窯業協會誌
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92 巻, 1068 号
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  • 吉村 昌弘, 山口 真司, 宗宮 重行
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 425-430
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Nd2O3-WO3系の相関係を検討するために, 固相反応と共融・焼鈍操作による反応生成物をX線とDTAで調べた. Nd2O3・2WO3からWO3までの組成領域の試料において, これら両者の反応生成物が同一であることから, 1000℃における相平衡の達成を確認した. この組成領域ではNd2O3・4.4WO3, Nd2O3・3WO3及びNd2O3・2WO3がこの系の安定な中間化合物である. Nd2O3・4.4WO3の組成は正しくこの組成であることを再確認した.
    平衡に到達した試料についてのDTAの測定に基づいてNd2O3-WO3系のNd2O3・2WO3からWO3までの間の平衡状態図を作成した. Nd2O3・4.4WO3は1064℃に一致溶融点を持っている. WO3とNd2O3・4.4WO3との間には, 17.0mol% Nd2O3, 1053℃の共晶点が見いだされた. Nd2O3・4.4WO3とNd2O3・3WO3の間には19.3mol% Nd2O3, 1055℃の共晶点があった. Nd2O3・3WO3とNd2O3・2WO3はそれぞれ1150℃及び1353℃で分解溶融する. Nd2O3・3WO3の相転移の存在は確認されなかった. Nd2O3・2WO3は1255℃に可逆的な相転移点を持ち, 格子定数a=0.7002nmの立方構造を持つ高温相に転移する.
  • 芦塚 正博, 水澤 源博, 山崎 司, 高口 秀樹, 石田 英一
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 431-438
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    SiO2又はAl2O3を含んだCaO-P2O5及びMgO-P2O5系ガラスの密度, 弾性率及び硬度を測定した. カルシウム及びマグネシウムメタリン酸塩ガラスの蜜度及び過剰モル容は, 5mol% SiO2又はAl2O3近傍で, それぞれ最大値及び最小値を示した. SiO2を含んだカルシウム及びマグネシウムメタリン酸塩, 並びにAl2O3を含んだマグネシウムメタリン酸塩ガラスの弾性率及び硬度も5mol%近傍で最大値を示した. これらの組成のガラスの弾性率及び硬度の変化は, それぞれ過剰モル容及び空げき率の変化に対応していた. 一方, Al2O3を含んだカルシウムメタリン酸塩ガラスの弾性率及び硬度は, Al2O3の添加量の増加とともに単調に増加し, 過剰モル容及び空げき率の変化には対応しなかった. CaO-P2O5及びMgO-P2O5系ガラス中のSiO2又はAl2O3含量を一定としたときの各種弾性率の対数と平均原子容の対数の間, 及び硬度と空げき率の間にも直線関係が得られた.
  • 島田 志郎, 小平 紘平, 松下 徹
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 439-443
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Bi2O3-V2O5系酸化物を使用してフラックス法によってNiO, CoO, Mn3O4とSnO2の単結晶を合成した. フラックスと出発試料のNiO, CoO, MnO2 (又はMnO) 又はSnO2との混合物を1300℃で20時間保持して5℃/hの速度で900℃まで徐冷した. 成長したNiOの結晶は長方形で深青色を呈し, NiO量が5.2wt%のとき最大2×1.5×0.5mmの結晶が得られた. CoO結晶は黒色で樹枝状と8面体の形状を示し, CoO量が13.1wt%のとき最大1×1×1mmの結晶が得られた. 出発試料のMnO2又はMnOのいずれを使用しても, 黒色で板状と8面体のMn3O4結晶が成長し, その量がそれぞれ10.8wt%と10.6wt%のときに最大4×2×1mmと8×4×1mmの結晶が得られた. 出発試料が異なると, Mn3O4結晶の格子定数の値と立方晶への転移温度に違いがみられ, Mn3O4結晶のMn2O3への部分酸化の挙動にも大きな差違があることが分った. SnO2結晶はBi2O3・V2O5組成のフラックスから成長し, 淡赤色を示し最大で1×1×0.5mmのものであった.
  • 鷹木 洋, 小久保 正
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 444-447
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    多量のTiO2を含むSrO-BaO-SiO2-TiO2系のガラスが優れた耐アルカリ性を示す原因を明らかにするために, TiO2微粒子を分散させたNaOH水溶液にSrCl2及びBaCl2を添加したときに起こる現象を観察した. これらの塩化物はごく少量でTiO2を沈殿させ, 水溶液を濁らせることが分った. このことから, SrO-BaO-SiO2-TiO2系のガラスの耐アルカリ性を次のように推定した. すなわち, ガラス中のSr2+及びBa2+イオンは, NaOH水溶液中でいったんガラスから溶出した後, ガラス表面に形成されるTiO2に富む層に選択的に吸着されるため, 表面におけるこれらイオンの濃度が高くなり, また表面層がち密化されてガラス内部からのSrO及びBaO成分ばかりでなく, SiO2成分の溶出も抑制されると推定した. なお, MgCl2及びCaCl2を添加した場合にもTiO2の沈殿を生じたことから, Mg2+及びCa2+イオンもSr2+及びBa2+イオンと同様TiO2含有ガラスの耐アルカリ性を高める効果があることが確かめられた.
