窯業協會誌
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92 巻, 1067 号
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  • 井原 将昌, 小谷 和司, 吉田 直次郎, 福永 二郎, 瀬戸口 正宏, 東 常行
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 373-378
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ソーダ石灰ガラスから失透する鉱物の一つである, デビトライトの結晶構造を単結晶X線法で解析した. Na2MoO4を融剤として, 白金るつぼ中で910℃で193時間保持して1×0.008×0.008cmの単結晶を作った. この結晶は三斜晶系で空間群はP1, 構造式はCa[5]Ca2[6]Na[6]Na[7]Si6[4]O16である. 本結晶のケイ酸塩陰イオン群はワラストナイト結晶を構成する3個のSiO4を周期とする単鎖4本が縮合した4重鎖である. この4重鎖はc軸方向に並び, 各々はCa2+, Na+両イオンのみで相互に結合している. この結晶は4員環, 6員環及び8員環を含む. Belovによると, 半径の大きい陽イオンや中程度の半径の陽イオンを含むケイ酸塩群中にはこれら3種類の環と同等のものがしばしば存在する. SiO4 4面体は少しひずんでおり, Si-Onb結合がSi-Ob結合より短い. Ca2+とNa+の陽イオン間距離は3.5Åと4.0Åの付近に集中している.
  • 横倉 修一
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 379-385
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ガラス円管及びびん試験体について, スチールボールによる落球衝撃を与え, 試験体の内, 外表面に発生するひずみ (円周方向) 分布をストレインゲージにより測定し, スチールボールの衝撃エネルギー, 試験体の肉厚並びに発生したひずみ量の関係を定量的に検討し, それと並行して試験体に同じく点荷重 (静荷重) を加えた場合に発生するひずみ分布との比較検討を行った.
    また市場で7-10年間使用されたびんを試験体として, 表面傷が集中的に発生している円筒部 (外表面) に同様の落球衝撃を与えて破壊実験を行った.
    これらの実験から以下のような知見が得られた.
    1. 衝撃時に発生するひずみ分布
    i) 試験体内表面の場合
    発生した引っ張りひずみは衝撃点直下で最大を示し, それから離れるにつれて急激に減少した. またその最大値と衝撃エネルギーの間には両対数で直線関係が認められた.
    ii) 試験体外表面の場合発生した引っ張りひずみは試験体の肉厚に応じて, 衝撃点から円周方向に30°-60° (ずれ角度) 離れた位置に最大値が認められ, 本試料びん (肉厚, 約4mm) の場合では衝撃点からのずれ角度50°近傍に引っ張りひずみのピークが認められ, 外部衝撃による典型的なびんの破壊パターンである “ヒンジ割れ” (Hinge fracture) の場合の破壊起点とよく一致した.
    2. 試験びんの耐衝撃強度
    スチールボールの質量, 衝撃速度並びに衝撃エネルギーとびんの耐衝撃強度の関係について検討を行った結果, (1)式のような関係式が得られた. mV2.54=C (1) (ここで, m: スチールボールの質量, V: 衝撃速度, C: 定数である.)
    また衝撃の負荷速度とびんの破壊強度の関係につき検討を行い, Charles, Evansらにより導かれた(2)式から, 疲労定数, n≒18が得られた. σ=β・σ1/n+1 (2) (ここで, σ: 破壊応力, σ: 荷重の負荷速度, β: 定数, n: 疲労定数である.)
  • 水田 博之, 芝崎 靖雄, 延谷 宏治, 金丸 文一
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 386-391
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    0.05KNaO・0.41PbO・0.37MnO・0.17ZnO・0.15Al2O3・1.50SiO2の基本組成を持つ基礎釉及びその基礎釉にV2O5 (2wt%) とCoO (1wt%) を単独又は同時に加えた釉について虹彩現象の研究を行った. 1150°-1250℃の温度範囲で熱処理後, 炉内放冷した基礎釉ではブラウナイトが, Co添加釉ではブラウナイトとハウスマナイト型結晶とが析出したが虹彩現象は認められなかった. V添加した釉ではハウスマナイト型結晶が主結晶相として析出し鮮やかな虹彩を示した. ハウスマナイト型結晶は分析電子顕微鏡から (Zn0.6, Co0.2, Mn0.2) Mn2O4の組成と見積もることができた. しかしVイオンは検出されなかった. またハウスマナイト型結晶は三角錐状の形態をしており, (101) 面が釉面に対して平行に配向していた. 虹彩現象は三角錐状結晶の生成が密に集合して, その結晶の錐面に囲まれた凹部のPb-richなガラス相が存在することによって誘起される. 析出結晶相は, 実体顕微鏡, 分析電子顕微鏡及びX線回折装置を用いて同定し, その析出結晶と虹彩現象との関連性を詳しく議論した.
