日本口腔腫瘍学会誌
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16 巻 , 2 号
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  • 藤林 孝司
    2004 年 16 巻 2 号 p. 35-48
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    下顎歯肉癌におけるT分類はT4の基準に問題があり解釈が分かれるところであった。日本口腔腫瘍学会ではこの問題に対して1993年第11回総会でワークショップを持ち, その後数年におよぶ検討をおこなった結果から下顎管分類がもっとも妥当であると結論された。その際に賛同がえられた全国24施設から下顎歯肉癌として登録された1187症例をもとに, それら症例の詳細について統計学的に分析した。登録症例の治療法, 治療成績を分析資料として, 多変量解析として数量化理論2類, ロジステック回帰分析などの結果から原発巣再発の相対危険度を算出した。下顎歯肉癌の外科的治療では下顎辺縁切除か下顎区域切除かが大きな選択のポイントになるので, 多変量解析の結果をもとに下顎管分類と骨浸潤様式分類を組み合わせて推奨される切除法を提案した。要約すると, 下顎管分類のT分類でT1は原則辺縁切除以下, T4はすべて区域切除以上とし, T2, T3では骨浸潤なし, 歯槽骨浸潤平滑型, 下顎管上浸潤平滑型では辺縁切除以下が適応となるが, T2, T3でも歯槽骨浸潤虫喰い型, 下顎管上浸潤虫喰い型では区域切除以上が適応と考えられる。
  • 仲盛 健治, 砂川 元, 平塚 博義, 新崎 章, 新垣 敬一, 狩野 岳史, Kuang Hai
    2004 年 16 巻 2 号 p. 49-55
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    carboplatin (CBDCA) の選択的動脈内投与・放射線同時併用療法を行った口腔扁平上皮癌43例の副作用発現様式について検討した。CBDCAの投与量はAUC4.5としてCaivertの計算式により算出した。放射線療法は高エネルギーX線を2Gy/day x5/weekまたは1.5Gyx2/day x5/weekの外照射とし総線量は30Gyとした。対象症例は口腔扁平上皮癌43例で男性33例, 女性10例, 年齢は30歳から86歳にわたり平均63.3歳であった。CBDCA総投与量は最低260mgから最高740mgであった。口内炎対策には各種含嗽剤を組み合わせて適用し, 29例にはアンサー20注を併用した。主な副作用として血液毒性, 皮膚炎, 口内炎が見られた。口内炎は全例に認められ, Grade3以上の障害は6例, 治療中断症例は1例であった。
  • 杉浦 一考, 中山 英二, 石橋 浩晃, 吉川 博政, 清島 保, 神田 重信, 大石 正道, 白砂 兼光
    2004 年 16 巻 2 号 p. 57-65
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    目的: 頭頸部領域の腺様嚢胞癌 (ACC) において, CTで描出される腫瘍発育様式のパターンと腫瘍進展の病理組織学的所見との関連性を明らかにすること。
    対象と方法: 頭頸部領域の腺様嚢胞癌15例について, CTで描出される腫瘍発育様式の違いにより, 症例をwell-defined massive type (M型) とdiffuse invasive type (1型) の2群に分けた。一方, 術後の切除標本から, 周囲組織への腫瘍浸潤状態 (切除断端の腫瘍細胞の存在, 神経浸潤, 血管浸潤) を病理組織学的所見として評価した。また, ACCの病理組織亜型を管腔型, 篩状型, 充実型の3型に分類した。これらのCT所見と病理組織学的所見との関連性を分析した。
    結果: 篩状型においてはM型が, 充実型においてはI型が優位であったが, 明らかな関連性は指摘できなかった。CTで描出される腫瘍発育様式の違いと予後との明らかな関連は認められなかった。
    結論: 頭頸部領域の腺様嚢胞癌において, CTで描出される腫瘍発育様式の違いと病理組織学的な特性には明らかな関連性が認められなかった。そしてCTで描出される腫瘍発育様式の違いに関わらず, 腺様嚢胞癌は局所浸潤傾向が強く, 病理組織学的な腫瘍進展範囲はCT上で描出される範囲よりも広範囲にわたって浸潤していた。
  • 佐藤 徹, 佐藤 明日香, 栃原 しほみ, 臼井 弘幸, 浅田 洸一, 石橋 克禮
    2004 年 16 巻 2 号 p. 67-73
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    下顎骨区域切除術を受けた26名の患者に, A-O再建プレートで固定した血管柄なしの自家腸骨移植術を施行した。再建時期は一次再建が12名で二次再建が14名であった。移植骨は腸骨稜内外側の両皮質骨を含むbicortica1で採取したものが22名, 内側の皮質骨を含むmonocorticalで採取したものが4名であった。移植骨の大きさは長さが3.2cm~13.0cm, 高さが1.0cm~2.5cmであった。移植後の経過観察期間は1年8か月~18年10か月にわたっていた。再建プレートの大きさを基準として, パノラマエックス線写真で移植骨の高さの吸収を計算した。平均吸収率はbicorticalで元の高さの13.0%, monocortica1で26.2%であった。多くの例で再建プレートはおよそ1年で除去されたが, 吸収はその期間に観察された。しかし本研究中で最も長い骨移植を行った1名を除き, プレート固定期間の遅延が吸収率に影響を与えることはなかった。bicortica1では一次再建か二次再建かの違いで吸収率に有意差を認めなかった。移植後の異常経過として癒合不全を2名, 骨折を2名, 感染を3名に認めたが, 移植骨の摘出を行ったのは感染の1名のみであった。再建の時期に関係なく, 9cm以下のbicortica1での移植が推薦される。
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