窯業協會誌
Online ISSN : 1884-2127
Print ISSN : 0009-0255
ISSN-L : 0009-0255
89 巻, 1026 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 岸井 貫, 堀辻 剛
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 59-63
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    琺瑯表面に高屈折率ガラスプリズムをあてがい, アッベの屈折計を形成する. 一方, ガスレーザービームを集束して琺瑯層内に入射させ, 層内で生じた散乱光を光源として表面の複屈折を測り, 表面応力を測定した. 鋼板エナメルに適用したところ, 材料特性からの推算値, 破壊的試験, 模型実験による値と, 同一水準の値が得られた.
    この方法は, 表面の凹凸がひどい場合, 乳濁が極端に強い場合, 多量の泡, 充てん材, 結晶相などのために透光性の悪い場合, などには適用できない.
  • 高橋 武彦, 伊藤 秀章, 大竹 章夫
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 63-68
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    BCl3, NH3, H2及びArからなる混合ガスを用いる化学蒸着によって, ニッケル基板上に窒化ホウ素膜が得られた. 被膜の析出条件及びその構造について, 炭素鋼基板上に得られたCVD-BN膜の場合と比較検討した. 反応ガスの最適流量は次のように決定された. NH3: 0.8ml/s, BCl3: 0.2ml/s, H2: 0.5ml/s, Ar: 0.7ml/s. ここで, (NH3+H2) ガス流を基板のすぐ上で (BCl3+Ar) 主ガス流と混合させた.
    BN被膜の成長温度範囲は, 800°-1050℃であった. 800℃では, 非晶質かつ透明のBN膜が得られ, 950℃では非晶質と結晶質の2相混合物から成る不透明のBN膜が成長した. また, 1050℃では結晶質かつ透明なh-BN膜が部分的に融解したニッケル基板上に析出することが分った. h-BNの生成反応に対するニッケルの触媒活性は, 鉄の場合よりも高いものと考えられる.
  • 松本 和順, 佐多 敏之
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 68-73
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    LaCrO3の蒸発に及ぼすCa添加の影響を真空中で調べた.
    La1-xCaxCrO3 (x=0-0.15) は, La2O3, Cr2O3, CaCO3の粉末を所定比に混合したものを空気中, 1400℃で処理して合成した. 蒸発実験は, 1700℃で焼結させた円板状の試料 (8mmφ×3mm, 300mg) を, W-ヒーターを備えた真空炉内で, 温度1700°-1900℃, 真空度10-5Torrの条件で行った. 蒸発速度は試料の重量変化から求めた.
    分解蒸発により試料表面に生成したLa2O3は, 非常に多孔質なため蒸発をほとんど抑制しなかった. また, 蒸発速度はCa添加量によらず実験誤差内で一致した.
    蒸発速度の温度依存性から, Cr2O3成分が蒸発するときの見掛けの活性化エネルギーとして, 137±3kcal/molを得た. 試料の蒸発表面と断面のXRDとEPMAにより, La2O3と接している境界付近のペロブスカイト層にはCaが欠乏しており, LaCrO3の組成に近くなっていたことが分った.
    La1-xCaxCrO3の蒸発速度がCa添加量に依存しないのは, Ca添加がCr2O3成分の蒸発に影響を及ぼさないためと思われる.
  • 前田 榮造, 新谷 宏隆, 川上 辰男, 岸高 寿
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 74-80
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si3N4-Al2O3及びSi3N4-MgAl2O4焼結体の溶融高炉スラグによる侵食を1500℃で回転円筒法により測定し, その反応を考察した.
    測定に用いた試料はSi3N4にAl2O3を20, 40, 60eq%含むもの, Si3N4にMgAl2O4を10, 20, 40mol%含むものの計6種類である. 2時間の侵食試験後, Al2O3を60eq%含む焼結体の侵食量は多かったが, 他の焼結体については余り侵食されず, ち密なアルミナ焼結体と比べてもこれら5種の焼結体の侵食量は少なかった.
    侵食反応はそれら焼結体の溶融高炉スラグへの溶出反応により起こるものと理解される. すなわち, 試料と溶融高炉スラグが接触すると, スラグ成分が試料中に浸透拡散する. 浸透した液相と固相が反応し, 固相の一部は液相に溶け出し, 液相里は増加する. β-SiN34及びβ′-sialonの溶出反応速度は遅いが, 他の構成相は比較的溶出速度が大きいと考えられ, そのため, 液相壁の増加によってβ-Si3N4あるいはβ′-sialonは固相のままスラグ中へ浮遊し試料をはなれてゆくものと考えられる.