  • C-SiC複合材の強度に及ぼす原料粉末の混合磨砕の影響
    小川 一太郎, 萩尾 剛, 吉田 久良, 小林 和夫
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 392-397
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    予備粉砕した生コークスにSiC粉末を20vol%を加えてらいかい機により15分-22時間混合磨砕した. 196MN/m2で加圧成形した後, 1000℃及び2000℃で焼成してC-SiC複合材を製造した.
    混合磨砕により生コークスマトリックスにSiC粒子が均一に分散した複合粒子が形成された. 原料粉末の混合磨砕時間とともに焼成体中のSiC粒子の分散はより均一となり, かさ密度及び曲げ強度の増大がみられた. 12時間以上の混合磨砕で, 2000℃焼成体の曲げ強度は約150MN/m2となった. 2000℃焼成体は, 1000℃焼成体よりも曲げ強度が大きく, 低黒鉛化度の炭素をマトリックスとする複合材であった.
  • 前川 尚, 内田 久, 岩野 恵理子, 横川 敏雄
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 398-404
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2元系アルカリホウ酸塩ガラス, Nabalガラス並びにNaClを含むホウ酸塩ガラスにX線を照射し吸収スペクトルを測定した. 吸収スペクトルをガウス型ピークに分離し, 各吸収のピークとガラス構造との対応を調べた. 特に可視部に吸収をもつ中心は非架橋酸素に絡むもので塩基度に依存して出現した. アルミナの2元系ホウ酸塩ガラスへの添加はアルミニウムイオンが非架橋酸素を消費して系内に溶けこむため, 結果的にはこの非架橋酸素に絡む吸収強度を低下させる. 2元系ホウ酸塩に溶けた塩化物イオンはX線照射によってCl2-中心を形成する. これによる吸収スペクトルの強度はガラス構造に大きく依存し, 酸性領域では強く, 塩基性領域では急激に低下した. このことより塩化物イオンは塩基性領域では非架橋酸素と無秩序に混合しているが, 酸性側つまり4配位ホウ素のみが形成される領域ではNaCl相に近いクラスター状のものとして網目構造に溶けこんでいることが推定された.
  • 若林 肇, 米田 誠士
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 405-409
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    3種のアルカリイオン, Na, KそしてCs, の間でイオン交換されたガラス中のアルカリ濃度を定量するための新しい方法を, エレクトロンマイクロプローブを用いて検討した. 定量補正は, アルカリの偽3成分系として取り扱われたBence-Albee法によって行われた. ガラスの分析の度に同一条件下で, イオン交換試料と標準試料を測定し, その結果から6個の補正係数, αを計算し, そして補正計算に用いた. 補正された濃度は, 濃度既知の標準試料と比較されて, 分析の良否を評価した. 注意深く分析されたときの定量精度は約2%以内で, 化学分析による精度と同程度であった.
    イオン交換ガラスに適用した分析結果は, 合理的な濃度分布を与え, それは, 多成分系の拡散律速過程を示唆するものであった.
  • 西野 忠
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 410-412
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 持田 統雄
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 413-415
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 井上 芳樹, 木村 敏夫, 山口 喬, 永田 邦裕, 岡崎 清
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 416-419
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 西沢 均, 手光 ハル子, 山崎 仲道
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 420-421
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 西沢 均
    1984 年 92 巻 1067 号 p. 422-423
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1067 号 p. A38-A42
    発行日: 1984/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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