窯業協會誌
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85 巻, 980 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 藤木 良規, 泉 富士夫
    1977 年 85 巻 980 号 p. 155-162
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    チタン酸カリウム繊維がK2MoO4及びK2WO4フラックスを用いて効果的に育成できた. 熔融塩の塩基性度はK2O成分とMoO3またはWO3成分の配合比により制御され, それにより合成相を制御することができる. 出発繊維組成を (K2O)x・TiO2式で表示すると, K2MoO4フラックスの場合K2Ti6O13単独相はx≦1/6で, K2WO4フラックスの場合はx≦1/7で合成できる. 両フラックスともこのx値より大きい場合はK2Ti6O13とK2Ti4O9の混合相繊維が生成し, x値の大きい程後者の量が多くなる.
    反応初期はTiO2粒子が溶解することなく液相中のK2O成分と反応する固-液界面反応が優勢であるが, 漸次, サイズ効果により溶解-析出反応に移行する. 短繊維 (<1mm) の合成は前者の反応が重要で, 比表面積の大きいTiO2粒子ほど反応活性であるが, 長繊維の合成には後者の反応が重要で, 高い過飽和度が維持できる徐冷法が最適であった. その結果, 平均5mm, 最大10mm程度の繊維が成長した.
  • 阿部 良弘, 野上 正行, 斎藤 肇
    1977 年 85 巻 980 号 p. 163-168
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Be(PO3)2結晶には複数の高温多形が存在することがわかった. Be(PO3)2ガラスの600℃以上の熱処理によっては, 仮にa-Be(PO3)2と名付けた結晶1種類のみが生成し, 室温ではα-Be(PO3)2となり, 転移は可逆的であった. 一方, ASTM card記載の “β-Be(PO3)2” はガラスからは生成しなかった. これはBe(PO3)2の多形のひとつではなく, 異なった化学組成 (BeO:P2O5:H2O=1:1:1) をもつことが判明した.
    Be(PO3)2ガラスの粉末 (44-74μm) の結晶化の速度を高温X線回折装置を用いて調べた. J-M-Aプロットの結果から, 熱的核生成による3次元的成長で結晶化が進行していくことがわかった. 結晶化の見かけの活性化エネルギーは70kcal/molであった. また, blown filmから生成する球晶を観察したところ, ラメラが一定周期毎にねじれながら成長していることがわかった.
  • 作花 済夫
    1977 年 85 巻 980 号 p. 168-173
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Na2O-Al2O3-SiO2およびLi2O-Al2O3-SiO2系ガラスのAlKα蛍光X線ピークの化学シフトを測定した. Al2O3/R2O比 (R2OはNa2OまたはLi2O) を0.25-1.5の範囲で変化させた両系のガラスについて, AlKαピークの化学シフトは正長石中の酸素4配位のAl3+が示す化学シフトにほぼ等しく, したがって, これらのガラス中でAl3+の酸素配位数は4であり, 配位数が6のAl3+はほとんど存在しないことが確かめられた. このことはAl2O3/R2O比が1以上のアルカリアルミノ珪酸塩ガラス中に6配位のAl3+が存在するとの従来の説が修正されるべきことを示していると考えられた. 16Na2O・24Al2O3・60SiO2組成のガラスに, 25℃および500℃で30分間50kbarの高圧を加えてもAlKαの化学シフトはあまり変化しなかったが, このことから, Al3+の4配位から6配位への配位数の変化はおこらないことがわかった.
  • 岡部 安三, 北條 純一, 加藤 昭夫
    1977 年 85 巻 980 号 p. 173-180
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZrCl4-NH3-H2-N2系気相反応による窒化ジルコニウム粉体の合成反応を1000℃-1500℃で行った. また, ZrCl4-NH3系低温付加物の熱分解反応についても調べた.
    1) ZrCl4-NH3-H2-N2系気相反応により, 窒化ジルコニウムと反応中間化合物の混在した微粉体が生成した. 窒化ジルコニウム粉体の粒径は0.05μm以下であった. 窒化ジルコニウム生成率は, ZrCl4とNH3の混合温度および反応温度の上昇により増大した. 生成率は最大で80%であった. 窒化ジルコニウム粒子の生成に対し, 2つの過程を提出した. 一つはZrCl4-NH3系の付加物粒子の生成とその熱分解であり, 他は窒化ジルコニウム核の生成とその成長である. ZrCl4とNH3の混合温度が, 1000℃以下では生成過程は主として前者であり, 1100℃以上では第2の生成過程が支配的となる.
