窯業協會誌
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89 巻, 1028 号
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  • 高周波用絶縁材としての高石灰アルミノケイ酸塩磁器について, 第3報
    林 国郎, 福井 雅男, 上井 勲
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 165-170
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ワラストナイト結晶の転移温度以上で焼成されたワラストナイト磁器の誘電特性の劣化原因を究明するために行った実験結果は, 次のように要約される.
    その劣化の原因が, ワラストナイトの結晶型によるものかを調べるために, 高純度のβ-, 及びα-CaO・SiO2を合成し, 分散法を用いて, 粉末状態で誘電率 (ε) と誘電正接 (tanδ) を測定したところ, β型では6.5, 及び4.2×10-4, α型では8.6, 及び5.0×10-4となり, 両者の特性にはほとんど差を認めることができなかった. 次に, ホットプレスによって得たち密焼結体により, 誘電特性を比較したところ, β型焼結体のε, 及びtanδは7.4, 及び3.9×10-4で, α型焼結体では8.4, 及び4.4×10-4となり, 結晶型による差はなく, このことが特性の劣化の原因でないことが分った.
    そこで, 磁器の内部微細組織の観察を行った結果, 高温焼成において磁器中に生じたα型結晶と, ガラス質母相の熱膨張係数の差により, 冷却時に母相中に発生したと思われるクラックが, 誘電特性を劣化させる原因になったものと考えられる.
  • 井関 孝善, 山下 和彦, 鈴木 弘茂
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 171-175
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    遊離Siを含むSiC反応焼結体2個の間げきにGeの粉末を入れ, 真空中, 1180℃で10分間保持することにより, Si-Ge固溶体の接合層を持つ接合体を得た. 接合層の厚さを薄いもの (約20μm) と厚いもの (約200μm) の2種類に調節し, その高温4点曲げ強度を真空中で測定した. 接合体の強度には正の温度依存性があり, 接合層の薄いものの強度は, Geの融点を越える1050℃でも約40kg/mm2を示した. 接合層のEPMA分析の結果からは, 接合層の厚いものについてはかなりのGeの濃度分布が見られたが, 接合層の薄いものにおいては, 比較的均一な固溶体の組成を示し, その液相生成温度が約1200℃に相当するものであることが分った.
  • 山村 博, 羽田 肇, 磯部 光正, 守吉 佑介, 白崎 信一
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 175-180
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    正スピネル構造を有するZnFe2O4のZnの一部をLiで置換固溶したZn1-xLixFe2O4系についてX線回折, 密度, 磁気的性質及びメスバウワー効果を研究した. なお比較のためZn1-xLi0.5x-Fe2.0+0.5xO4系についても同時に検討した.
    Zn1-xLixFe2O4系においてLiはx=0.20まで固溶し, x≧0.30の組成範囲ではα-LiFeO2相が析出してくる. 格子定数はLiの固溶とともに直線に減少し, 固溶限界を越えてもこの傾向は変わらなかった. 固溶限界内では密度測定及びX線回折強度解析から酸素欠陥が存在することが判明した. この組成範囲でメスバウワースペクトルの四極子分裂の大きさはLi固溶量とともに増加するが, これは酸素欠陥に起因すると理解される. なお固溶したLiのうち, x=0.10の試料で80%, x=0.20の試料で84%がスピネル構造中で6配位位置を占めることが分った.
  • バイオガラスに関する基礎的研究, 第1報
    土谷 敏雄, 新井 敦
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 181-191
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    バイオガラスの化学的耐久性と生体組織との結合機構がHenchにより研究された. これらのガラス中に含まれたNa2O, CaO, SiO2とP2O5成分はバイオガラスの必須成分と見なされる. しかし, Henchによって研究されたこれらのバイオガラスは, 埋入後時間とともに機械的強度が減少するという重大な欠点を持つため, まだ実用化されでいない.
    この実験において新成分としてAl2O3とB2O3を含むNa2O-CaO-SiO2-P2O5-Al2O3シリーズ, Na2O-CaO-SiO2-P2O5-B2O3シリーズ, Na2O-CaO-SiO2-P2O5-B2O3-Al2O3シリーズのガラスの化学的耐久性とビッカース硬度を研究した. これらのガラス中に含まれたAl2O3とB2O3は, 化学的耐久性と機械的強度を増加すると期待される. 化学的耐久性はpH=1.0, pH=3.0, pH=5.0のHCl溶液で測定した.
    幾つかの興味ある結果がビッカース硬度において得られた. Xシリーズガラスのビッカース硬度はSiO2の増加とともに増加した. EとFシリーズガラスのビッカース硬度は, B2O3/P2O5が1に等しいmol%比で極大を示し, (B2O3+Al2O3)/P2O5が2に等しいmol%比で極大を示した.
    これらの性質は組成との関連で決定した.
    これらの性質の測定から, E 15, A 20, A 30のバイオガラスがHench (45 S 5) ガラスより良いことが示された.