  • 高密度β-スポジュメン系セラミックスとその遠赤外熱放射性, 第1報
    山本 博孝, 二宮 秀明
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 80-85
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    セラミックスを高温にすると, 遠赤外熱放射性が他材に比べて優れているという研究はこれまで多数報告されているが, 著者らもこれらの性質を検討する目的の研究をしており, 本報告において, 高密度なβ-スポジュメン系セラミックスについて, その遠赤外熱放射強度を測定し, 更に他の材料と比較した結果を報告する. β-スポジュメン組成の2種のセラミックスを円筒ヒーターとし, これを既に実用化されている各種ヒーターと遠赤外域の熱放射強度によって比較測定した. その結果, 本報告のβ-スポジュメン系セラミックスは, 比較した各種ヒーターよりも遠赤外熱放射強度において優れた材料であることと, セラミックスの組成の違いによって, 熱放射強度に差のあることを明らかにした. β-スポジュメン・セラミックスのこれまで分っている耐熱衝撃性に強力である性質その他に加えて, 本報告の優れた遠赤外熱放射性を併せ利用すれば, このセラミックスを使用して, 高温ヒーターとする可能性があることが分った.
  • 極端に退色の遅いガラス
    森本 繁樹, 三島 康玄
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 85-89
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    退色の極めて遅いガラスを得ることを目的として, SiO2含有量, アルカリフラクション (AF値), 2価酸化物の種類及び含有量のフォトクロミック特性に対する影響を詳しく検討した. その結果, これらの値及び量を選ぶことによって, ある程度任意の半退色時間と飽和暗化度を持つフォトクロミックガラスをつくることができた. 特に, SiO2含有量が70wt%以上, AF値が0.35-0.43, BaO, PbOの含有量が数%以上の組成のガラスは半退色時間が数百時間以上であった. 赤外光の照射によるガラスの退色を調べたところ, 退色が著しく促進されることが分った. しかし, 退色の極めて遅いガラス (半退色時間が数百時間以上) も比較的退色の速いガラス (半退色時間が25分) も同じように, 赤外線照射時の半退色時間は100秒程度であり, 光退色速度は熱的退色の速度とは無関係であった.
  • 中嶋 弘, 牧田 研介, 森本 博
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 89-95
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    窓ガラスの表面をリボン状厚膜導電体で加熱して, 結露による曇りを効果的に防止するためには, 比抵抗が9×10-6ohm・cm程度, 金属端子の接着強度が30kg/cm2以上の性能を有する導電体が必要である. 本研究では, りん (鱗) 片状銀粉に絶縁物としてMnO2, Tiの有機化合物及びRhの有機化合物のいずれかを添加して銀ペーストを調製し, これを板ガラスにスクリーン印刷した後645℃で5分間焼成して導体を作製し, 抵抗と接着強度の組成依存性を調べた. MnO2を3%添加すると, 導体の比抵抗は3×10-6ohm・cmから10×10-6ohm・cmに増大したが, 接着強度は90kg/cm2から15kg/cm2まで減少した. また金属の有機化合物では, Rhの場合わずか0.08%の添加で比抵抗9×10-6ohm・cm, 接着強度56kg/cm2となったのに対し, Tiでは0.96%添加した場合, 比抵抗は8×10-6ohm・cmとなったが接着強度は10kg/cm2程度であった. このことから, Rhの有機化合物を銀ペーストに添加する方法により, 所望の特性を有する導電体が得られることが明らかとなった. また比抵抗は銀粒子間の接触面積に反比例するという仮定に基づいて計算式を誘導し, 比抵抗の組成依存性に適用した.
  • 守屋 喜郎, 野上 正行, 牧原 正記
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 95-101
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    産業廃棄物を利用してスラグウールの品質を改良しようという意図をもって, 高炉滓-廃ガラス系ガラスを調製し, その性質を検討した. 原料バッチ中の廃ガラスの割合の増加とともに, 融液の粘度は増加し, 液相温度付近における粘度の温度変化は減少し, また, 冷却過程で測定したDTAにおける発熱ピークの開始温度は低下した. これらの点から, 高炉滓に対する廃ガラスの置換は融液の失透傾向を抑え, スラグウールの紡糸に適する粘度を示す温度範囲を広げるように思われた.
    アルカリ性溶液に浸漬後の重量減で評価した耐アルカリ性は, 60wt%以下の廃ガラスを含む原料バッチから調製されたガラスではかなりよかった. しかし, 浸漬後のガラスの表面はかなり荒れていた.
  • 奥田 進, 井上 圭吉, 中村 雅彦, 古井 栄二
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 101-103
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 堀ノ内 和夫, 高橋 洋一, 笛木 和雄
    1981 年 89 巻 1026 号 p. 104-106
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 89 巻 1026 号 p. A5-A14
    発行日: 1981/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top