窯業協會誌
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86 巻, 996 号
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  • 清水 紀夫, 柳田 博明, 橋本 甲四郎
    1978 年 86 巻 996 号 p. 339-344
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    チタン酸カリウム繊維は優れた熱的, 化学的性質が期待されている人工鉱物繊維である. しかし, 水熱合成や融剤法で作られているため価格が高い.
    そこで著者らはチタン酸カリウム繊維を低価格で作れる新しい混練-乾燥-焼成法 (KDC法) を開発した. この方法によれば既知のチタン酸カリウム繊維具外に二つの新しい相が得られた. それは “Fur-fiber” とX相水和チタン酸カリウム繊維である.
    ペレット上部に長い “Fur-fiber” が成長する興味深い現象が見出された. “Fur-fiber” は3時間で約7mm成長した. この “Fur-fiber” は粉末X線回折によれば非結晶質であり, 800℃, 1時間加熱すると結晶化して四チタン酸カリウムとなった.
    新しいチタン酸カリウム繊維であるX相は四チタン酸カリウムが水と反応することで得られる水和チタン酸カリウムである. このものは800℃, 1時間加熱することにより六チタン酸カリウムとなった.
  • 陶磁器素地と釉薬との適合性に関する研究, 第9報
    稲田 博
    1978 年 86 巻 996 号 p. 345-350
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    水簸により各種粒度に分級したケイ石を使用してビトリアスチャイナ素地を調製し, SK 12で締焼き後, 軟質釉をかけて釉焼きを行い, 釉応力と素地中の結晶量を測定した. その結果, 基礎調合Aではケイ石粒度が>20μmから3-6μmまでは, -500--800kg/cm2の満足すべき圧縮応力を示し, 大差なかったが, 粒度が1-3μm, <1μmと微細になるにつれ急激に圧縮応力を増し, -1200kg/cm2にもなった. ケイ石が細かくなると石英残存量がへるが, クリストバライトがこれを補うだけ生成するため, ほぼ同じ釉応力を示すが, ある限度以下 (1-3μm) に微細になるとクリストバライト生成量が急激に増加するのがその原因である.
    また基準配合Aにカオリン3%を添加した若干貫入抵抗性の小さい素地K'-3では, 短時間焼成 (SK 12RF, 42h) ではケイ石粒度が粗くなるほど釉圧縮応力大, 長時間焼成 (SK 13RF, 126h) ではケイ石粒度が細かくなるほど釉圧縮応力大, と逆の傾向を示した. これは, 細粒の長時間焼成ではクリストバライトの生成が著しいためとして説明することができる. このように, 粒度の影響は単純ではないが, 本報の方法によりその機構も含め的確に判断し得ることを知った.
  • 1978 年 86 巻 996 号 p. 350-351
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 86 巻 996 号 p. 351
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 速水 諒三, 岩佐 美喜男, 木下 実
    1978 年 86 巻 996 号 p. 352-359
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ホウ化ジルコニウム, ZrB2のホットプレス中のち密化及び焼結体の硬さに及ぼす圧力の効果について調べた. ホットプレスは黒鉛型を用い, 1600-2250℃, 最高1200kg/cm2の条件で行った. なお, 400kg/cm2以上の圧力でホットプレスする場合は高強度カーボンで作った型を用いた.
    ZrB2のち密化は圧力を増すことで促進され, この効果は2000℃付近の温度でのホットプレスで特に著しかった, 粉末が細かいほどち密化は速いが, 圧力効果については粗い粉末の場合により顕著であった. 95%密度を得るための圧力効果について実験式を得た.
    一般に高温, 高圧で作った試料ほど, すなわち高密度の試料ほどロックウェル硬さが大きかった. しかし高温であるが低い圧力でホットプレスして得られた試料の方が, 同じ密度である低温, 高圧力で得られた試料よりも硬さが大きいことが認められた. 2050℃又はそれ以上の温度で作られた相対密度が0.9以上の試料は85から88のロックウェル硬さを示した. このロックウェル硬さはマクロな硬さであって, 試料を形成している粒子の結合の強さを反映しているものと考えられる. 微構造の観察から試料中の気孔あるいは空げきは2000℃付近で丸味を増すことが認められた. したがってこのような高温で粒子間の結合が強固になるものと考えられる. これらのことから, 圧力は主としてち密化を促進することに効果があり, 一方温度は硬さを増すのに効果があると考えられる. したがって, 十分に焼結した, 硬さの大きいZrB2焼結体を得るためには, 高い圧力とともに2000℃以上の温度でホットプレスする必要がある.
  • 水野 正雄, 山田 豊章, 野口 哲男
    1978 年 86 巻 996 号 p. 359-364
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ヘリオスタット式太陽炉を用いて試料を溶融後急冷し, その冷却曲線から試料の凝固点を求め, Al2O3-Dy2O3系の液相線を決定した. 溶融後急冷した試料についてX線回折及び化学分析を行い生成相を調べた.
