GeO
2=100-25mol%の組成域のGeO
2-Na
2O系融液を
Q1=1.0×10
-1-
Q7=10
5K/sの範囲の種々の冷却速度で液相温度以上の温度から
Tg以下の温度まで冷却することにより, ガラス化領域を決定した. 冷却速度に応じて, 三つのガラス化領域が存在した. 臨界冷却速度の逆数-log
Q対GeO
2濃度曲線はGeO
2=90, 72及び35mol%付近で極大となり, 80及び50mol%で極小となった. 液相粘度はGeO
2=100mol%で最大であるが, 92及び65mol%の組成で極大, 78mol%で極小であった. こう配パラメーター (
Eη/
TL) もGeO
2=100mol%で最大であり, 92及び65mol%の組成で極大, 78mol%で極小であった. Fulcher型粘度式の定数
T0と液相温度
TLの比
T0/
TLはGeO
2=100-98mol%で0-0.1の小さい値となったが, 98mol%以下の組成では0.5±0.1の一定値であった. 粘度因子 (液相粘度, こう配パラメーター,
T0/
TL) と臨界冷却速度の組成依存性を比較し, これらのデータから, 構造因子 (流動単位当たりの融解エントロピー
ΔSf) の値を概算し, 流動単位の大きさを推定した. GeO
2=100-99mol%組成は異常に失透傾向が高いことが判明した. これは, 酸素欠陥を含むGeO
2の非化学量論性に基づく不均一核生成に原因があるのではないかと想像された.
抄録全体を表示