窯業協會誌
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86 巻, 991 号
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  • 池上 隆康, 松田 伸一, 鈴木 弘茂
    1978 年 86 巻 991 号 p. 97-101
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    MgOの仮焼及び焼結におけるハロゲンイオンの添加効果を, それぞれ, MgO粉末の結晶子の大きさや圧粉体の収縮率を測定することにより調べた.
    Cl-は仮焼過程でMgO粉末の粒成長を助けた. また, 仮焼温度の上昇にともない母塩の形がいは消失した. しかしCl-の添加効果は700℃以上では小さくなった. 一方, F-は900℃以下では粒成長を抑制するが, 1000℃以上では, 逆に, 非常に促進させた. 仮焼後の粉末に含まれる単位面積当りのF-の量は仮焼条件の変化にあまり関係しない.
    Cl-だけではあまり焼結を促進しないが, F-と同時に添加すると, F-を添加して高めたち密化を更に良くする. F-を含む圧粉体は特徴的なち密化曲線を, すなわち, 急激な収縮を示した. この急激な収縮が始まる温度は仮焼条件, 特に仮焼温度に影響される.
  • 複酸化物の酸塩基性について
    西野 忠, 桜井 正
    1978 年 86 巻 991 号 p. 101-107
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    前報に引続きIIa族及びIVa族からなる複酸化物6種間の固溶体を合成し, これらとCr2O3との酸素流通下での反応を調べた. 得られた反応率を比較検討して固体酸塩基の境界について考察し, パラメーターV/Z (V: 単位格子容積, Z: 単位格子中の化学単位の数) を用いるとほぼ60Å3を境界として酸塩基性が判別できることを示した. なお, ZrTiO4の低温生成, 固溶体と混合物との反応過程の差異について検討した.
  • 陶磁器素地と釉薬との適合性に関する研究, 第4報
    稲田 博
    1978 年 86 巻 991 号 p. 107-114
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ビトリアスチャイナ及びボーンチャイナについて, その軟質釉の厚さを変えた時の釉応力の変化を測定した.
    ビトリアスチャイナの場合, 釉厚さ0.1mmの時-600--900kg/cm2の圧縮応力を示したものが, 釉厚さの増大とともに急減し, 釉厚さ1-1.5mmでほとんど0になった. ボーンチャイナの場合, 釉厚さ0.1mmの時-500kg/cm2あった釉応力は1-1.5mmで-100kg/cm2に減少した.
    また釉層中における応力分布, 屈折率分布も測定した. 圧縮応力は素地に接する部分で最高で, 釉表面がそれに次ぎ, 釉層の中央部が最も低かった. 釉層の屈折率は塊状でとかした釉よりかなり低い値を示し, 素地に接する部分及び釉層表面は, 釉層中央部より低い値を示した.
    これらの結果から釉と素地との反応及び釉層表面からの揮発成分の減少により釉層の熱膨張係数に変化をきたしていることがうかがわれる.
    ビトリアスチャイナ及びボーンチャイナ上での釉層は実際に用いられる0.1-0.15mmの厚みではそれぞれ1.5×10-6, 1.0×10-6程度, 熱膨張係数が低下していると計算された.
    前報に報告した“融合点補正”と, 釉焼による釉の熱膨張係数の低下に対する“変質補正”の二つを導入することによって素地の上に焼成された釉層中の釉応力の大きさを合理的に説明できるようになった.
  • 林 国郎, 笠井 淳一, 福井 雅男, 西川 友三
    1978 年 86 巻 991 号 p. 115-119
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    数種の市販ジルコン質煉瓦の1200℃までの熱伝導率を非定常熱線法によって測定した.
    得られた結果を要約すれば次のようである.
    (1) 市販ジルコン質煉瓦の中で, ジルコン含有量の多い煉瓦は, 温度の上昇とともに, その熱伝導率が急減する. しかし, 煉瓦中に結合剤 (粘土質) の量が増加し, ジルコン含有量が減少するにつれて, 熱伝導率は低下し, 先に報告された測定結果にきわめてよく一致した.
