日本口腔腫瘍学会誌
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19 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 田中 陽一
    2007 年 19 巻 4 号 p. 189
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 関根 浄治
    2007 年 19 巻 4 号 p. 190-194
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔病変のほとんどは生検術が容易であることなどから細胞診が病理組織診断に取って代わることができ難い面もあるが, 近年口腔細胞診断技術の進歩により, 種々の口腔病変の細胞診断基準が確立されつつある。
    口腔細胞診においてまず判断すべき点は炎症か腫瘍かの鑑別である。次いで悪性所見の有無を判定するわけであるが, 口腔という特殊環境下では炎症や細菌の影響を受けた細胞像の判定に難渋することがある。一方, 唾液腺腫瘍の細胞診においては, 良悪の判定が困難な場合もある。
    本稿では, 口腔細胞診で何がわかるか?今後どのように応用するか?について口腔外科医の立場から述べるとともに, 術中細胞診の応用や核異型度解析による口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移の予測法について概説する。
    口腔外科医の立場からは, 1) 細胞診の精度の向上, 2) 各種口腔疾患の細胞診断基準の確立, 3) 微小検体を用いた分子生物学的解析などを今後の細胞診に期待したい。
  • 佐藤 一道, 山根 源之, 田中 陽一
    2007 年 19 巻 4 号 p. 195-200
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今回, 口腔擦過細胞診におけるLiquid Based Cytologyの有用性と問題点をThin Prepを用い検討を行った。結果, 問題点としてはコストと時間, 保存液の保管場所が挙げられた。一方, 有用性としては以下の点が挙げられた。1.観察に十分な細胞が得られる。2.乾燥や塗沫操作による質の低下がない。3.口腔粘膜は出血しやすい環境にあるが, その出血等による不明領域を作らない。4.壊死組織等の癌背景やカンジダのような癌関連所見も完全には溶解されず, 観察が可能である。5.外向性の発育様式を示すタイプの腫瘍でも深層の細胞が採取されやすい。6.細胞の重積が少なく形態学的解析, 免疫組織化学染色, 分子生物学的解析への応用に有用である。このようにLiquid Based Cytologyは前述した問題点を上回る有用性の高いシステムであると考えられた。
  • 久山 佳代, 山本 浩嗣
    2007 年 19 巻 4 号 p. 201-205
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    細胞診は患者に対する外科的侵襲が乏しく, 安価で, 繰り返し検査が可能であるため, 非常に有用性の高いスクリーニング方法である。日本大学松戸歯学部口腔病理学講座では1988年より口腔細胞診を導入し, 合計約8, 800件の診断を経験してきた。そこで今回, 細胞診検体を解析しその内訳および正診率を報告する。悪性腫瘍 (Class V) に対する正診率は93.5%と非常に高く, 口腔癌検診の補助的手法としての有用性の高さが明らかとなった。偽陽性に関わる要因はカンジダ感染, 白斑および潰瘍形成が, 偽陰性に関わる要因は白色隆起性病変が挙げられた。口腔癌検診を取り入れる開業歯科医師が増加することを期待するが, 既述の病態観察や十分な細胞採取などの要点を忘れてはならない。
  • 石橋 浩晃, 川野 真太郎, 窪田 泰孝, 中村 誠司, 白砂 兼光
    2007 年 19 巻 4 号 p. 206-210
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    われわれは, 従来から頭頸部病変の病理診断に針生検を応用した症例を蓄積してきたので, その概要を報告する。1999年以降に当講座にて針生検を施行し, その後の手術等により最終診断が確定された87症例について検索した。針生検の採取部位は頸部 (リンパ節を含む) が27例, 耳下腺が18例, 顎下腺が12例, 次いで顔面皮下, 口蓋, 口唇などであった。最終診断により病変を分類すると唾液腺良性腫瘍が37例と最も多く, 次いで転移性癌 (16例) , 非特異性炎 (14症例) , 唾液腺悪性腫瘍 (11症例) , 悪性リンパ腫 (10例) などであった。針生検による術前組織診断が最終組織診断と適合した症例は71例 (81.6%) であった。最終診断と適合しなかった症例は特異性炎や転移性癌が多かった。術後合併症は頸部に広範囲の血腫を形成した1例があったが, その他には術後出血や神経障害が出現した症例はなかった。また, 最終手術組織の病理組織学的所見にて, 針生検に起因すると思われる腫瘍細胞の播種や皮膜の断裂を認めた症例はなかった。針生検は頭頸部疾患の深在性腫瘤に関する術前病理組織診断および遺伝子診断に有効かつ安全な方法であると思われた。
  • 立川 哲彦, 入江 太朗, 山本 剛, 松永 拓, 磯部 友秀
    2007 年 19 巻 4 号 p. 211-220
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    疾病による組織病変は細胞集団の中で, 著しい多様性がみられる。この多様性の解明にmorphological genomicsの解析が重要となる。morphological genomicsの解析法の一つである, レーザーマイクロダイセクション法は凍結組織切片中の標的微少細胞を回収し, 回収標的細胞からRNAを抽出し, 標的少数細胞から品質の高いRNAが抽出できる方法である。この方法を用いて標的微少細胞の遺伝子解析, タンパク発現解析が可能となった。また, 細胞診からドットマイクロダイセクションを行い, 標的細胞を回収し, 約40個以上の細胞から品質の高いRNAを得ることが可能となった。細胞診におけるダイセクションの応用例として, 100個の細胞からRNAを抽出し, 抗がん剤感受性規定遺伝子を解析した。
  • 佐藤 春樹, 藤原 成祥, 藤井 仁, 小南 理美, 阿部 友亮, 梅村 昌宏, 大岩 伊知郎
    2007 年 19 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    中心性巨細胞肉芽腫は, 顎骨に生じ, 強い局所浸潤性により骨破壊を呈する病変である。今回われわれは, 下顎骨に生じた中心性巨細胞肉芽腫の1例を経験したので報告する。
    症例は40歳代の男性。2006年5月頃より下顎前歯部の無痛性腫脹を自覚し放置していたが, 腫脹が徐々に増大したため, 当科を受診した。初診時, 口腔粘膜表面は正常であったが, 左下顎臼歯部に圧痛を伴う膨隆を認め, 羊皮紙様感を呈していた。頸部リンパ節に異常所見はなく, また下唇の知覚麻痺も認めなかった。X線CT写真では左下顎骨に境界明瞭な多房性病変を認め, 病変周囲は強い膨隆により菲薄化を示し, 内部には骨破壊像を認めた。
    臨床的には, 歯原性粘液腫もしくはエナメル上皮腫を疑い, 組織生検を行った。生検結果では結合組織を主体とする検体で, 歯原性上皮は確認されず, サンプリングエラーを考慮して, 臨床所見からエナメル上皮腫を疑い, 全身麻酔下に腫瘍摘出術を行った。摘出標本では, 腫瘍実質は弾性軟割面は暗赤色充実性の肉芽組織様病変であった。
    病理組織学的には出血巣を伴う結合組織塊であり, 多数個の核を有する多核巨細胞により構成されていた。細胞異型や核分裂は認めず, 中心性巨細胞肉芽腫の所見を得た。
    術後約11か月が経過しているが, 局所再発は認めていない。
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