窯業協會誌
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87 巻, 1004 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 岸井 貫
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 173-176
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ステインされたガラスは濃く着色した表面層を持ち, また表面の圧縮応力が小さいため, カリでイオン交換された化学強化ガラスに比べて, 次のような特異性を示した.
    (1) 表面層内の巨視的な距離を光が伝ぱすることができない.
    (2) 多重反射によるモードの選択がないため, 伝ぱモードの実効屈折率分布は鋭くない.
    (3) TE, TM波間の実効屈折率分布の差は非常に小さいか, あるいは検知できないくらいであった.
  • 市古 忠利
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 176-182
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ボーンチャイナ素地にアルミナを添加した場合の素地の焼成過程, 物性, 結晶相に対する添加の影響を考察した. 素地の焼成過程は微構造的に検討した. 更に焼成素地についてかさ比重, 弾性率, 抗折強度, 膨張係数, 熱伝導率, 電気的特性, 結晶相の関係を検討した.
    アルミナを添加した場合, アルミナの一部は素地中のリン酸成分と反応してAlPO4を生成し, また一部は溶液相へ溶け, 更に一部はコランダムとして晶出した. AlPO4は固相反応と再結晶により生成した. 温度上昇に伴う液相の発達はアルミナ質素地の方が石英質素地より遅かった. 素地におけるアルミナの添加量の増加に伴い, 熱伝導率と抗折強度は増大し, 膨張係数は減小した. その結果, ボーンチャイナ素地において, 石英をアルミナで置換することにより熱衝撃抵抗性が増加することを認めた.
  • 有岡 雅行, 小久保 正, 田代 仁
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 182-188
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Li2O・2SiO2組成及びこの組成100molに対し, 3molのB2O3, Na2O, MgO, Al2O3, SiO2あるいはP2O5を添加した組成の融液を一方向凝固することにより得られた凝固物の結晶伸長方向 (//方向) 及びそれに直角な方向 (⊥方向) の熱膨張, 音波伝ぱ速度及び圧縮強度を測定し, 次の結果を得た. //方向の熱膨張は, いずれの凝固物の場合も, Li2O・2SiO2単結晶のc軸方向のそれに近かった. しかし, ⊥方向の熱膨張は, Li2O・2SiO2単結晶のa軸及びb軸方向の熱膨張から算出される値からずれ, 試料によって異なった. //方向の音波 (12MHzの縦波) 伝ぱ速度は, いずれの凝固物の場合も約7.2km/sのほぼ一定値を示したが, ⊥方向の音波伝ぱ速度は, 凝固物の気孔率が増加するにしたがい著しく減小した. //方向の圧縮強度は, 気孔率の増加により余り減小しないが, ⊥方向の圧縮強度 (s) は凝固物の気孔率 (p) の増加に伴い, s∝exp (-25p) に従って著しく減小した. これらの性質は, これらの凝固物中では, c軸方向に伸長したLi2O・2SiO2柱状晶が伸長方向には別の相を含まず連続しているが, それに直角な方向には柱状晶に平行にガラス相, 他の結晶相及び気孔などをはさんでいることにより説明できる.
  • 三浦 嘉也, 高橋 克明
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 189-197
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    28.7Na2O・71.3B2O3系ガラス融液におけるNi, Co, Pbなどの単一原子価イオン及びCe, Fe, Crなどの多原子価イオン (redoxイオン) の白金電極における還元反応をクロノポテンショメトリーで調べた. 種々のイオンについて電極反応を決定するとともに電極反応が可逆なものについては, 四分波電位を求め, 790℃における電気化学列を作成した. 電気化学列より算出した2種のイオン対間の反応の平衡定数のうち, Ce4++Fe2+〓Ce3++Fe3+の値は57であった. この値は化学分析によって決定した値より若干小さいが, 反応の進行方向は一致した.
