窯業協會誌
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92 巻, 1063 号
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  • 中村 雅彦, 奥田 進, Peter P. HUDEC
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 105-111
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    天然材料の一種であるコンクリート用骨材の耐寒性の実用実績を間接的に高信頼度で評価するために, 著者の一人であるHudecによって統計的手法をもとに開発された評価法を用いて, 人工材料である建築用煉瓦に対する適用の可能性を検討した.
    本研究では, 凍害に関連が深いと考えられている材料の因子として, 吸水率, 飽和係数, 98%相対湿度条件下での水蒸気吸着率, 吸着及び吸水に伴う寸法変化率と気孔径分布を選んだ.
    これら諸特性因子と凍結融解による直接試験法による結果との相互間の相関係数を比較した結果, 建築用煉瓦の耐寒性の間接評価に対しては, 水蒸気吸着率が有効な因子であることが分った.
    気孔径分布と凍害損失率との相関係数を検討することにより, 著者らのうちの中村, 奥田による, 完全飽水した試料の1次元冷却条件下での凍害機構の考え方を支持する結果を得た.
  • 平尾 一之, 曽我 直弘
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 112-117
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ガラスの物性と構造の関係を求めるためにイオンポテンシャルを仮定してハロゲン化物ガラスの分子動力学計算を行った. 本研究では, 特にBeF2ガラスを中心にシミュレーションを行い, 熱的, 及び弾性的性質に関連する内部エネルギー, 比熱, 熱膨張係数, ガラス転移温度, 等温圧縮率, グリュナイゼンパラメーター, 及び赤外吸収スペクトルを算出し, 実験値と比較するとともに, 結合力がBeF2と少し異なるCaF2とZnCl2ガラスにも適用した. その結果, シミュレーションにより合成したガラスの物性値と実験値とはよく対応しており, 本質的な差は認められなかった. ただ, 物性値の中で, 圧縮率を求める際には, かなりのステップ数が必要であった. 以上より, 分子動力学法をハロゲン化物ガラスに適用することにより, 元素の違いによるガラスの物性及び構造の変化を予測することが可能であると思われた.
  • 島田 欣二, 福重 安雄, 平田 好洋, 末川 幸弘
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 118-125
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シラスガラス (74.22% SiO2, 13.16% Al2O3, 1.64% Fe2O3, 0.76% CaO, 0.53% MgO, 3.50% Na2O, 2.24% K2O) とカーボンブラックの混合物をアルゴン気流中 (≅50ml/min), あるいは真空中 (≅0.1mmHg), 1300°-1900℃に加熱した. シラスガラスのSiO2分は主にβ-SiC (3C) へ還元されるが, そのほかの成分はAl2O3に富むガラス相の形で残存しやすい. 高い反応温度ではこのガラス相の一部は蒸発する. 真空中, 1650℃以上の温度では, ガラス相が減少するために純度80%以上のSiC粉体が得られた. アルゴン気流中より真空中で生成する3Cの方が格子定数は大きく, 純度の高い3Cの格子定数は両者のほぼ中間に位置する.
    アルゴン気流中では3Cとともに2Hが1600°-1800℃の温度域で生成した. この2Hの生成温度は純度の高い2Hの安定領域 (<1400℃) より高い。 これらの結果は, 2Hと真空中で生成する3CにはシラスガラスのAl2O3分から供給されたAlが固溶していることを示唆している. SiC粒子の大部分は球状 (0.1-0.5μm) で, それらは単結晶である. この球状粒子とともに1-5μmの繊維状あるいは針状のSiCも生成した.
  • 平田 好洋, 末川 幸弘, 島田 欣二
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 126-134
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シラスガラスとカーボンブラックから合成したβ-SiC粉体 (平均粒径0.34μm) の2100℃までの常圧焼結と1900℃での加圧焼結をアルゴン雰囲気中で行った. 合成粉体は84.4%のSiCとAl2O3に富むガラス相からなる. 常圧焼結では原料粉体の不純物量が高いためと, 焼結体の重量減少が大きいために種々の焼結助剤を添加してもほとんどち密化は起こらなかった. 一方, 無添加とCを2%添加したSiC粉体は200kg/cm2, 1900℃, 30分の加圧焼結で, 原料粉体の密度 (3.32g/cm3) の85-90%までち密化した. Al (2%), B (2%), Al+C (2+2%), B+C (2+2%) 及びAl+B+C (2+2+2%) を添加した加圧焼結体の相対密度は93-95%であった. 加圧下では, SiC粉体に含まれるガラス相に基づく液相が粒子の再配列を著しく促進するためにち密化が起こりやすい. 加圧焼結体の室温強度と構成粒子の大きさ及び形状との間には密接な関係がある. BとB+C添加の試料の強度は35kg/mm2以下で, そのほかの試料では40-50kg/mm2であった. 加圧焼結体のビッカース硬度は相対密度の上昇とともに急激に高くなり, 相対密度97%で2090±150kg/mm2に達する.
  • 松尾 哲夫, 豊浦 茂, 河端 則次
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 135-139
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ピン-円板型単粒摩擦実験によってSUJ 2, 超硬合金, 焼結アルミナなど6種類の金属系及びセラミックス系硬質材料に対する超砥粒 (ダイヤモンド, CBN) の摩擦特性を調べた. 荷重は通常2.5Nとし, 摩擦速度は5-20m/sとした. 得られた結果は次のようである。
    A, C研磨材では0.4-0.5 (時には0.9) の高い摩擦係数 (定常域) を示し, また高速化に伴い低下する. これに対し, ダイヤモンド研磨材では0.06-0.15とかなり低い値を示し, 摩擦速度の影響もほとんどない. ただし, 超硬合金, フェライト円板ではD研磨材もA研磨材に近い摩擦係数 (0.3-0.4) を示す. また, CBN研磨材の摩擦係数はA, C研磨材に比べると多少低いが, D研磨材のそれに比べるとはるかに高い.
  • 西田 俊彦, 吹擧 昌宏, 西川 友三
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 140-145
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頂角60°, 90°並びに120°のシェブロンノッチを導入したソーダ・石灰ガラス試片を3点曲げ法で破壊した. 破壊試験は一定変位条件下で, 大気中, 乾燥空気中, 並びに減圧大気中で行った. そしてそのときの安定破壊の荷重緩和曲線をコンプライアンス法で解析しKI-Vの関係を得た.
    この試験法の長所としては (a) 試片の形状が単純で小形でよい, (b) プレクラックの作業が不要である, (c) 破壊方式が単純なので雰囲気制御がしやすい, などが挙げられる. それゆえ, この試験法は, セラミックスのようなぜい性材料の臨界応力未満でのき裂成長を評価するために有効であろうと考えられた.
  • 細見 暁
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 146-149
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    金属Co中に黒鉛を分散させた過共晶Co-C合金を高圧力下においてC-Coの共融温度以下の温度に加熱し, 固相反応によって生成したダイヤモンドを回収した. これらのダイヤモンドは数μm以下の微結晶で単独又は集合した状態であった.
  • 山崎 仲道, 西岡 守, 柳沢 和道, 叶原 悟司
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 150-152
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 大門 啓志, 加藤 悦朗
    1984 年 92 巻 1063 号 p. 153-155
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 92 巻 1063 号 p. A14-A18
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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