日本口腔腫瘍学会誌
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6 巻 , 3 号
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  • 木村 幸紀, 関 健次, 岡野 友宏
    1994 年 6 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    近年のCTガイド下fine needle aspiration (FNA) biopsyの進歩が, 頭頸部癌患者の治療計画に役立っている。甲状腺癌の頸部リンパ節後発転移を伴った下顎歯肉癌症例の後咽頭隙内に腫瘤がみられた。甲状腺癌のルビエールリンパ節転移が疑われ, 確認のため, CTガイド下FNA生検をretromandibular approachで行なった。細胞診断では転移は否定された。その後の経過は良好で, 本検査の結果とは矛盾しなかった。よって, 本術式を用いたことにより他の方法では不可能な後咽頭隙リンパ節の生検を可能にした。
  • 大西 正信, 古谷 昌裕, 河合 峰雄, 平木 紳一郎, 森岡 聡, 田中 義弘
    1994 年 6 巻 3 号 p. 217-223
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    頬部を口角より横切する皮切法 (cheek splitting approach) は古くより知られているが, 審美的観点からあまり用いられることはなかった。しかし最近になって, この皮切によるアプローチ法が見なおされつつあり, われわれも口腟後方癌3症例に本法を応用し, その適応と有用性について検討した。その結果, 皮切線の設定位置とその方法や適応症例の選択に注意すれば, 本アプローチ法は審美的にも十分許容の範囲であり, 術後障害も少なく極めて有用であることを確認した。また, 舌や下顎歯肉の後方癌症例などで頸部アプローチを要する場合, 二次的頸部郭清の困難さから選択的頸部郭清術が行われることもあるが, これを回避できる利点もある。顔の皺の多い高齢者の口腔後方部の早期癌症例には最も適していることを報告する。
  • 牧野 修治郎, 小村 健, 池田 栄雄
    1994 年 6 巻 3 号 p. 224-231
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    大唾液腺腫瘍の穿刺吸引細胞診 (以下FNACと略す) に関する検討を行った。
    対象は術前にFNACを行った70例で, Papanicolaou分類変法に準じ診断した細胞診と手術標本の病理組織学的診断との比較検討を行った。組織学的には21例が悪性腫瘍, 49例が良性腫瘍であった。
    悪性腫瘍に関する診断成績は, 悪性腫瘍において悪性と診断された率, すなわち有病正診率 (sensitivity) は87.5%, 良性腫瘍において良性と診断された率, すなわち無病正診率 (specificity) は97.7%であり, 全体の正診率 (accuracy) は94.9%であった。
    47例においてFNACによる推定組織型診断を施行し, その診断成績は悪性腫瘍で60%, 良性腫瘍で100%であった。
    穿刺による特記すべき合併症は認められなかった。
    以上の結果から大唾液腺腫瘍の術前検査においてFNACは安全で有用と考えられた。
  • 花澤 智美, 木村 幸紀, 関 健次, 岡野 友宏, 秋月 弘道, 道 健一
    1994 年 6 巻 3 号 p. 232-237
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    非ホジキンリンパ腫が頭頸部に節外性に多発することは極めて稀である。今回われわれは, 上顎洞および傍咽頭隙に同時に病変の認められた非ポジキンリンパ腫の一例を報告する。患者は77歳の男性で初診時の約6週間前から口蓋部に膨隆を生じた。臨床的に硬口蓋部の腫瘤と同様に咽頭部の粘膜にも腫脹が見られた。CTおよびMR検査では, 硬口蓋部の病変は上顎洞を占有し, 頬部皮下, 鼻腔, 側頭下窩, 内外側翼突筋に進展しており, また咽頭部の病変は傍咽頭隙を占有し咽頭粘膜に膨隆していた。しかし, 両病変に連続性がみられなかったことから, 独立に生じた病変であると判断した。
  • 鹿嶋 光司, 猪ケ倉 徳孝, 小村 光広, 濱田 真人, 有馬 良治, 迫田 隅男, 芝 良祐
    1994 年 6 巻 3 号 p. 238-245
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔扁平苔癬が悪性化する可能性については論争中である。われわれは, 口腔扁平苔癬由来と思われる口腔扁平上皮癌の4症例 (男性3例, 女性1例) を報告する。平均年齢は65.5歳であった。各々の症例の部位は頬粘膜, 下顎歯肉, 上顎歯肉および舌であった。すべての症例は肉眼的にびらん型を呈し, 病理組織学的にも扁平苔癬であると診断された。3例では扁平苔癬に引き続いて扁平上皮癌が生じ, 残りの1例では両者が同時に生じた。初診から悪性像が確認されるまでの期間はそれぞれ, 33か, 月, 49か月, 106か月であった。1例が喫煙者で, 2例が飲酒者であった。現在1例が腫瘍なく生存, 3例が既に死亡した。
