窯業協會誌
Online ISSN : 1884-2127
Print ISSN : 0009-0255
ISSN-L : 0009-0255
88 巻, 1014 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 大塚 淳, 小杉 理, 石垣 隆正
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 57-70
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    新しいスピネル顔料開発の一環として, CoO-ZnO-Cr2O3-Fe2O3-TiO2系につき, そのスピネル固溶体の生成と色調及びその陶磁器への応用を検討するために, 本研究を企画した. 各試料は, それぞれ酸化物を用い, 湿式で混合後, 1400℃で焼成した. X線分析により, 各試料が単一スピネルであることを確認した. 色調は, CoOを含まない系では, 広範囲に渡り茶系の呈色が, CoOを含む系では, Fe3+を含まない系で青緑Fe3+を含むと茶-暗い茶系の呈色が広範囲で得られた. また, 色釉試験の結果から, 従来から使用されている石灰亜鉛釉及び石灰釉で, CoOを含まない系では, グレー味オリーブ, グレー味茶の呈色, CoOを含む系では, 青緑及び暗いグレー系の光沢の良い, 深い呈色が得られた. 以上の実験結果から, CoO-ZnO-Cr2O3-Fe2O3-TiO2系スピネル固溶体は, 陶磁器用顔料として, 十分に応用できることが分った.
  • 田草川 信雄, 小山 晃
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 71-77
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シリカガラス, アルカリケイ酸塩系ガラス及び含フッ素アルカリケイ酸塩系ガラスの800-700cm-1の赤外線吸収スペクトルをケイ酸4面体 〈SiO4〉 を振動単位とする帰属法に基づいて比較する方法により, 含フッ素アルカリケイ酸塩系ガラスの800-700cm-1の赤外線吸収スペクトルと構造との関係を検討した.
    SiO2ガラス, R2O-SiO2系 (R=Li, Na, K, Rb又はCs) ガラス及びRF-SiO2系 (R=Li又はNa) ガラスの800-700cm-1のスペクトルには1箇所に吸収極大が生じた. この吸収は 〈SiO4〉 の対称性伸縮振動によるものと判定した. 一方, RF-SiO2系 (R=K, Rb又はCs) ガラスの場合は2箇所に吸収極大が生じ, 高波数側の吸収は 〈SiO4〉 の, また, 低波数側の吸収は一部の酸素がフッ素に置換されたケイ酸4面体 〈SiO4-αFα〉 の対称性伸縮振動によるものと判定した.
    含フッ素アルカリケイ酸塩系ガラス中のフッ素の状態は共存アルカリイオンの影響を強く受け, K, Rb又はCsが共存するときは, Li又はNaが共存するときに比較して多量のフッ素が 〈SiO4-αFα〉 を形成してガラス中に存在しうる.
  • 井原 将昌, 今井 寛治, 福永 二郎, 吉田 直次郎
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 77-84
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    9Al2O3・2B2O3結晶の構造を単結晶X線回折法で研究した. 斜方晶系で, 空間群はC2v12-Cmc21であり, 単位格子はa=5.682±0.013Å, b=14.973±0.034Å, c=7.692±0.017Åで, これから計算したA9B2zは1.09であった. フーリエ合成法と最小自乗法によつて信頼度因子R=10.3%の構造が得られた. この構造はアンダルサイトのものに類似していて, AlO68面体, AlO44面体, BO3三角形及び酸素が不規則に5配位しているAl原子を含んでいる. これらAlO68面体とAlO44面体はa軸方向に連続して結合している. この構造では単位格子中に10Al2O3・2B2O3が1式量単位はいっているような原子配列であるので, この構造を10Al2O3・2B2O3型構造と名付けた. しかし, 化学分析からは, この化合物は9Al2O3・2B2O3組成であると結論される. このX線測定実験と化学分析の結果の間の矛盾は, 10Al2O3・2B2O3型構造の化合物中のAl原子の約2%弱がB原子で統計的に置換された構造になっているとして解決できた. すなわち, この置換によって組成はAl20-4/11B4+4/11O36=1.09(9Al2O3・2B2O3) となり, 単位格子中の式量単位数zz=1.002となり, 比重実測値, 化学分析結果, X線測定結果がすべて満足される. 更に, 置換前後の信頼度因子Rの変化を調べて, B原子によって置換されるAl原子の位置を推定した.
