窯業協會誌
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90 巻, 1048 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉田 直次郎, 福永 二郎, 井原 将昌
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 683-690
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究はガラス原料用ケイ砂の性質とガラスストーンとの関係を追求したものである. 本研究に用いたケイ砂は砂丘型及び花コウ岩砂型の鉱床から供給され, それぞれK社及びS社の茶地素地びんガラス用の原料として使用されている. ガラスストーンはこの両社から提供された.
    ケイ砂鉱床の淘汰の程度は構成粒子の形状に影響し, 砂丘型鉱床に含まれている重鉱物は, 花コウ岩砂型鉱床中のものより球形で大型のものを多く含んでいた. この相異点がガラス製品中に発生するガラスストーンに現れ, 砂丘型のケイ砂を原料とするK社では紅柱石ストーン及び特殊な形態を示す鋼玉ストーンが多く発生している. これらのガラスストーンはケイ砂中の重鉱物に起因することが確認され, その発生量は全ガラスストーンの15%に達している.
  • 袴塚 康治, 土谷 敏雄, 米田 登
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 690-697
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    V2O5を多量に含む結晶化ガラスにおいて, 大きな誘電緩和が観察された. 結晶化ガラス70V2O5・30P2O5で見いだされた主な結晶は, V2O5結晶であった. このV2O5結晶が誘電緩和を大きくすることに関係していると考えられた. その原因を明らかにするために結晶化ガラスと二つの異なる方法で得られたV2O5多結晶体の誘電特性を比較検討した.
    結晶化ガラスの誘電率 (ε′) は, 同じ組成のガラスに比べて2-3倍大きな値を示した. 焼結体及び配向性多結晶体は, 大きな誘電分散を示し, 620℃で5時間焼結した試料の静的誘電率は1000の値を示した. V2O5多結晶体の誘電率は, 焼結温度とともに変化し, 配向性試料では結晶軸の方向とともに変化した.
    得られた結果について, 2層誘電体からなる等価回路モデルを用いて解析した. このモデルを用いて計算した結果, 電場方向に対して垂直に配向した試料のε′とσは, それぞれ63と7.06×10-4(mho/cm) の値を示した. この試料のσは, V2O5単結晶のb軸の値にほぼ等しい値を示した. 一方, 結晶粒界のσは, 6.06×10-7(mho/cm) と求まり, アモルファスV2O5の値にほぼ等しい結果となった. V2O5焼結体中の結晶のε′は, 10-13であった. 結晶粒界層のε′は, 焼結温度の上昇とともに増加した. 焼結した試料のε′の変化は, 結晶粒界の厚みに関係していることが明らかとなった. 結晶化ガラスにおいて, 析出したV2O5結晶のε′は, 焼結したV2O5多結晶体中のV2O5結晶のε′にほぼ等しい値を示した. 結晶化ガラスにおいて, 結晶粒界に相当する厚みは, 焼結体よりも大であった. 焼結体及び結晶化ガラスの誘電率は, V2O5結晶の性質だけでなく, V2O5結晶間の結晶粒界の性質によって影響されることが示唆された. 2層誘電体モデルによる解析の結果, 結晶化ガラスの大きな誘電分散は, V2O5結晶の特定な結晶軸方向による寄与ではなく, 低伝導マトリックスと高伝導性結晶 (V2O5) 間の界面分極の効果に基づくと推論された.
  • 小久保 正, 平田 俊夫
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 698-703
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    NaO0.5-AlO1.5-TiO2及びBaO-AlO1.5-TiO2 3成分系並びにNaO0.5-BaO-AlO1.5-TiO2 4成分系の種々の組成のガラスは, 加熱処理前にはフォトクロミズムを示さなかったが, 700°-950℃に加熱処理すると半透明-不透明な状態でフォトクロミズムを示すようになった. 上記4成分系の組成の一つにZnOあるいはFeO1.5を少量添加すると, ガラス加熱処理試料の暗化度が大きくなり, ZnOを含む場合には, 透明な状態でもフォトクロミズムを示すようになった. しかし, 同じ4成分系の組成にCeO2を添加すると, ガラス加熱処理試料はフォトクロミズムを示さなくなった. フォトクロミズムを示す試料表面には, いずれの場合も, JCPDSファイルで同定できない特定の結晶相が析出していた. この結晶相は, これを析出した加熱試料の粉末X線回折図の指数付け及びけい光X線分折により, ほとんどTiO2だけからなる立方晶系の結晶であると推定された. これらの結果より, 上記ガラス加熱処理試料のフォトクロミズムは, 上記結晶中の不純物に関係した格子欠陥によって生じたと考えた.
  • 尾坂 明義, 高橋 克明
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 703-709
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルカリケイ酸塩系ガラス (0<R2O<33.3mol%) の分子容の加成性についてSiO4/2及びROSiO3/2原子団を構成要素として検討した. これらはSi-O-Si及びSi-OR・RO-Si結合で構成されるクリストバライト型のかご骨格によって近似された. かご骨格は各要素に付随する空げき部分をも表している. この骨格の占める容積を球で近似し, ランダムな2種の球の充てん実験に基づいてガラスの分子容を算出したところ, 実測値が示した加成性からのずれを極めてよく再現することができた. 更に骨格構造モデルに従って, 架橋結合部及び非架橋結合部でのSi-Si距離を見積もった. その結果, 非架橋部では, Rb及びCsガラスにおいて2個のSiと2個のO原子は一直線上に配置されていること, Li, Na及びKガラスでは非架橋酸素はSiとSiとを結ぶ直線より遠ざかる位置にあることが示唆された.
  • 張 中太, 河本 邦仁, 柳田 博明
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 709-714
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    改良ドクターブレード法によるBaBi4Ti4O15セラミックス厚膜の誘電的性質に対する粒子配向効果を調べ, 普通焼結試料と性質を比べた. 粒子配向の評価について, 張の提案したf=(Whklt-1)P0/(1-P0) を詳しく検討し, 配向率Fを定義した. X線回折図による各結晶面の配向率Fを計算し, 比誘電率, 誘電損tanδと配向率の相関性を検討した. 厚膜では, (008), (0010) などのc軸と垂直か垂直に近い面の回折強度は無配向試料より増し, F>0となり, (020) などのc軸と平行か平行に近い面の回折強度は減少し, F<0となる. 厚膜の比誘電率εs(M. F.) は普通試料の比誘電率εs[O. F.] より小さく, この傾向は高温まで保たれることが観察された. したがって, c軸方向の誘電率が小さく, a軸, b軸方向が大きいと言える.
  • 江畑 儀弘, 木下 実
    1982 年 90 巻 1048 号 p. 714-716
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1048 号 p. 716a
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1048 号 p. 716b
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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