    ガーネット構造の3Dy2O3・5Al2O3, ペロブスカイト構造のDyAlO3及び単斜型の2Dy2O3・Al2O3の単一相は, 1600℃に加熱処理した試料と溶融後急冷した試料のいずれにも観察された.
    溶融後急冷して得られた3種の化合物の格子定数は, 3Dy2O3・5Al2O3: a0=12.034Å DyAlO3: a0=5.204Å, b0=5.308Å, c0=7.413Å 2Dy2O3・Al2O3: a0=7.403Å, b0=10.487Å, c0=11.143Å β=108.68°であった.
    これらの化合物は高温X線回析を行った結果, 結晶転移は認められず安定相である.
    3Dy2O3・5Al3O3, DyAlO3及び2Dy2O3・Al2O3の凝固点は, それぞれ1920±20℃, 2000±20℃及び1954±20℃であった.
    Al2O3-Dy2O3系における共晶点は, Dy2O3が18mol% (1760℃), 42mol% (1890℃), 60mol% (1920℃) 及び79mol% (1830℃) 組成で認められた.
    Dy2O3の冷却曲線は, 冷却の過程において凝固点と固相における構造変化を示す4個の発熱ピークが認められた.
    これらの結果から, Al2O3-Dy2O3系に対する高温平衡状態図を推定した.
  • 田中 英彦, 長谷川 安利, 猪股 吉三
    1978 年 86 巻 996 号 p. 365-368
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Si2ON2-Y2O3-Al2O3 3成分系において, 1400℃で現れる相関係について検討した. この系の混合物を, N2ふん囲気, 1740℃で10分間ホットプレスした後, N2ふん囲気で1400℃, 5時間焼鈍し, 反応生成物を粉末X線回折法により同定した.
    1400℃では, N(Y3AlSi2O7N2), Nss(YSiO2N-N固溶体), J(4Y2O3・SiO2・Si3N4), Jss (J-2 Y2O3・Al2O3固溶体), G(3Y2O3・5Al2O3), Ap(10 Y2O3・9SiO2・Si3N4), YAM(2Y2O3・Al2O3), Y2S(Y2O3・2SiO2) 及びβ-SN (Si3N4) が安定相として存在することを確かめた. G-N-YAM, N-G-Ap-β-SN及びG-Ap-β-SN-Y2Sは平衡関係にあると考えられる. J-YAMと同様に, YSiO2N-N間には固溶関係があり, NはYSiO2N-N固溶体間の固溶限界であることを示した.
  • 有岡 雅行, 小久保 正, 田代 仁
    1978 年 86 巻 996 号 p. 368-373
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    一致溶融するLi2O・2SiO2 (モル比) の組成の融液を, 底にLi2O・2SiO2ガラスセラミック薄層を種子結晶として敷いた粘土るつぼ中で, 底から上方に向け一方向に0.7, 1.3, 3.3, 6.7及び13mm/hの速度で凝固させた. 凝固速度が3.3mm/h以上の場合には, 凝固物は多数の円柱状気孔を含み, 気孔率は4%以上であった. この円柱状気孔は, 融液が凝固する際に, その中の溶解ガスが結晶-融液界面付近に濃縮し, 気泡となり, それが融液中を浮上する途中で, 成長する結晶に捕えられて形成されたと考えられる. 凝固速度が1.3mm/h以下の場合には, 凝固物中には円柱状気孔は残留せず, 柱状晶間に薄層状の空げきが存在するのが認められ, 凝固物の気孔率は凝固速度によらず約3%であった. この薄層状の空げきは凝固物が室温まで冷却される間に, 結晶の伸長方向 (c軸) に垂直なa軸とb軸方向の熱膨張差により形成されたものと考えられる.
  • 川本 貴道, 菊池 理一
    1978 年 86 巻 996 号 p. 374-377
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    熱処理する前にγ線の適量を照射したフォトクロミックガラスは照射しないガラスに比べて感光性を著しく増大させることが認められた. 熱処理過程でガラス中に形成される塩化銀の結晶の大きさはγ線の照射量が増大するにつれて小さくなり, 単位体積中の結晶の数は増えることが明らかになった.
    ガラス試料中の塩化銀結晶の大きさとその数はX線回折と電子顕微鏡で測定した.
    このγ線の照射効果については次のように説明される. すなわち, γ線照射によって塩化銀結晶の核が生成され, その後, 熱処理によってこの核が塩化銀結晶に成長するものと思われる.
    また, 光吸収スペクトルも測定され, その吸収ピーク波長はγ線の照射量に依存していることが分った.
  • 門間 英毅, 金澤 孝文
    1978 年 86 巻 996 号 p. 378-380
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 86 巻 996 号 p. A43-A50
    発行日: 1978/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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