は低酸素分圧領域で温度によらずほぼ一定となり, この値を用いてホールの移動度が0.43cm2/V・sと計算された. 0.2mol% Al2O3添加NiOの導電率の温度依存性とホールの移動度から求めた, PO2=105Paにおける不定比量δ (Ni1-δO) は次式で表される: δ=7.75×10-2×exp(-16200/RT). また, 無添加及びAl添加NiOの導電率は一定温度でPO21/4に比例する関係が得られ, 高温における主欠陥はマイナス2価にイオン化したNi空孔であるとの結論に達した。 更に, ゼーベック係数の温度依存性は, 従来から提案されているスモールポーラロンのホッピング機構では説明できず, むしろホールのバンド伝導が支配的であることを示唆した。
  • S. N. KHOSLA, V. K. KOUL
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 90-93
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Salal (ジャムー&カシミール州) 産ボーキサイトの物理的特性と化学組成について調べた. 下層部はカオリナイト様粘土鉱物であり, 一方中層部と上層部は硬質で粗粒の高アルミナ質 (65%アルミナ) であった.
  • 高橋 宏, 中村 一則
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 94-98
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    様々な種類の光ファイバーのエッチングされた断面構造を反射型微分干渉顕微鏡によって観察した.
    光ファイバーの構造及びいかなる方法で作製されたかなど知るうえで, 簡便手軽な方法であり, 観察した断面構造とともに御紹介する.
  • 中山 肇, 目黒 竹司, 鳥飼 直親
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 99-100
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 和夫, 管野 善則
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 101-102
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 谷 英治, 一ノ瀬 弘道, 岸 和司, 梅林 正気, 小林 和夫
    1984 年 92 巻 1062 号 p. 103-104
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1062 号 p. A7-A12
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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