都市固形廃棄物 (都市ごみ) から資源を再生するプロセスを開発する研究の前段階の一つとして, 焼却残滓の利用を検討した.
焼却残滓は, とりあえず都市ごみ清掃工場から提供をうけ試料とした. 残滓は, ガラスや陶磁器の破片を主とする無機質物, 金属類, 未燃焼有機物及び5mmのふるい下である燃焼灰の四つに分別した.
この無機質物45%と残灰10%に赤泥45%の割合で配合したものを10mm程度の大きさに成形して900℃で焼成すると, 軽量骨材となることを見出した. 押出造粒機及びテストキルンを使って製造実験を行い, 見掛け比重1.24, 吸水率14.86%の製品を得た. 更に, コンクリート試験を行い, JIS A 5002 (構造用軽量コンクリート) に適合することを確認した.
次に, 無機質物に同量の蛙目粘土を配合してタイルを試作した. 圧力250-300kg/cm
2で成形した試料を匣鉢にベタ詰めして, 1060℃で焼成したところ, せっ器質床及び外装タイルとして, JIS A 5209 (陶磁器質タイル) に適合する製品を得た.
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