  • 坂下 英明, 宮田 勝, 宮本 日出, 宮地 優子, 車谷 宏
    1994 年 6 巻 3 号 p. 246-250
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    嚢胞性リンパ管腫は, 頭頸部ではまれな腫瘍である。6歳・男児の右側顎下部に発生した嚢胞性リンパ管腫の1例を報告する。腫瘍は8×4cmの大きさで, 初診時の臨床診断を顎下型ガマ腫として, 口内法で開窓した。病理組織学的には, 嚢胞性リンパ管腫であった。腫瘍は口腔外切開にて完全に切除した。術後, 再発は認められていない。
  • 鹿嶋 光司, 猪ケ倉 徳孝, 小村 光広, 濱田 真人, 有馬 良治, 迫田 隅男, 芝 良祐
    1994 年 6 巻 3 号 p. 251-261
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    血管肉腫および血管内皮腫は, ともに血管内皮細胞由来の腫瘍である。それらはいずれも異型血管内皮細胞の腫瘍性増殖を示す。しかし, 血管肉腫が悪性の, 血管内皮腫が悪性と良性の中間の臨床経過をたどるとされている。歯肉に生じた同腫瘍の3例を報告する。
    症例1: 40歳の女性が, 上顎左側小臼歯部の腫脹を訴え来院した。他の開業歯科医院にて腫瘤の大部分が切除され, 血管内皮腫であることが判っていた。残存腫瘤が当院で切除され, 腫瘍の再発なく現在も患者は生存している。最終診断は血管内皮腫であった。
    症例2: 39歳の男性が, 持続する下顎正中部歯肉の潰瘍と疼痛を訴え来院した。生検で血管内皮腫と診断された。腫瘍内の歯を含めて, 下顎骨部分切除術が施行されたが, 肺および脳に転移を認めた。患者は初診より3年3か月後に死亡した。最終診断は血管肉腫であった。
    症例3: 7歳の女児が, 下顎左側臼歯部の腫脹を主訴として当科に来院した。生検では, 膿原性肉芽腫であったが, 摘出物は悪性所見を示した。下顎骨の辺縁切除術が行われたが, 歯肉には再発を認めないものの, 肺に転移を認めた。患者は初診より1年4か月後に死亡した。最終的には血管肉腫と診断された。
  • 山口 孝二郎, 向井 洋, 川島 清美, 杉原 一正, 山下 佐英
    1994 年 6 巻 3 号 p. 262-267
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    Warthin腫瘍は, 耳下腺に好発する比較的まれな唾液腺の良性上皮性腫瘍である。
    今回, われわれは, 9年前に右耳下腺のWarthin腫瘍を初回切除後, 両側耳下腺に再度発生したWarthin腫瘍の1例を報告した。
    患者は, 69歳男性で両側耳下腺の腫脹を主訴として来院した。臨床診断は両側耳下腺のWarthin腫瘍であり, 腫瘍は, 外科的に摘出された。腫瘍の大きさは, 左側32×18×17mm, 右側22×20×18mmであった。
    病理組織学的には乳頭状に増殖した上皮成分と胚中心を有するリンパ組織成分が認められ, 病理組織学的診断はWarthin腫瘍であった。
    本症例においてはRIシンチグラム, 超音波診断, CTが画像診断として有効であった。
  • 山本 哲也, 米田 和典, 植田 栄作, 尾崎 登喜雄
    1994 年 6 巻 3 号 p. 268-274
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    頭頸部領域におけるT細胞リンパ腫は非常に稀であるが, いわゆるmidline lymphomasはほとんどがT細胞型である。顎下腺に生ずるリンパ腫は極めて稀である。顎下部に生じた成人T細胞リンパ腫の1例を本論文において報告する。70歳の女性が, 左側顎下腺の腫脹の外科的処置を目的に当科へ紹介となった。顎下腺は硬結し, 周囲組織と癒着していた。リンパ節の腫脹は触知出来なかった。顎下腺悪性腫瘍の疑いの下, 摘出術を施行し, 術中凍結切片による病理組織検査を行った。その結果, 悪性リンパ腫 (diffuse, Pleomorphic type) が疑われたため, 頸部郭清術は行わなかった。Adjuvant chemoradiotherapyを行ったが, 術後1年の時点で, 頸部および腋窩リンパ節に腫大を来した。その後, 4か月間にわたり, ステロイド療法を施行したが死の転帰をとった。免疫組織染色の結果, 腫瘍細胞はCD3, CD4, CD25陽性であった。摘出物より抽出したDNAのPCR産物よりヒトT細胞白血病ウイルス1型のゲノムが検出された。しかし, 同ウイルスのDNAをin situ hybridizationで証明することは出来なかった。以上のことより, T細胞の形質転換が顎下部において初めて生じたものと思われた。
  • 1994 年 6 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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