    Ni2+, Co2+及びCd2+イオンは2電子還元反応を行い, 可逆系であることが判明した. Pb2+イオンは2電子還元反応を行うが, 生成したPbは電極に析出する. 一方, Ce4+及びFe3+イオンは1電子反応の第1段反応を行い, 次いでFe2+イオンの場合, 金属状Feまでの還元が観察された. Cr6+イオンも2段階の還元反応を行うが, 両方とも非可逆であった. Sn4+イオンは低温では, 吸着現象による波形が現れたのち, Sn4+→Snの反応に移る.
  • 杉村 隆, 大里 斉, 山口 洋之
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 198-204
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    重量比にて10:1の3NaF・AlF3とTiO2の混合物を溶融したのち徐冷することにより, るつぼ底に粒状ブロンズの集合体が生じた.
    著者らはユニバーサルステージを用いてNa2O・Al2O3・10TiO2なる結晶の光学的方位を測定した. 他の若干の光学的データは次のとおりである.
    (+) 2V=57°, α=2.25, β=2.35, γ=2.50
    多分, 傾斜分散 (ρ<v) が存在する.
    底面はひずんだ六角形であるが単斜の本質は容易に判明する. 普通 (001) で双晶している.
    同じ混合物から晶出したブロンズの化学組成は冷却開始温度により変わる.
    1400℃以上ではブロンズはルチル, Na2O・5TiO2及び未知の結晶に変化する. この時走査型電子顕微鏡にてルチルの錐面を見いだすことができた.
  • 大塚 淳, 小杉 理
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 204-216
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    新しいスピネル顔料開発の一環として, CoO-MgO-Cr2O3-Fe2O3-TiO2系につき, そのスピネル固溶体の生成と色調, 及びその陶磁器への適用を検討するために, 本実験を計画した. 各試料は, それぞれ酸化物を用い, 湿式で混合後, 1400℃で焼成した. X線分析の結果, 各試料は, 単一スピネルであることが分った. 色調は, CoOを含まない系で, 茶及びオリーブ系の呈色, CoOを含む系では, 青緑及び暗い灰系の深い呈色が得られた. また, 色釉試験の結果から, 従来から使用されている石灰亜鉛釉及び石灰釉で, CoOを含まない系で, オリーブ及び茶の呈色, CoOを含む系では, 青緑及び暗い灰系の光沢のある深い呈色が得られた. 以上の実験結果から, CoO-MgO-Cr2O3-Fe2O3-TiO2系スピネル固溶体は, 陶磁器用顔料として, 十分に応用できることが分った.
  • 西川 友三, 岡本 泰則, 内田 陽造, 榎本 茂樹
    1979 年 87 巻 1004 号 p. 217-221
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    密度99%, 平均粒径15-50μmnのNi0.5Zn0.5Fe2O4焼結体に対して, 一定温度 (1200°-1400℃), 一定応力 (160-500kg/cm2) で圧縮変形を行い, 全ひずみ (εt) に対する粒界すべりによるひずみ (εgbs) の割合 (γ=εgbst) をマーカー線法によって求めた.
    1250℃, 170kg/cm2の変形条件下で, 粒径21μmの試料のεt, εgbsは時間とともに増加したが, γの値は時間, すなわちεtに対してほぼ一定であった.
    同一粒径の試料で, 粒界の三重点に少しの気孔を持つ試料は, よりち密なものに比べてやや大きなγの値を示した. また, 同一粒径・温度の場合, 予想に反してより小さな応力, すなわちより遅い変形速度で変形させた方がγの値が小さくなる傾向が見られた.
    用いたすべての実験条件下で, 15-30μmの粒径範囲においては, γの値は粒径の増加とともに減少する傾向を示した. 粒径が大きくなり50μm程度になると, 変形に高温度, 高応力を要することから平行して生じるさまざまの現象 (転位の動き, 粒界のmigrationやcorrugationなど) のために, 粒界すべりによるひずみ (εgbs) を測定することが困難であった.
  • 1979 年 87 巻 1004 号 p. A24-A30
    発行日: 1979/04/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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