窯業協會誌
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90 巻, 1038 号
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  • アルカリリン酸塩ガラスの熱化学的研究 (第2報)
    高橋 克明, 尾坂 明義, 林 聡
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 51-55
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    著者らは前報で既に報告したRPO3ガラスの溶解熱及び生成熱より全結合エネルギーを計算し, E(P=O)/E(P-O)=1.75及び2の場合につきP-O, P-OR, 及びP-O-結合へ割り振った. E(P=O)/E(P-O)=1.75の場合E(P-O) は90.3kcal/molであった. E(OR) の値は非架橋酸素-アルカリイオン間はクーロン力が支配的であり, しかもその値は, 構造的には異なっているがアルカリイオン対網目形成イオンの比の等しいR2Si2O5ガラスの値にほぼ等しい. また1.75<E (P=O)/E(P-O)<2, E(P-O)<E(P-O-) 及びE(Si-O)<E(Si-O-) なる結合エネルギーの関係をP-O及びSi-O間の3d-2pπ相互作用の立場から検討した.
  • 山崎 憲五, 山口 嘉信, 中沢 敏彦, 吉村 昌弘, 宗宮 重行
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 56-63
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    CaO-Al2O3系化合物 (C, C3A, C12A7, CA, CA2, CA6及びα-A) を200℃, 10MPaリン酸溶液中で水熱処理を行い水和性や反応生成物を調べた. 1日, 10日あるいは30日間処理した時の生成相はC3AH6, AH [Boehmite], Ca10(PO4)6(OH)2[HAp], CaHPO4及び3種類のAlPO4変態型 (Berlinite [Ber.], Tridymite型 [Tri.] 及びCristobalite型 [Cri.]) であった.低リン酸溶液中においてはC3AH6, AH及びHApが生成した. 水和反応が起こらない領域ではHApの代わりにCaHPO4, AHの代わりにTri. が生成する傾向があった. C3AH6の生成領域はCaHPO4とHApからAl2O3端成分へ結ぶ線分の間に存在するものと考えられた. 水熱条件下において, 100℃, 10MPaから200℃, 10MPaへの変化によりリン酸アルミニウム塩生成相はLucin型variscite→Cri., Messbach型variscite→Tri.及びMetavarislite→Ber. の対応関係がみられた. H3PO4/CaO+Al2O3+H3PO4モル比が0.5を超えた高リン酸領域ではCaHPO4とBer. の2相共存となった.
  • ゲータイトから得られたFe2O3の焼結挙動
    古謝 秀明, 山口 喬
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 63-68
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    α-FeOOHを異なった温度で分解して得た針状及び球状のFe2O3粉体の結焼挙動を特に粒子形状の影響に注目して検討した. 更にα-FeOOHを600℃で分解して得た針状Fe2O3とFe2(SO4)3から得た球状のFe2O3について, そのち密化と成形体の開空孔分布を比較した. おもな結果は次のとおりである.
    1) 針状粉からは, 低い成形密度からも高い密度の焼結体が得られる.
    2) 針状粉の優れたち密化挙動には, 空孔径分布よりはむしろ空孔の形状が密接に関係している.
    3) 同一形状の針状粉であっても, 一次粒子中の凝集状態によって得られる密度が異なる.
  • 山口 明良
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 68-73
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Cr2O3とSiO2, Al2O3, MgOなどの一つとから構成される混合粉末成形体の焼結について研究した. Cr2O3と反応しないSiO2, ZrO2, ZrSiO4との混合成形体は, Cr2O3が約20mol%以上混合する組成範囲の試料において, 炭素粉末中1500℃の焼成によって, 真密度の95%以上にち密に焼結した. これは主として, 炭素粉末中の焼成で各Cr2O3粒子表面が不安定となり, それによってち密化を促進するというCr2O3の特性によってち密化がもたらされたものと考えられた. 他方, Al2O3またはMgOとの混合成形体においては, Al2O3やMgOの混合割合の増加とともに急激にち密化の度合は悪くなった. これは, これらの成分がCr2O3と反応してCr2O3-Al2O3固溶体やピクロクロマイトを生成して, Cr2O3の炭素粉末中で易焼結性になる特性が失われたことによると考えられた. Cr2O3混合成形体の空気中の焼成では, 主としてCr2O3の蒸発-凝縮機構によって焼結が進むため, ち密化は起こらなかった.
  • 岡田 繁, 今井 洋子, 阿刀田 徹三
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 73-82
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルミニウム融液中でLaB6とCeB6単結晶の育成をアルゴンガスふん囲気中で行った. 得られた結果は次のごとく要約できる.
    LaB6とCeB6の立方体状単結晶を得るための最適育成条件は原料の混合原子比がLaB6ではB/La=5.0, Al/La=80, またCeB6ではB/Ce=5.0, Al/Ce=69であった. 加熱温度は1500℃, その温度における保持時間は10時間である. 単結晶としていずれの場合にも {100} 面で形成された立方体状結晶の他に (100) 面が良く発達した針状及び板状結晶が得られた.
    単結晶について測定した格子定数 (a0) と密度 (D) はそれぞれ次のとおりであった.
    LaB6: a0=4.1552±0.0001(Å), DLaB6=4.68±0.02g/cm3
    CeB6: a0=4.1396±0.0001(Å), DCeB6=4.69±0.04g/cm3
    単結晶の (100) 面について測定したヌープ微小硬度はそれぞれ次のとおりであった.
