日本口腔腫瘍学会誌
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13 巻, 2 号
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  • ―481例の分析―
    小浜 源郁, 野口 誠, 木戸 幸恵, 久保田 裕美, 金城 尚典, 宮崎 晃亘
    2001 年 13 巻 2 号 p. 33-41
    発行日: 2001/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    過去24年間に当科で加療した口腔癌の診断法, 外科療法および治療成績についてretrospectiveに検討し, 1) 当科受診の顎口腔領域悪性腫瘍888例の特徴, 2) 口腔扁平上皮癌481症例の臨床所見と病理組織学的所見からみた治療成績, 3) 過去21年間の治療期間 (第1~3期) 別の治療法と治療成績, 4) 生検法から見た体系的治療法と治療成績5) リンパ節転移と各種頸部郭清術の適応, の各項目に分けて概説した。
    口腔扁平上皮癌481例の5年累積生存率は77.0%であった。生検法から見た体系的治療法実施の第3期の治療成績は87.2%と有意に向上した。その理由として, 早期癌に対する摘除生検の実施, 浸潤様式と化学療法効果からみた適切な手術法の適応, 早期頸部リンパ節転移の診断の向上と頸部郭清術の適応があげられた。低~中悪性度の化学療法有効例は, 形態と機能温存手術が成功裏に適応された。N-stageと浸潤様式は最も有意な予後因子であった。
  • ―両側性転移と片側性転移との対比を中心として―
    小谷 勇, 片岡 聡, 音田 貢, 領家 和男, 植田 栄作, 山本 哲也, 尾崎 登喜雄
    2001 年 13 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2001/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌の両側性リンパ節転移の詳細については未だ確かなものがない。このたびわれわれは, 口腔, 口峡咽頭扁平上皮癌からの両側性リンパ節転移の発生機序について検討を行った。口腔, 口峡咽頭扁平上皮癌583例のうち, 片側性リンパ節転移は168例に, 両側性リンパ節転移は27例に認められた。片側性リンパ節転移は, 口底癌 (44.2%) と口峡咽頭癌 (35.3%) にもっとも多くみられた。一方, 両側性転移は硬口蓋癌において27.3%, 口峡咽頭癌で11.8%, 上顎歯肉癌で11.5%に認められた。原発巣が正中部を含むものは, 含まないものと比べ, 両側性転移の頻度は高かった (p<0.05) 。片側性転移, 両側性転移はともにT stageの進行につれて統計学的に有意に増加した。さらに, 腫瘍細胞の浸潤様式におけるび漫性浸潤と片側性および両側性リンパ節転移との間に関連がみられた。原発巣が正中部を含まず, 最終的に両側性リンパ節転移がみられた17例のうち, 2例は患側の頸部郭清術を行い, 原発巣再発後に反対側リンパ節転移を生じた。すなわち, び漫性浸潤を示す正中部を含む硬口蓋癌, 口峡咽頭癌, 上顎歯肉癌は両側性リンパ節転移をきたす傾向がある事が示唆された。さらに, 患側のリンパ流が郭清術によって遮断されることにより, 対側のリンパ節転移の生じる可能性が考えられた。
  • ―病状開示と外科治療の問題点―
    立石 晃, 天野 裕治, 相田 高幸
    2001 年 13 巻 2 号 p. 51-55
    発行日: 2001/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    痴呆を有する71歳女性の上顎歯肉癌患者を経験し, インフォームドコンセントから手術治療まで様々な問題点が明らかとなったのでその概略を報告した。
    痴呆を有する口腔癌患者には (1) いかなるインフォームドコンセントが必要か? (2) 痴呆を考慮した癌の治療法が必要か? (あえて外科治療を選択からはずす必要があるか?) (3) 術後, 加療中のケアの問題などの検討課題が多いことが明かとなった。
  • ―Breadloaf step sectioningを用いた舌癌切除材料の検索―
    田中 陽一
    2001 年 13 巻 2 号 p. 57-58
    発行日: 2001/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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