日本臨床免疫学会会誌
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22 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 野島 美久
    1999 年 22 巻 2 号 p. 43-52
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原 寿郎, 吉良 龍太郎, 井原 健二, 高田 英俊
    1999 年 22 巻 2 号 p. 53-62
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    先天性補体成分および補体制御蛋白欠損症の臨床像とその遺伝子異常を概説した.日本では,後期反応補体成分欠損症が多いため,それに伴うナイセリア感染の臨床的特徴を詳述した. C9欠損症は日本で1000人に1人と最も頻度の高い遺伝性疾患の一つであり大部分の人は無症状である.しかしC9欠損症は,弱いが明らかに有意に髄膜炎菌性髄膜炎の発症と相関し,全身性エリテマトーデスの発症とは関連が見られなかった. C9欠損症には,共通のArg 95 Stop変異が見られ,分子疫学的研究でもホモの変異が約0.1%, ヘテロの変異が15人に1人みられた.髄膜炎菌性髄膜炎,反復性細菌感染などの症状を呈する場合, C9抗原量・遺伝子解析も含めた補体検査が必要である.
  • 鉢村 和男, 内山 幸信, 大谷 英樹
    1999 年 22 巻 2 号 p. 63-71
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    直接クームス試験(DAT)が陰性の全身性エリテマトーデス(SLE)患者70例,健常者98例について,酵素抗体法を用い赤血球結合IgG (EAIgG)を測定した. SLE患者群は健常者群と比較し有意にEAIgGが高値であった.健常者の95%はEAIgGが65分子/RBC未満であり,この値以上をEAIgG陽性とすると, SLE患者70例のうち36例(51.4%)が陽性であった.また, EAIgG量と赤血球数とは逆相関(r=-0.369, p<0.005)し,赤血球数が4×106l未満の患者群では,その88%がEAIgG陽性であった.以上の結果から, SLE患者赤血球には, DATが陰性であっても健常者と比較し多くのEAIgGが結合しており,赤血球の異化の亢進に関与することが示唆された.
  • 崔 国惠, 菅井 進, 小川 淑美, 竹下 昌一, 正木 康史
    1999 年 22 巻 2 号 p. 72-79
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群(SS)に関する小唾液腺生検の組織診断基準については厚生省基準は小葉内導管周囲に50個以上の単核細胞の浸潤が「同一小葉内に少なくとも一カ所以上認められること」であり, Chisholmらの基準では「4mm2に一個以上認められること」となっている.この両者を検討し,いずれがより妥当であるかを明らかにすることを目的とした.方法は眼乾燥,或は口腔乾燥を自覚し,又は自己抗体の陽性等があった症例245例について口唇小唾液生検のHE組織像で各症例面積,即ち4mm2, 1小葉,および1小唾液腺当たりのfocusを算定し,比較した.その結果, 1小葉の平均サイズは0.70mm2に相当した.眼と口腔の両方に客観的な乾燥所見があればSSありと規定し,両方に客観的な乾燥所見なければSSなしと規定すると,厚生省の組織診断基準の特異度は93.3%であったが,感度は23.5%であった. Chisholmらの組織診断基準を用いると,感度は72.1%, 特異度は80,0%であった.従って,現行のSSの診断基準とは別に客観的な目と口の乾燥所見を有するものをSSと規定した場合,その診断基準としては4mm2に1Focus以上の基準を取り入れる方が良いと考えられた.
  • 金月 勇, 黒坂 大太郎, 橋本 信也, 田嶼 尚子
    1999 年 22 巻 2 号 p. 80-85
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)合併後6年を経て,視野障害を生じた全身性エリテマトーデス(SLE)の一例を報告する.症例は36歳,女性. 1987年8月にSLEと診断された.その後, TTP,ループス腎炎を併発したが,各種治療によりSLEの状態はコントロール良好であった.しかし, 1994年,左下1/4に限局した同名半盲性暗点が認められた.このため,責任病巣の検索として頭部CTを施行したが,病変を同定できなかった.しかし,頭部MRIでは右後頭葉鳥距溝上部後極に限局した梗塞巣を捉える事が出来た.従来報告されているSLEに合併した同名半盲症例はCTにて責任病巣の同定が可能であったと報告されている.本症例の場合は, CTでは診断できずMRIにてはじめて診断する事ができた.これは従来の報告例は梗塞巣が広範囲のため診断できたのに対し,我々の症例は後頭蓋窩に限局した病変のためCTでの診断が困難であったと考えられた.したがって,このような例においてはMRIが有用であると考えられた.
  • 原島 伸一, 吉澤 滋, 堀内 孝彦, 中島 衡, 仁保 喜之, 草場 公宏, 林田 功, 篠崎 倫哉, 片渕 律子, 平方 秀樹
    1999 年 22 巻 2 号 p. 86-92
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は,50歳,女性. 1977年発症の全身性強皮症(SSc)で, 1995年7月, SScが再燃.プレドニゾロン(PSL) 20mg/日でコントロールは良好であったが,急速な腎機能の悪化が認められ,核周囲型抗好中球細胞質抗体(p-ANCA) 504EU/mlと高値のため当科に入院.腎生検にて, 90%の糸球体に半月体の形成が認められ,壊死性糸球体腎炎(necrotizing GN)と診断された.蛍光染色では少量のIgG, C3の沈着を認めたが,半月体形成性糸球体腎炎(crescentic glomerulonephritis; CrGN)のうちではpauci-immune型に分類されると考えられた.近年正常血圧の腎クリーゼを呈するSSc症例では, p-ANCA陽性のCrGNを認め新しい型の強皮症腎が示唆されている.一方, microscopic PNでは50~80%の症例にp-ANCAが認められ,組織学的にはnecrotizing GNの像をとるため, p-ANCA陽性のCrGNを合併したSScは, microscopic PNとのoverlap syndromeと考えることもできる. SScに合併したp-ANCA陽性CrGNは,強皮症腎の-亜型として存在するのか, microscopic PNとのoverlap syndromeと考えるべきか興味ある症例と考え報告する.
  • 浅岡 俊之, 鈴木 輝彦, 岡 芳剛
    1999 年 22 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    我々は,強皮症に伴う消化管症状に経口type II collagen(C II)が奏効した3症例を経験した.症例1:36歳,男性.症例2:63歳,女性.症例3:19歳,女性.いずれも強皮症と診断され加療,経過観察中にイレウスを繰り返していた. C IIを経口投与したところイレウスに改善が認められた.また症例1, 3では皮膚硬化に改善が認められた.強皮症に伴う消化管症状は難治性であるが, C IIの経口投与はその治療方法として有効であると考えられた.
  • 1999 年 22 巻 2 号 p. e1
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
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