症例は57歳の男性で,下部直腸癌に対して腹腔鏡下直腸切断術を施行した.病理組織検査で粘液癌の診断であったことから術後ハイリスク群と判断し術後補助化学療法を施行した.術後8カ月経過時,会陰部の膨隆と端坐位困難を主訴に受診した.会陰部に手拳大の膨隆を認め,腹部CTで骨盤底からの小腸の脱出を認めた.続発性会陰ヘルニアと診断し,経会陰アプローチにてULTRAPRO
®PLUGおよびULTRAPRO
®MESHを用いてヘルニア根治術を施行した.経過は良好で術後4日目に退院した.現在,術後1年7カ月が経過したが再発は認めていない.続発性会陰ヘルニアはまれな疾患であり,本邦でも報告例は少ない.発症機序や手術方法,報告例などに対して文献的考察を加えて本症例を報告する.
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