SiO
2-Al
2O
3-Fe
2O
3-K
2O系の非晶質体をゲル化法で調製し, 800-1600℃で結晶化してAl-Fe-leuciteを得た. 生成結晶の格子定数と正方晶系→←等軸晶系転移温度を測定した.
原非晶質体中のSi含有率 (δ=Si/Si+Al+Fe+K) が0.5以下の場合, 全生成結晶は理論組成KAl
εFe
1-εSi
2O
6 (ε=Al/Al+Fe=0-1) を示し, δ>0.5では, δ値が大きいほど, また結晶化温度が低いほど (Al+Fe)→Si置換 (=K
+の欠陥) 数の大きいAl-Fe-leucite (KAl
εFe
1-ε)
1-xSi
2+xO
6(x>0) 固溶体が生成した. 理論組成の結晶では, 転移温度はε値の増大とともに直線的に上昇した. 他方固溶体では, 格子欠陥数の増大とともに転移温度は降下した.
Al分率 (ε=Al/Al+Fe) が一定値の場合, 格子定数
c/a値と転移温度との間に直線関係が成立し, ε値の異なる5本の直線は
c/a=1.0456, 転移温度360℃の点で交わった. この転移温度360℃の固溶体は単位格子当り2個のK
+の欠陥をもち, 分子式K
14(Al
εFe
1-ε)
14Si
34O
96で示されるものと考えられた.
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