    LaB6: 〈100〉 2180-2550kg/mm2
    〈110〉 1530-1830kg/mm2
    CeB6: 〈100〉 1870-2170kg/mm2
    〈110〉 1540-1780kg/mm2
    両単結晶の酸化反応は740°-760℃より起こった. 酸化生成物は, LaB6ではLa(BO2)3と非晶質のB2O3であった. CeB6ではCe(BO2)3と非晶質のB2O3であった. これらの酸化反応は一般酸化速度式 (dw)n=ktに従って進み, これより求めた酸化反応の見掛けの活性化エネルギーは, LaB6では123.7±0.9kcal/mol, CeB6では137.0±0.8kcal/molであった.
  • 服部 豪夫, 後関 文雄, 毛利 純一, 吉村 昌弘, 宗宮 重行
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 82-86
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥法によって調製したスピネル粉末を, 1400℃, 1500℃, 及び1600℃で種々の時間, 空気中で焼成し, 得られた焼結体を引き続いて100MPaのアルゴン中, 1145°-1400℃でカプセルを使用せずにHIP処理した.
    1400℃で0.5-5時間, 空気中で焼成した焼結体の相対密度は80-90%であったが, これらを1300℃で3時間, HIP処理したところ, 密度は84-93%に増加した. また同じ試料のビッカース硬度は520-1030から670-1320に増大した. また1500℃あるいは1600℃で焼成した普通焼結体の相対密度は94-98%あるいは95-98%であり, 硬度は1300-1670あるいは1430-1740であった. これらをHIP処理したところ, 密度, 硬度ともわずかな向上が観察されただけであった. 1500℃で30分間及び1600℃で30分間, 空気中で焼成した焼結体を1400℃で3時間, HIP処理したとき, その処理前後で観察した破断面の代表的な走査型電子顕微鏡写真は, それぞれ結晶粒子をほとんど成長させないで, 気孔を排除していることを示した.
  • 猪股 吉三, 井上 善三郎, 上村 揚一郎
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 86-90
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    c軸を共有したα-SiC結晶が形成する (1010) 粒界の構造及びSi-C結合手の一致度を, 実験事実と模形実験の結果とから検討した. 検討の対象として2H, 3C, 4H, 6H及び15Rを取り上げ, 典形的な例について議論し, 次の結論を得た.
    1) 少なくとも一つの積層を共有するという条件下で, 3Cは6H及び15Rと結合手の一致度の高い粒界を形成する. 一致度は6Hに対して最大約33%である.
    2) 1) と同じ条件下で平均的にみて6Hは他の短周期多形と比較的一致度の高い粒界を形成する.
    3) 同一多形の組み合わせは除き, 1) と同じ条件下で得られる最大の一致度は2Hと4Hが形成する粒界で認められ, 一致度は50%であった.
    4) (1010) 一般粒界の形成による表面エネルギーの緩和は平均的にみて小さく, 粒界エネルギーも (0001) 一般粒界と同様にかなり大きなものになるであろうことが予測された.
  • 吉村 昌弘, 宋 慎泰, 宗宮 重行
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 91-95
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    水熱条件下における水酸化クロム水和物とLa2O3の混合物からのLaCrO3の合成反応を調べ, 空気中における合成反応と比較した. 水熱条件下では100MPa, 400℃以上でLaCrO3を直接合成することができたが, 空気中では低温で中間化合物La2CrO6を生成し, 700℃以上でのみLaCrO3の生成が認められた. 700°-1000℃の水熱条件下で合成されたLaCrO3生成物は0.7±0.2μmの均一な微粒子であったが, 空気中で合成されたLaCrO3は大きさ形状ともに不規則な粒子の集合体であった.
  • マグネシア多泡粒の研究, その2
    本江 秋弘, 和波 達夫, 石堂 善彦, 桝川 卓哉, 長田 清, 藤井 欽二郎
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 95-99
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    酢酸液滴からのマグネシアまたはマグネシアークロム鉄鉱多泡粒を用いて断熱耐火煉瓦を調製することができる. すなわち, バルクな多泡粒を水で湿らすと, 若干可塑性が現れて加圧成形を容易にし, 乾燥するとかなりの強度を発生, 高温焼成すれば, 比較的小さな焼成収縮で軽量なマグネシアまたはマグネシアークロム鉄鉱系多孔質煉瓦が得られる.
    本実験に用いた多泡粒は, 0.42-1.7mm粒分30wt% 1.7-3.3mm粒分50wt%また3.3-4.7mm粒分20wt%の粒度分布をもち, 成形に好ましい水分量は, 成形圧10kg/cm2の場合, 約5wt%であった. 105℃で乾燥した成形体の圧縮強さは27kg/cm2である. 加熱すると, 約300℃で酢酸塩が分解してアセトンと炭酸ガスを発生し, 続いて1500℃加熱で線収縮4.5%, 圧縮強さ50kg/cm2の軽量焼成体 (かさ比重, 1.2g/cm3) を得た. 熱伝導率は1000℃で, 0.95kcal/m・h・℃, これは普通のマグネシア煉瓦の約1/4である. 平炉及び転炉スラグの浸食性を調べたところ焼成体組織へわずかに浸透したものの良い耐食性を示した.
  • 毛利 尚彦
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 100-101
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 長田 清, 本江 秋弘, 藤井 欽二郎
    1982 年 90 巻 1038 号 p. 102-103
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1038 号 p. A12-A16
    発行日: 1982/02/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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