窯業協會誌
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91 巻, 1058 号
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  • 横倉 修一
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 429-436
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    我が国において従来より最も広く使用されているリターナブル (回収, 再使用可能) のガラス容器の一つを選び, その破壊強度につき, 主として耐内圧強度, 耐熱衝撃強度及び耐熱圧強度 (内圧及び熱衝撃を同時に加えた場合の破壊強度) を取り上げ, 強度の経年劣化に関する検討を行い, またこれらの強度特性について若干の弾性力学的な考察を加えた. 実験結果を要約して以下に示す.
    1) 本実験に使用したガラスびん (胴径75mm, 肉厚3-4mm) においては, 市場において使用を開始して約3-4年間で強度の急激な低下をきたし, それ以降では緩慢な低下に推移した.
    2) びんに水圧を加えて破壊させる耐内圧強度においては破壊起点は表面傷の集中的に発生している円筒部に集まっており, 必ずしも肉厚の薄い位置に集中することはなかった. またびん破壊時の内圧 (P) と破壊起点から伸びた割れ目の分岐するまでの長さ (L) の間には, 大まかにPL0.48≒81 (一定) なる関係が認められた.
    3) びんに水圧と熱衝撃を同時に加えて破壊させる耐熱圧強度においては, びん破壊時における内圧と熱衝撃値 (急冷による温度差) の間には直線関係のあることが分った.
  • 堀田 憲康, 斉藤 夏風, 松尾 重友, 松下 徹
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 436-442
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Nb2O5焼結体と5種類のAl2O3-CaO系化合物 (3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3, CaO・Al2O3, CaO・2Al2O3, CaO・6Al2O3) 焼結体を重ね合わせて拡散対とし, 大気中, 1225-1300℃で加熱した. 生成する反応層をX線マイクロアナライザー分析及びX線回折により測定し, Nb2O5とAl2O3-CaO系化合物との固相反応を調べた.
    Nb2O5と3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3及びCaO・Al2O3との反応においては, これらAl2O3-CaO系化合物中のCaO成分がNb2O5中へ一方拡散し, 3種類のNb2O5-CaO系化合物 (CaO・Nb2O5, 2CaO・Nb2O5, 3CaO・Nb2O5) が生成した. また, CaO・2Al2O3及びCaO・6Al2O3との反応においては, これらAl2O3-CaO系化合物へのNb2O5の一方拡散が優位であり, CaO・Nb2O5, 2CaO・Nb2O5及びAl2O3・Nb2O5が生成した. 反応層内に生成したCaO・Nb2O5は柱状及び板状, 2CaO・Nb2O5は板状, Al2O3・Nb2O5は2-3μmの球状の微粒子として存在していた. 反応層の生成速度はx2=2Dt式に従い, 3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3及びCaO・Al2O3よりもCaO・2Al2O3及びCaO・6Al2O3を用いた拡散対の方が大であった.
  • 吉松 英之, 三友 護, 三橋 久, 大森 蕃三, 矢吹 達美
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 442-449
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    天然に産出するカオリナイトとカーボンブラックの混合物を, 窒素気流中で1350°-1500℃, 0-4時間焼成して, サイアロン粉末を合成した. カーボン添加量は18.87wt%, 20.37wt%である. 焼成時間が長くなるに従って, 焼成体中の残留カーボン量は減少し, 窒素含有量は増加した. つまり, 還元・窒化反応が進行した. また, 焼成中にSiOの飛散が認められた. 種々の条件で焼成したサイアロン粉末のSiとAlの組成比は, z=3.2付近のβ-サイアロンのものとほぼ一致した. 一方, NとOの組成比は, 合成条件を変化されることにより制御できることが分った. そして, 結晶質成分が大部分β-サイアロンである粉末を得ることも可能であった.
  • 林 国郎, 藤野 義則, 西川 友三
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 449-456
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    種々のかさ密度をもつ市販のアルミナ系, 及びジルコニア系繊維質断熱材の熱伝導率 (λ) を, 室温から1400℃の範囲にわたって非定常熱線法によって測定し, それらの温度依存性を検討した. アルミナファイバーはδ-Al2O3からなり, 1250℃以上でα-Al2O3に転移するため, λの値, 及びその温度依存性は変化した. すなわち, δ-アルミチファイバーのλは温度の上昇に伴って単調に増大したが, かさ密度が0.2g/cm3以上のα-アルミナファイバーのλはα-Al2O3のλの温度特性が反映されて低温域で高くなり, 300°-500℃の間に最小値をもつ放物線状の温度依存性を示した. ジルコニアファイバーのλは小さく, 温度の上昇とともに単調に増大した.