    2) ZrCl4-NH3系低温付加物は, NH3-H2混合ガス気流中750℃以上で窒化ジルコニウムへ分解した. 生成窒化物の原子比N/Zrは900℃で1.13, 1200℃で1.04であった.
  • 服部 信, 谷口 明広
    1977 年 85 巻 980 号 p. 180-185
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    R2O-R'2O-B2O3系混合アルカリガラスの溶解熱を溶液熱量計で測定し, 単一アルカリガラスを成分とする擬二元固溶体と見なして, 熱化学的に混合熱を求めた. 混合熱ΔHmはアルカリ混合比の全域において負値を示した. R/(R+R')=xに対するΔHmの依存性はx=0.5に関しほぼ対称になるが, 一般にサイズの大きいアルカリカチオンの多い方に, 絶対値の極大が多少かたよる傾向を示した. アルカリハライド溶体に関するLumsdenモデルのうち, アニオン分極のエネルギーによる寄与の近似だけを本研究の結果に適用して見た. 計算で得られた混合熱はすべて実測値より小さかったが, B2O3に対する (R2O+R'2O) のモル比が大きい系では, 実測値にかなり近い計算値が得られた.
  • 小松 和蔵, 守吉 佑介, 文 世基, 鎌田 秀明, 倉島 茂幸
    1977 年 85 巻 980 号 p. 185-189
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Al2O3の自由焼結を空気中, 1035℃から1250℃の温度範囲でおこない, 比表面積の変化をBET法で測定した. データ解析のため, 表面拡散が支配的であるという仮定にたって, 速度式を導出した. 解析の結果, まず粉体表面の平滑化がおこり, その後, ネック成長がおこることを明らかにした. えられた表面拡散定数 (Ds=2.83×103 exp (-114.1/RT)) を他の研究者のデータと比較検討した.
  • 清水 紀夫, 森田 徹紀, 柳田 博明, 橋本 甲四郎
    1977 年 85 巻 980 号 p. 189-193
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    六チタン酸カリウムの結晶学データーに関する報告には混乱があり, 不便を感じている.
    そこで著者らは二酸化チタンと無水炭酸カリウムを混合, ペレットにしそれを熔融し, 冷却することにより六チタン酸カリウム単結晶を析出させ, これを分離して試料とした. この単結晶試料を用いてプリセッション写真, 粉末X線回折, 赤外分光, 化学分析などを行った.
    これらの測定結果より六チタン酸カリウムの格子定数などの結晶学データーを得ることに成功した.
    六チタン酸カリウムの結晶系は単斜晶系で空間群はC*/*(C2, Cm, C2/m) であった. a軸は15.5878±0.0018Å, b軸は3.7979±0.0003Å, c軸は9.1131±0.0013Åでβ角は99.75±0.015°であった. 化学定数は2で, 理論密度は3.582g/cm3であった.
  • 河本 邦仁, 柳田 博明
    1977 年 85 巻 980 号 p. 193-199
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZnO-CoO-Al2O3系及びZnO-NiO-Al2O3系スピネル固溶体からのZnOの蒸発現象を調べた. 1300℃以上の高温で加熱した場合, (Zn0.5Co0.5) O・1.3Al2O3の方が, (Zn0.5Ni0.5) O・1.3Al2O3よりもZnOの蒸発が激しい. ペレットからの蒸発量測定によると, ペレット中でのZn2+とCo2+, Zn2+とNi2+の拡散の活性化エネルギーはそれぞれ110kcal/mol, 78kcal/molであった. また, スピネル相の加熱処理後の格子定数変化の測定より, 拡散過程の考察を行った. X線結晶構造解析を行い, カチオン空位の分布の相違を確認し, この構造の差異と蒸発の関係を推論した.
  • 1977 年 85 巻 980 号 p. 199
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 85 巻 980 号 p. A22-A28
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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