1985年1月~91年10月までに東京女子医科大学口腔外科にて施行された口腔顎顔面再建18例について検討し, 以下の結果が得られた。
1.性別では, 男性11例, 女性7例 (男女比1.57: 1) で, 初診時年齢は25~82歳で平均年齢52.8歳であった。
2.全例即時再建例で, 術前放射線療法あるいは化学療法が併用されたものが14例であった。
3.原疾患は, 扁平上皮癌14例, 脂肪肉腫1例, 横紋筋肉腫1例, 悪性エナメル上皮腫1例, エナメル上皮腫1例であった。
4.部位別では, 軟組織のみの再建11例, 下顎骨のみの再建6例, 下顎骨および軟組織の再建4例であった。
5.軟組織のみの再建は, D-P皮弁4例, 頸部島状皮弁1例, 前腕皮弁2例が完全に生着した。
6.下顎骨の再建は, 腸骨使用例1例, 血管柄付肩甲骨皮弁1例が, 軟組織を含む再建では, 血管柄付肩甲骨皮弁1例が完全に生着した。
7.軟組織の再建は, 部位・範囲など考慮すれば, 有茎・遊離皮弁ともに良好な成績が得られるが, 下顎骨および軟組織を含む比較的大きな欠損には, 血管柄付遊離骨皮弁が有用と思われた。
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