  • 前川 尚, 阿部 正之, 横川 敏雄, 住吉 孝, 沢村 貞史, 片山 明石
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 448-453
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    パルスラジオリシスの手法をメタリン酸ナトリウム, 組成の異なる2元系ホウ酸ナトリウム, 及びアルミナを含むホウ酸ナトリウムガラスに適用し, 照射直後から10μsまでの着色中心による吸収スペクトルを測定した. メタリン酸ナトリウムガラスについては既に報告されているものと一致して照射後約5μsで消滅する短寿命の吸収帯 (-2eV) を見いだした. 2元系ホウ酸ナトリウムでは酸化ナトリウム量の増加とともに吸収強度は増大した. 得られたスペクトルをガウス型ピークに分離し各ピークの強度とガラス組成との関係を見た. 一般に照射直後のスペクトルの組成依存性はX線照射による長時間安定なスペクトルのものと一致し, ガラス構造を敏感に反映している. しかしホウ酸塩ガラスにおいてもX線照射時には見られない吸収帯 (-1.6eV) を見いだした. この吸収帯の強度は塩基度の増大とともに増した. 一方アルミナの添加は見掛け上, この1.6eV付近の吸収を増大させた. このことよりアルミニウムイオンに絡む短寿命のピークが存在することが推測された.
  • (第1報) 石炭灰-結合材系成形体の性状
    大竹 武, 内田 邦夫, 神谷 国男, 伊ヶ崎 文和, 河村 光隆
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 454-460
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    立型移動層焼成法による石炭灰を原料とする軽量骨材製造プロセスの成形工程において, 高強度を保有する成形体を得るための結合材及び成形条件を実験的に検討した. 成形条件を決める成形体の評価物性として, 乾燥物及び焼成物の見掛け比重, 一軸圧縮強度, 吸水率をとりあげ, この性状に対する成形条件, 結合材, 添加量, 成形含水比, 成形圧力, 養生の影響を実験した.
    結合材の選択においては, 成形体の強度及び結合材の価額から各種結合材を比較し, ベントナイトとケイ砂廃泥を選定した. 成形体の乾燥強度σc, 見掛け密度ρaと真密度ρsとの比ρasは成形圧力Pに対してそれぞれ, σc=a'P+b', ρas=aP+bの実験式で表された. 成形時の最適含水比は高強度成形体を得る条件よりも, 成形体の型ぬき特性で決定される. σcに対する原料の加湿養生の効果は認められなかったが, 成形体の乾燥方法によってσcは異なることが示された. 同一原料から成形した試料において, 600℃-1000℃での焼成体の性状は成形条件によって大きな影響を受ける. 更に焼結強度に対する原料組成の影響は試料の熱膨張収縮特性から, 定性的に判断できた.
  • ホウ素と炭素の最適添加量
    田中 英彦, 猪股 吉三, 佃 一志, 萩村 厚
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 461-465
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    β-SiC粉末をホウ素と炭素の添加によって常圧焼結させた. 焼結に必要なホウ素の最適添加量は0.15-0.20重量%であり, 0.3%以上添加すると焼結温度で異常粒成長を起こした. 炭素はフェノールとフラン樹脂, ピッチタール及びカーボンブラックで添加したが, 添加の最適量は約1-2%であった. カーボンブラックで添加した場合はち密化がやや劣った. 焼結体の強度は粒の粗大化した試料では350-450MPaであり, 通常の粒成長でち密化した試料の場合, 密度が3.10を超えると450-550MPaとなった. β-SiC粉末の焼結では異常粒成長をさせることなくち密化を進行させる必要があることを指摘した.
  • 大竹 一宏, 野間 竜男, 澤岡 昭
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 466-469
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルミナ-ウルツ鉱型窒化ホウ素 (w-BN) 混合物の超高圧焼結を6GPa, 1300℃で行い, その密度, 硬さ, 破壊靱性を測定し, X線回折, 走査型電子顕微鏡観察を行った. w-BNの割合は5-15体積%とした. 超高圧焼結体を真空中, 1300℃で熱処理すると, BNは黒鉛類似構造へ転移し, 体積が45%増加した. 期待に反し, この熱処理によって焼結体の破壊靱性は著しく減少した. 既に報告したアルミナーダイヤモンド系では, 同様の熱処理によって破壊靱性が増加する. この違いは, BN系では真空中でのBNの相転移が600°-700℃で急激に起こり, 焼結体中にクラックが発生するのに対し, ダイヤモンド系では1300℃で相転移が徐々に進行し, 局所的なクリープが起きて応力が緩和され, クラック発生に至らないためと説明できる.
  • 若林 肇, 寺井 良平
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 470-472
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1068 号 p. 472
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 井川 博行, 鶴見 敬章, 大橋 玄章, 浦部 和順, 宇田川 重和
    1984 年 92 巻 1068 号 p. 473-474
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1068 号 p. A43-A46
    発行日: 1984/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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