PD-1免疫チェックポイント阻害薬(以下ICIs)は,再発・転移頭頸部扁平上皮癌(以下R/M-SCCHN)に対し有効性が示されている。一方,これらの阻害剤が奏功しない患者も存在しており,ICIs後の救済化学療法の有効性が示されているが,それに続く薬物療法の選択についてはほとんど報告されていない。
今回,われわれは,再発口腔癌に対してニボルマブと化学療法薬を複数回,交互に使用し,著明な効果を認めた症例を経験したので報告する。症例;76歳,女性。再発口腔癌に対しEXTREMEレジメン(セツキシマブ,5-FU,シスプラチン併用療法)を施行していた。臨床的に病変進行を認めたため,二次治療としてニボルマブを使用した。ニボルマブ使用後,腫瘍増大を認め,三次治療の救済化学療法としてWeeklyパクリタキセル療法を行った。その後もニボルマブと化学療法薬を複数回,交互に使用することにより部分奏効を得た。再発口腔癌に対する化学療法開始から33か月後,舌に新規病変の出現を認めたため,患者の希望もあり,緩和ケア療法へ移行した。その1か月後,患者は再発口腔癌の病状進行によって死亡した。
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