日本口腔腫瘍学会誌
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原著
  • 曽束 洋平, 吉川 恭平, 川邊 睦記, 森寺 邦康, 高岡 一樹, 野口 一馬, 岸本 裕充
    2019 年 31 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/22
    ジャーナル フリー
    2001年,Cavadasらによって初めて報告されたMedial Sural Artery Perforator Flapを遊離皮弁として用い,舌半切3症例に対して舌再建を行った。2例において術後一部鬱血を来たしたが,皮弁は全例問題なく生着した。手術時間は平均499分,阻血時間は平均41分,術後平均11日で食事を開始し,術後平均26日で退院した。
    本皮弁の利点として,薄くしなやかであること,皮弁採取部の縫縮が幅7cm以下で可能,主要な血管や筋肉を犠牲にせず仰臥位で採取できることなどがあげられ,頭頸部再建において前腕皮弁の代用としての皮弁選択肢の一つとして有用であると考えられた。
症例報告
  • 黒坂 正生, 伏見 千宙, 後藤 俊行, 猪俣 徹
    2019 年 31 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/22
    ジャーナル フリー
    多形紅斑(erythema multiforme)は,医薬品や感染症により生じた免疫・アレルギー反応により発症する皮膚疾患で,粘膜疹を伴わず比較的軽症なタイプ(EM minor)と,粘膜疹を伴うタイプ(EM major)に分けられる。今回われわれは,口底癌術後再発ハイリスク症例に対する化学放射線療法(chemoradiotherapy:CRT)中に多形紅斑重症型(EM major)を発症した1例を経験した。CRTやセツキシマブ(cetuximab)併用放射線療法(bioradiotherapy:BRT)など既治療による粘膜および皮膚症状がある症例では,多形紅斑重症型(EM major)とStevens-Johnson症候群(SJS)の鑑別がより困難となる。CRTやBRT中の患者において,急激な皮疹の拡大や全身症状・粘膜症状を伴う重症薬疹を認めた場合には,速やかに皮膚科専門医にコンサルトし共同で治療することが重要である。
  • 酒井 洋徳, 伊藤 隆一, 鎌田 孝広, 盛岡 昌史, 宜保 隆彦, 長汐 沙千穂, 栗田 浩
    2019 年 31 巻 2 号 p. 85-90
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/22
    ジャーナル フリー
    本報告では,下顎神経領域の神経痛様疼痛を契機に発見され,下顎骨離断を併用した頸部アプローチにより摘出した副咽頭間隙腫瘍の1例を報告する。患者は42歳の女性で右側側頭部から下顎部の神経痛様疼痛を主訴に紹介来院した。CTおよびMRI検査で,右側副咽頭間隙で頭蓋底に及ぶ39×38×31mm大の腫瘍が発見された。経鼻挿管全身麻酔下に,下顎側方骨切り術を併用した頸部アプローチにより腫瘍の摘出を行った。腫瘍は明瞭な被膜で被われており,下歯槽神経との交通を認めた。病理組織診断は神経鞘腫であった。術後の経過は良好であったが,下顎神経領域の知覚麻痺を後遺した。術後5年経過し,再発等の所見は認めていない。
  • 仁村 文和, 丸山 哲昇, 村橋 信, 丸山 修幸, 新崎 章
    2019 年 31 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/22
    ジャーナル フリー
    骨髄異形成症候群は,造血幹細胞の異常により,血球3系統に量的および質的異形成を来した病態であり,白血病に移行しやすい。同疾患は悪性腫瘍に対する化学療法や放射線治療の後に発症することがあり,治療関連骨髄異形成症候群(therapy-related myelodysplastic syndrome,以下t-MDS)と呼ばれる。今回われわれは,舌扁平上皮癌患者に対して化学放射線療法後にt-MDSを発症した1症例を経験したので報告する。症例は52歳男性,舌癌(T4aN2bM0 stage Ⅳ)でTPF療法による導入化学療法後に手術を施行した。頸部転移リンパ節の節外浸潤を認めたため術後化学放射線療法を施行した。一次治療終了後から3年3か月後,t-MDSを発症し死亡した。化学療法および放射線療法を施行した口腔癌症例ではt-MDSの発症を考慮し,長期の経過観察が必要と考えられた。
  • 小栗 千里, 出田 ゆか, 杉山 聡美, 林 雄一郎, 南山 周平, 岩井 俊憲, 小泉 敏之, 廣田 誠, 光藤 健司
    2019 年 31 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/22
    ジャーナル フリー
    頭頸部悪性腫瘍において遠隔転移は最も予後に影響する因子である。今回,われわれは肝門部リンパ節転移と腹膜播種性転移に至った,まれな下顎歯肉癌症例を経験した。患者は69歳,男性。右側下顎歯肉扁平上皮癌(T4aN3M0)に対し超選択的動注化学放射線治療を施行した。治療後1か月でのFDG-PET/CT検査で肝門部リンパ節腫大を認めた。その後,腹水を伴う腹膜播種性転移を認めたため入院したが急速に全身状態が悪化し多臓器不全にて死亡した。病理解剖検査の結果,肝門部リンパ節腫大と腹膜播種性転移はいずれも右側下顎歯肉癌の転移であると診断された。
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