  • 陣内 和彦, 立山 博, 木村 邦夫, 恒松 絹江, 横田 章
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 191-197
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    赤泥-廃ガラス系混合物の成形体から焼成軽量材料を得るための基礎的な製造試験を行い, 焼成温度によるかさ密度, 吸水率, 曲げ強度及び寸法収縮率の変化を測定した. また, 発泡過程と鉱物組成変化との関連性についても検討した. 得られた結果は次のとおりである.
    (1) 赤泥単味の成形・焼成体は1150°-1250℃の範囲で急激にかさ密度と曲げ強度が増大する. この時の鉱物組成は赤鉄鉱, ネフェリン, チタン鉄鉱あるいは擬ブルッカイトからなる.
    (2) 赤泥に廃ガラスを混合すると, 次の焼成温度範囲で発泡体が得られ, この場合廃ガラス混合割合の増加に伴い焼固・発泡温度が低下する. 赤泥75%-廃ガラス25%混合物: 1150°-1200℃, 50%-50%混合物: 950°-1050℃, 25%-75%混合物: 800°-1000℃.
    (3) 赤泥-廃ガラス系混合物の発泡は, 成形体の軟化点における赤泥中のソーダライトのネフェリン化に伴って発生するH2Oガスによるものと考えられる. したがって, 発泡体原料としてはソーダライトを多く含むものが望ましいと言える.
  • 鷹取 一雅, 島田 昌彦, 小泉 光恵
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 197-203
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    焼結助剤を用いることなく, 高圧焼結により窒化ケイ素のち密化及びα相からβ相への相転移に関する研究を行った. β相は高温・高圧下で安定で, 温度及び作用圧力の増加とともに, 相転移速度も増加した. 焼結体の破断面の観察により, 適当な焼結処理条件において多面体の形成及び粒子間の自己結合の様子が見られた. α-Si3N4を出発物質として, 1600℃, 3.0GPaの処理条件で焼結した場合, 焼結体に含まれるβ相が約10wt%に達したときにほぼ理論密度を有する焼結体が得られ, また, β相が40wt%に達したとき, ビッカース微小硬度の最大値 (2200kg/mm2) が観測された. 出発物質としてα相を用いてもβ相を用いてもち密化挙動に差異は見られなかった.
  • 山口 弘
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 203-208
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    著者らは高温型 (γII)-Li2ZnSiO4及び低温型 (βII)-Li2CoSiO4の結晶構造を3次元のX線データにより解析してきた. 新たに著者はこれらの結晶構造を基にして, γII-Li2CoSiO4, γII-Li2MgSiO4及びβII-Li2ZnSiO4の結晶構造をX線粉末回折データにより解析した. その結果, 上記3個のγII相 (空間群P 21/n) の化合物はお互いに同一構造であり, 同様に2個のβII相 (空間群Pbn 21) の化合物もお互いに同一構造であることが分った. 更にβII相の化合物はβII-Li2CoSiO4の単結晶でみつけられたと同じ1次元不整構造を持っていることが明らかになった. γII及びβII相の構造は共通して副格子PQから構成されており, これらの副格子を結びつける対称要素の違いによって両相の構造は特徴づけられている. 上記の化合物は典型的な4面体構造を形成しており, すべての陽イオンは4個の酸素で配位されていることが分った.
  • 木村 邦夫, 陣内 和彦, 立山 博
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 208-215
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    インドネシア共和国, 西ジャワのボゴールに産する黒曜岩, 西ジャワのガルーに産する黒曜岩及びラハール (インドネシア語で溶岩を意味する), 西ジャワのスカブミ, 西スマトラのカユタナム及びブキティンギに産するトラス (我が国のシラスに類似した火山噴出物) などの火山ガラスの性状をシラスと対比しながら調べ, 軽量発泡体を製造するための基礎実験を行った. これらの原料中に含まれる火山ガラス粒子は, 加熱発泡体原料として適する, 透明で表面が平滑の平板状~塊状火山ガラスが主であった. ただし, トラス, 特にスカブミ産トラスは火山ガラス含有率が少なく, 熱処理前の火山ガラスの選別が不可欠である. ボゴール産黒曜岩は, 炉内最高温度1000℃, 滞留時間5分間, ラハールは950℃, 1分間, トラスはシラスと同条件の950℃-1000℃, 1分間の連続熱処理条件により, 空気置換見掛け密度の低い軽量発泡体が効率よく得られた. なお, ガルー産黒曜岩は, 炉内最高温度1200℃では5分間以上の滞留時間あるいは1200℃以上の温度が必要である.
  • 高屈折率ガラスの着色に関する研究, 第2報
    金 炳勲, 山根 正之
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 216-218
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 大田 陸夫, 曽我 直弘
    1981 年 89 巻 1028 号 p. 218-220
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 89 巻 1028 号 p. A21-A24
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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