シラスガラス (74.22% SiO
2, 13.16% Al
2O
3, 1.64% Fe
2O
3, 0.76% CaO, 0.53% MgO, 3.50% Na
2O, 2.24% K
2O) とカーボンブラックの混合物をアルゴン気流中 (≅50ml/min), あるいは真空中 (≅0.1mmHg), 1300°-1900℃に加熱した. シラスガラスのSiO
2分は主にβ-SiC (3C) へ還元されるが, そのほかの成分はAl
2O
3に富むガラス相の形で残存しやすい. 高い反応温度ではこのガラス相の一部は蒸発する. 真空中, 1650℃以上の温度では, ガラス相が減少するために純度80%以上のSiC粉体が得られた. アルゴン気流中より真空中で生成する3Cの方が格子定数は大きく, 純度の高い3Cの格子定数は両者のほぼ中間に位置する.
アルゴン気流中では3Cとともに2Hが1600°-1800℃の温度域で生成した. この2Hの生成温度は純度の高い2Hの安定領域 (<1400℃) より高い。 これらの結果は, 2Hと真空中で生成する3CにはシラスガラスのAl
2O
3分から供給されたAlが固溶していることを示唆している. SiC粒子の大部分は球状 (0.1-0.5μm) で, それらは単結晶である. この球状粒子とともに1-5μmの繊維状あるいは針状のSiCも生成した.
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