28.7Na
2O・71.3B
2O
3系ガラス融液におけるNi, Co, Pbなどの単一原子価イオン及びCe, Fe, Crなどの多原子価イオン (redoxイオン) の白金電極における還元反応をクロノポテンショメトリーで調べた. 種々のイオンについて電極反応を決定するとともに電極反応が可逆なものについては, 四分波電位を求め, 790℃における電気化学列を作成した. 電気化学列より算出した2種のイオン対間の反応の平衡定数のうち, Ce
4++Fe
2+〓Ce
3++Fe
3+の値は57であった. この値は化学分析によって決定した値より若干小さいが, 反応の進行方向は一致した.
Ni
2+, Co
2+及びCd
2+イオンは2電子還元反応を行い, 可逆系であることが判明した. Pb
2+イオンは2電子還元反応を行うが, 生成したPbは電極に析出する. 一方, Ce
4+及びFe
3+イオンは1電子反応の第1段反応を行い, 次いでFe
2+イオンの場合, 金属状Feまでの還元が観察された. Cr
6+イオンも2段階の還元反応を行うが, 両方とも非可逆であった. Sn
4+イオンは低温では, 吸着現象による波形が現れたのち, Sn
4+→Snの反応に移る.
抄録全体を表示