Bi
2O
3-V
2O
5系酸化物を使用してフラックス法によってNiO, CoO, Mn
3O
4とSnO
2の単結晶を合成した. フラックスと出発試料のNiO, CoO, MnO
2 (又はMnO) 又はSnO
2との混合物を1300℃で20時間保持して5℃/hの速度で900℃まで徐冷した. 成長したNiOの結晶は長方形で深青色を呈し, NiO量が5.2wt%のとき最大2×1.5×0.5mmの結晶が得られた. CoO結晶は黒色で樹枝状と8面体の形状を示し, CoO量が13.1wt%のとき最大1×1×1mmの結晶が得られた. 出発試料のMnO
2又はMnOのいずれを使用しても, 黒色で板状と8面体のMn
3O
4結晶が成長し, その量がそれぞれ10.8wt%と10.6wt%のときに最大4×2×1mmと8×4×1mmの結晶が得られた. 出発試料が異なると, Mn
3O
4結晶の格子定数の値と立方晶への転移温度に違いがみられ, Mn
3O
4結晶のMn
2O
3への部分酸化の挙動にも大きな差違があることが分った. SnO
2結晶はBi
2O
3・V
2O
5組成のフラックスから成長し, 淡赤色を示し最大で1×1×0.5mmのものであった.
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