α-Si
3N
4, AlN及びα-Al
2O
3を出発原料として, 熱間加圧焼結法により製造したSi
6-zAl
zO
zN
8-zの
z=3近傍組成のβ-サイアロン焼結体の室温及び1400℃における曲げ強度の測定及び破断面の観察を行い次の結果を得た.
(1)
z=3単相領域より酸素を多く含むβ-サイアロン焼結体中の結晶相は, β-サイアロンと少量のX相であり, 室温における曲げ強度は約26kg/mm
2であった.
(2)
z=3単相がそれより窒素を多く含む側に出発原料の組成が移行するにつれて, β-サイアロン中の結晶相は, β-サイアロン単相からβ-サイアロン+少量の15R-AlN相へと移行した. β-サイアロン単相及びβ-サイアロン+15R-AlN相からなる焼結体の室温における曲げ強度は, 30-35kg/mm
2であり, β-サイアロン+X相からなる焼結体と比較し, 約30%の増加があった.
(3)
z=3近傍組成のβ-サイアロン焼結体の1400℃における曲げ強度は, いずれも室温強度の約90-95%にあり, 高温における強度の低下は少ない.
(4) 各焼結体とも, 破壊の発生源として, 焼結体内の黒い斑点の存在が認められた.
(5) 焼結体の破断面の微構造は, いずれも粒内破断が支配的であるが, 室温ではβ-サイアロン単相組成より酸素を多く含む組成をもつ焼結体に, また, 室温破断試片より1400℃破断試片に, 粒界破壊の部分が多く見受けられた.
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