    各ファイバーのλは, 低温域ではかさ密度の小さいものほど小さいが, 高温域ではふく射伝熱の寄与の増大により, 逆に大きくなる. しかし, 結晶質のファイバーは, 繊維表面でのふく射線反射効果により, ガラス質ファイバーに比べると, 高温域でのλは小さく, 高温における断熱性は優れていることが分った.
    アルミナ, 及びジルコニアファイバーの熱伝導率 (λF) と温度 (θ) との間には, 次のような実験式の成り立つことが分った.
    λF=a・exp(bθ) 式中の定数a, 及びbと, 各ファイバーの体積分率の間には, 一定の関係のあることが分った. その関係を基にして, δ-Al2O3のλ, 及びその温度依存性を推算した.
  • 小川 一太郎, 逆井 基次, 稲垣 道夫
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 456-463
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    溶媒分別ピッチ (ベンゼン可溶ピッチ, ベンゼン不溶・ピリジン可溶ピッチ, ピリジン不溶ピッチ) とフェノール樹脂 (レゾールタイプ, ノボラックタイプ) とを1:1の比率で混合し, 炭素化した. 乳鉢によって機械的に混合して炭素化した場合と, 共通溶媒 (ピリジン) を用いて混合し, 溶媒を除去後, 炭素化した場合とについて, それらの炭素化物の光学的組織を比較・検討した. 混合物は120℃での熱硬化及び200℃での後熱硬化処理の後, 600℃で炭素化した.
    機械的に混合した場合, すべての混合物で, ピッチの炭素化物組織 (異方性) と樹脂の炭素化物組織 (等方性) とが共存する不均一な組織の炭素化物が得られた. 共通溶媒を用いて混合した場合, ベンゼン可溶ピッチとレゾールタイプフェノール樹脂の混合物からはファインモザイク組織, ベンゼン可溶ピッチとノボラックタイプフェノール樹脂, 及びベンゼン不溶・ピリジン可溶ピッチとレゾールタイプ樹脂の混合物からは等方性組織の, いずれも単一の組織をもつ炭素化物が得られた. 共通溶媒による混合法を用いることにより, 異方性単位の大きさを制御したファインモザイク組織の炭素化物が製造できると期待される.
  • 菱田 俊一, 河本 邦仁, 柳田 博明
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 463-470
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ホットプレスにより得た, 相対密度65%以下のアナターゼにおける電気伝導について, 直流4端子法により25°-800℃の温度, 105-10-8Paの酸素分圧範囲で検討した. 300°-400℃で伝導度の熱履歴が出現した. 酸素分圧依存性では, 0.3Pa以上の領域で酸素分圧の減少に従い, 伝導度は増加したが, 0.3Pa以下では酸素分圧によらず一定であった. 0.3Pa以上での伝導度の酸素分圧依存性は, 試料の密度の影響を受けた. 18O同位体交換実験から, 700℃では酸素分圧が2Paでは表面の酸素が脱離し, 10-8Paでは格子中の酸素が脱離すると考えられた. アナターゼの電気伝導は吸着酸素の存在により説明された.
  • バイアスコープ法及び断面光弾性法によるデータの比較
    岸井 貫
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 470-472
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    フロート法板ガラスとフロート法によらない板ガラスを収集して試料にした. 残留表面応力を表面伝ぱ光を用いた散乱光光弾性法 (バイアスコープ) と断面光弾性法とで測り, 測定値を比べた. バイアスコープ法は高い圧縮応力を与えるか又はより小さい引っ張り応力を与えるかであった. 断面光弾性法では観察できない薄い表面層が内部よりも低膨張になっていると推測された. 低膨張化の原因は製造工程中での表面からのNa+イオン又はNa2Oの逸散, 蒸発であろう.
  • 門間 英毅, 後藤 優
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 473-475
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 池上 隆康, 守吉 佑介
    1983 年 91 巻 1058 号 p. 475-476
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 91 巻 1058 号 p. A57-A62
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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