  • 清水 紀夫, 柳田 博明, 橋本 甲四郎, 西川 泰男
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 84-91
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    二酸化チタンと炭酸カリウムの3対1モル比混合物を径13mm, 厚さ約2mmの錠剤に成形して, ニッケル板上で900°-1100℃の間で静置焼成した. 焼成した錠剤の表面にはKDC法の場合と同様なチタン酸カリウム “Fur-fiber” が生成した. その生成量はKDC法の場合と比べると多く, ディスク法が長繊維チタン酸カリウムを合成するには有利であることが分った.
    ディスク法によれば低温型六チタン酸カリウムと高温型六チタン酸カリウム, 四チタン酸カリウムの3相が共存状態で得られた. その結果, 低温型六チタン酸カリウムの存在が確認された.
    また “Fur-fiber” にも2種のものが認められ, 新たに樹状の “Dendritic-fur-fiber” が見いだされた. ディスク法によるK2CO3とTiO2の反応は混合物中のK2CO3の均質性が反応に影響を与えることが分った.
    第3成分としてNH4Cl, NH4NO3, KF, KClなどを出発原料に添加すると, “Fur-fiber” の生成量と成長促進に効果が大きかった.
  • 北澤 宏一, 古牧 育男, 松川 敬三, 笛木 和雄
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 92-99
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    多重溝平滑化法を用いて単結晶アルミナの (1102) 面及びMgO・2.4Al2O3の (100) 面上の質量輸送速度をそれぞれ1530°-1770℃及び1730°-1770℃の温度領域で測定した. 表面上に形成した周期的凹凸形状の振幅は高温でアニールすることにより時間とともに指数関数的に減衰した. アルミナの場合には減衰速度は断面形状の波長の4乗に反比例し, 表面拡散が主たる質量輸送機構否あることが示された. 得られた表面拡散係数は (1102) 面以外の面上で求められた他の結果と良い一致を示し, 表面拡散係数が面方位に大きな依存性を示さないことを示唆した. 一方スピネルの場合にはアニールとともに表面形状の異方性が強く現れ, 精密な測定は困難であった. しかしながら, 従来のトレーサー拡散係数と比較することにより, スピネルの質量輸送速度は陽イオンの拡散からの予想値よりも小さく, 酸素イオンが律速種であることが示された. スピネルの質量輸送は遅く, 同一温度でアルミナの約1/10の程度であった.
  • 高瀬 光寛, 佐多 敏之
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 99-105
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    NH3ガスとAlCl3水溶液との反応により, アルミナ超微粒子が生成されることを報告した. 粒子径は, NH3ガスやAlCl3溶液濃度の減少に従って減少した. その結果50Å以下の粒子径を持つ微粒子が得られた.
    生成機構は以下のように議論された. AlCl3溶液がフラスコの流れの頂上から下まで流れ落ちる間に, アンモニアガスがその表面から吸収される. 前報で定義された溶液表面の粒子の発生帯が, このNH3ガスを吸収している短い時間の間, 母液内部へ移動する. その結果超微粒子と過剰のOH-イオンが発生帯の後ろにある貯留帯に残される. この粒子とOH-イオンはフラスコ内の流れに乗って母液に運ばれる. 母液に運ばれた過剰のOH-イオンは母液中のAl3+イオンと不均一反応を起こし, 比較的大きな粒子を作る. これらの粒子は母液が平衡状態にたいへん近いために安定なコロイドとして存在する.
  • 長谷 貞三, 江頭 哲郎, 井関 孝善, 鈴木 弘茂
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 106-107
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 日原 五郎, 猪上 博行, 永田 〓
    1980 年 88 巻 1014 号 p. 108-109
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 88 巻 1014 号 p. A6-A12
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top