日本口腔腫瘍学会誌
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17 巻, 4 号
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  • ―術式の変遷とその適用―
    野間 弘康
    2005 年 17 巻 4 号 p. 217-231
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌患者における頸部リンパ節転移は予後を左右する最も重要な因子で, 臨床家にとって大きな課題である。Criieによってシステム化され, Martinらによって一般化された根治的頸部郭清術は長年にわたって頸部リンパ節転移に対する唯一の外科的な選択肢であった。しかしながら根治的頸部郭清術後の機能的ならびに形態的障害があまりにも大きなことから, 副神経, 内頸静脈, 胸鎖乳突筋の三者を温存する機能的頸部郭清術や転移の予想されるリンパ節群のみを郭清する選択的頸部郭清術が開発され, 頸部リンパ節転移に対する外科的な選択肢が拡がった。現在これらの術式は頸部リンパ節転移の状況に応じて使い分けられている。
    口腔癌と咽喉癌の頸部リンパ節転移には部分的に大きな違いがある。したがって口腔癌の頸部リンパ節転移に対する頸部郭清術式は郭清範囲や手術の手順に独特なものがある。口腔癌を対象とした根治的頸部郭清術機能的全頸部郭清術選択的頸部郭清術として肩甲舌骨筋上郭清術の術式について図説する。
  • 小松原 秀紀, 梅田 正博, 南川 勉, 尾島 泰公, 柳田 恵, 重田 崇至, 渋谷 恭之, 横尾 聡, 古森 孝英
    2005 年 17 巻 4 号 p. 232-238
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔癌患者の予後向上のためには局所腫瘍だけではなく遠隔転移の制御が重要であるが, 転移の成立時期について検討した報告は少ない。今回経時的に転移巣のX線検査が施行できた3例の口腔扁平上皮癌患者において, 転移巣のダブリングタイム (TDT) と転移成立時期について検討した。
    症例1は頬粘膜癌で, 放射線治療を受けたが再発, 手術と化学療法を行ったが肺転移を生じた。化学療法効果はNCであった。転移巣のTDTは27日で, 転移成立時期は再発腫瘍に対し化学療法と手術を施行した時期と推測された。
    症例2は舌癌で, 術前化学療法+手術+術後照射が施行されたが, 全身転移を生じた。化学療法効果はNCであった。転移巣のTDTは75日で, 初診時より以前にすでに転移が成立していたものと推測された。
    症例3は下顎骨中心性癌で, 術前化学療法+手術+術後照射が施行されたが局所再発を認めた。化学療法効果はPDであった。再手術により局所は制御されたが肺転移を生じた。転移巣のTDTは17日で, 転移成立時期は術前化学療法を施行した時期と推測された。
    口腔癌に対する化学療法の適切な施行時期を検討するためにも, 遠隔転移の発生時期を推測することは重要である。症例数が少なく明確な結論を導くことはできないが, 今後さらに検討を行いたい。
  • 喫煙対策小委員会
    2005 年 17 巻 4 号 p. 239-246
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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