フラット・ダイラトメーター試験 (DMT) は, 北アメリカ・ヨーロッパを中心に最近よく使われている. DMTは, その迅速性, 試験結果の再現性・信頼性, 経済性等の面から原位置試験としての評価はかなり高い. 試験結果としては, 得られたDMTインデックス (
ID,
KD,
ED) を基に, 多くの地盤情報が推定できることが報告されている.
本研究では, DMT結果に基づいたMARCHETTIおよび亀井・岩崎による地盤情報に関する推定式の松江平野完新世堆積物の地盤工学的性質に対する適用性を検討している. ここでは代表例として土質分類, 一軸圧縮強さ, 変形係数, 過圧密比を取り上げ, DMT試験結果と室内土質試験結果との比較検討を行っている.
結果として, DMTはその試験装置自体が頑丈であり, 操作も極めて簡単で, 試験時間が短く, 得られた試験結果の再現性も極めて高い. また, 1回の試験で他の原位置試験よりもはるかに多くの地盤情報が得られ, その得られた地盤情報の信頼性も高い. 以上のことから, DMTは今後日本においても有用な原位置試験の一つとなる可能性を示唆した.
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