日本口腔腫瘍学会誌
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15 巻, 4 号
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  • 田中 信幸, 山口 晃, 荻 和弘, 出張 裕也, 永井 格, 小浜 源郁
    2003 年 15 巻 4 号 p. 191-196
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    舌, 口底, 下顎歯肉原発の扁平上皮癌症例で同時に両側頸部郭清術を行った40例についてretrospectiveに検討し, それらの原発巣の大きさ, 病理組織学的grade, 転移巣の臨床病理学的特徴について検索した。
    対側, 患側の双方に病理学的に転移が認められた (pN (+) (+) ) のは11例, 患側のみに転移が認められた (pN (+) (-) ) のは14例, 対側のみに認められた (pN (-) (+) ) のは2例, 両側に転移がみられなかったのは13例であった。pN (+) (+) 症例の多くで, 原発巣はT3或いはT4, 病理組織学的には高悪性度を示し, 患側の転移巣は3つ以上で, 1evel III或いはlevelIVに位置し, 被膜外転移を有する症例が多かった。
  • 鈴木 円, 宮田 勝, 岡部 孝一, 高木 純一郎, 田中 眞也, 車谷 宏, 草間 薫, 坂下 英明
    2003 年 15 巻 4 号 p. 197-203
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    近年, 口腔癌患者において重複癌症例が増加してきた。口腔癌患者のおよそ10%に他臓器原発癌が重複するとされている。今回われわれはそれぞれに対して根治的手術を行った下顎歯肉と胃の同時性進行重複癌を経験したのでその概要を報告する。
    患者は80歳, 男性で左側下顎歯槽部の潰瘍を主訴に当科を受診した。生検により高分化型扁平上皮癌と病理組織学的に診断された。上部消化管内視鏡検査で胃癌 (低分化型腺癌) を認めた。胃癌は外科にて切除をされた。次いで歯肉癌に対して放射線治療を行った後, 手術を施行した。病理組織学的に下顎歯肉癌はpT4N2b, 胃癌はpT3NOの進行癌と診断された。現在当科初診より約2年を経過したが術後経過は良好で再発, 転移などの徴候はなく非担癌生存中である。
  • 双木 均, 関山 三郎, 星 秀樹, 古内 秀幸, 武田 泰典, 中里 龍彦
    2003 年 15 巻 4 号 p. 205-211
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今回われわれはStageIVの舌癌に対し動注化学療法と放射線照射同時併用し, 良好な経過を得たので報告する。患者は67歳の男性。左側舌縁の違和感を主訴に来院。左側舌下面, 舌縁, 舌背にかけて不正形の潰瘍を伴う58×50mm大の腫瘍を認め, 舌尖部は右側に翻転し, 硬結は正中から口底部にまで及んだ。大腿動脈からのSeldinger法よりCBDCA (総量900mg) と放射線療法 (Linac 60Gy) を行った。一次治療後臨床的に腫瘍は縮小, 消失し, 経過観察後のPositoron emission tomographyによる機能的画像診断による治療効果評価でもCRと判定した。
    現在, 退院後3年6か月経過しているが再発転移なく経過良好である。
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