日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
26 巻 , 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著
  • 松井 義郎, 大野 康亮, 代田 達夫, 山下 夕香里, 吉増 秀實, 天笠 光雄, 岡部 貞夫, 小野 貢伸, 鄭 漢忠, 戸塚 靖則, ...
    2013 年 26 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2014/03/15
    公開日: 2014/03/27
    ジャーナル フリー
    この多施設共同研究は,舌・口底癌切除と有茎あるいは血管柄付き遊離皮弁による再建を受けた患者の術後言語,咀嚼,嚥下機能を客観的に評価した。日本国内13施設から計150名の患者が登録され,切除部位により以下の三群:側方型(L群)109名;前方型(A群)20名;および混合型(C群)21名,に分けられた。L群はさらに3つの亜群に,またA群は2つの亜群に,切除範囲の大きさにより細分類された。再建は86例が遊離前腕皮弁(RFF)により,29例が遊離腹直筋(RAMCF)により,17例が大胸筋皮弁(PMMCF)により,7例が頸部島状皮弁(CIF)により,6例が前外側大腿皮弁(ALTF)により,5例がその他によりなされた。術後機能は発語および会話明瞭度,咀嚼機能は発色ガム法21)と感圧シート,嚥下機能は水のみテストを用いて客観的に評価された。
    L群の結果では,切除範囲は言語機能にある程度影響したが,咀嚼機能には影響しなかった。比較的狭い範囲の舌を切除された患者の中には水飲みテストで「むせ有り」症例が観察された。舌部分切除を受けた患者の中では,RFF,CIFのほうがPMMCFより,ガム検査で良い結果を示した。前方2/3の舌半切患者においてRAMCFとRFFのどちらが優れるかは不明確だった。舌半切患者でALTFは他の皮弁を用いたものより高い機能を示した。
    A群において切除範囲は言語機能にほとんど影響しなかったが,咀嚼機能,嚥下機能には影響した。A群の切除が舌前方1/3以内に限定される場合の再建材料としてはRFFのほうがRAMCFよりも嚥下機能の維持に有用だった。
    C群は言語,咀嚼機能がもっとも低かった。嚥下機能に関しては,「むせ有り」症例の割合は他群より高かったが,水飲みテストでC群はA群より良い結果だった。皮弁採取部位の違いは機能結果に影響しなかった。
    今後は,舌・口底癌患者におけるより高い術後機能の獲得を目指して皮弁縫合手技を工夫し,機能訓練の意義を高めるために,神経温存や再建,舌骨吊上げの有用性について検討すべきである。
臨床統計
  • 山川 延宏, 山中 康嗣, 今井 裕一郎, 青木 久美子, 桐田 忠昭
    2013 年 26 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2014/03/15
    公開日: 2014/03/27
    ジャーナル フリー
    手術後の頸部後発転移は治療成績に影響する因子の一つである。われわれは,舌扁平上皮癌N0症例における治療成績と頸部後発転移に関与する因子の検討を行った。対象は1991年1月から2006年12月までの16年間に当科にて経験した舌扁平上皮癌一次症例178例のうち,初診時に頸部リンパ節転移を認めず原発巣の手術療法のみを施行した65例であり,平均年齢は60.6歳であった。10年累積生存率は84.6%であった。原発巣再発率は10年で16.7%であった。さらに,原発巣が制御できていた58例につき頸部後発転移に関する検討を行った。後発転移は15例に認められ,臨床型では内向型の後発転移率が他の臨床型と比較して高かった。YK分類別の後発転移率は,YK4Cが42.9%,YK4Dが48.1%であった。後発転移症例では,リンパ管侵襲が53.3%に認められた。原発巣が内向型,YK-4,リンパ管侵襲は後発転移の危険因子となることが示唆された。
症例報告
  • 太田 貴久, 鷲見 成紀, 松原 誠, 本橋 征之, 永山 元彦, 住友 伸一郎, 村松 泰徳, 田沼 順一, 式守 道夫
    2013 年 26 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2014/03/15
    公開日: 2014/03/27
    ジャーナル フリー
    Glomangiomyomaは爪甲下に好発するGlomus腫瘍の亜型の一つであるが,口腔領域では極めて稀で,上唇正中部に多くみられ無症状の経過を示す。治療は外科的切除が推奨されており,再発は少なく予後も良好である。
    患者は61歳の男性。約2か月前から上唇正中部の腫脹を自覚していたが,緩徐な増大傾向を示したため精査を目的に当科を受診した。正常粘膜下に直径5mmの境界明瞭で弾性硬の小腫瘤を認め,翌週には直径10mmまで急速に拡大した。MRIおよび超音波画像検査にて上唇の粘膜下の領域に境界明瞭な10mmの病巣を認めた。小唾液腺腫瘍の臨床診断にて切除生検を施行した。病理組織学的検査と免疫組織化学的検査にてGlomangiomyomaと確定診断した。
feedback
Top