    (2) ジルコン質煉瓦を, ジルコン結晶粒子と粘土質煉瓦の複合系とみなし, Euckenの2成分系熱伝導式を用いて解析した結果, ジルコン含有量80%以下の煉瓦は, ジルコン粒子が不連続相になっているものと類推された.
  • 陶山 容子, 加藤 昭夫
    1978 年 86 巻 991 号 p. 119-125
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    TiO2のアナターゼ-ルチル転移がSiO2によって著しく抑制されることを見出した. そこで, 転移抑制に対するSiO2の添加量や粒径, 混合状態の影響を調べ, 転移抑制機構を考察した.
    TiCl4-SiCl4-O2系気相反応によって合成したCVD-TiO2・SiO2粉体におけるTiO2の転移速度は, SiO2がTiO2粒子をち密に厚く覆った粒子形態のものほど小さい. 製造履歴の異なる各種のTiO2とSiO2の機械的混合物においても, 同様なSiO2によるTiO2の転移抑制効果がみられ, その効果は, 微小で分散性のよいSiO2粉体ほど大きい. 加熱処理後の試料では, 転移量と粒成長や焼結の程度との間に相関がみられた.
    アナターゼ-ルチル転移は, (1) TiO2粒子の自由表面, 及び (2) TiO2粒子同士の接触点でのルチル核生成によって起こる. SiO2はTiO2粒子表面を安定化して (1) の核生成を抑制する作用と, TiO2粒子間の接触率を低下させて (2) の核生成を減少させる作用を有する.
  • 酒井 利和
    1978 年 86 巻 991 号 p. 125-130
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    AlN-Al2O3系の各種組成比をもつ混合粉末を加圧焼結した. 2mol%のアルミナはAlNの焼結を著しく促進する. 1600-2100℃, 200kg/cm2, 保持時間1時間の加圧焼結をした試料中には各種の結晶相の生成がみられた. スピネル型の酸窒化物は1700℃で全組成範囲から生成する. この酸窒化物は1900℃以上でAlNと反応し, AlNの偽多形を生ずる. この系には, 2Hδ, 27R, 16H, 21R及び12Hの生成が認められた. これらのあるものは互に交差した板状の微構造をなす.
  • 守吉 佑介, 小松 和蔵
    1978 年 86 巻 991 号 p. 130-136
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    表面拡散と体積拡散及び表面拡散と粒界拡散との複合初期焼結の速度式を導出した. この式を銅球の収縮率のデータに適用してえた表面拡散係数は文献値とよく一致した. また, アルミナの1180°から1260℃における収縮率のデータも, この式でよくあらわされ, えられた表面拡散係数が文献値及びその外挿値とよく一致することを示した.
  • 李 弘林, 佐多 敏之
    1978 年 86 巻 991 号 p. 136-144
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    MgO-Al2O3-Cr2O3系中のMgO-Al2O3系とMgAl2O4-MgCr2O4系に対する種々のモル組成の試料を1500-1700℃の温度域と, <10-5Torrの真空中でラングミュア法によつて蒸発させ, 各温度での蒸発速度測定と試料表面の分析を行った.
    その結果, MgO-Al2O3系とMgAl2O4-MgCr2O4系からそれぞれ, MgOとMgCr2O4成分の優先蒸発により, 試料表面にAl2O3層とAl2O3の濃度の高いスピネル層ができ, その層を通して蒸発種が拡散することによって蒸発が律速されることがわかった.
    また, 蒸発の活性化エンタルピーの測定により, 表面層への拡散は粒界拡散であり, 蒸発の活性化エンタルピーの測定値は多結晶体のAl2O3とMgO・nAl2O3中における酸素イオンに対する拡散の活性化エネルギーにそれぞれ近いと推論した.
  • 大森 蕃三, 速水 諒三, 木下 実, 岩佐 美喜男
    1978 年 86 巻 991 号 p. 144-146
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 永野 正光, 池田 進, 速水 良晃
    1978 年 86 巻 991 号 p. 146-149
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 86 巻 991 号 p. 149
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 86 巻 991 号 p. A15-A18
    発行日: 1978/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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