ファルマシア
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57 巻, 11 号
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目次
  • 2021 年 57 巻 11 号 p. 982-983
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    特集:生体直交型反応
    特集にあたって:生体直交型反応の「直交」とはどういう意味だろうか.生体直交型反応は英語でBioorthogonal reactionであり,orthogonalが直交に相当する.日本語で直交というと「直角に交わる」という意味であるが,orthogonalには「考慮中の問題に関係しない」という意味もある.Bioorthogonal reactionとは,生体と無関係な反応ということになるが,ここには多様な生体分子が存在していて複雑な生体中においても,それらに邪魔されることなく望み通りの化学反応を実現する方法という意味が込められている.本特集号では,有機化学,生化学,創薬,バイオマテリアルなどの薬学関連分野と生体直交型反応の接点を紹介する.
    表紙の説明:日本薬学会マスコットキャラクターの「ドリン君」にはアルキンを,「ナガイ博士」にはアジドをお持ちいただいた.お二人の持つ官能基により,代表的な生体直交型反応であるHuisgen反応が起こる.この生体直交型(Bioorthogonal)反応は,生体(Biological)反応の延長線上にはなく,それと直交した別の軸上にある,独立した反応といえる.
オピニオン
  • 山本 恵子
    2021 年 57 巻 11 号 p. 981
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    生体直交型反応は生体の中にフラスコを入れて望みの化学反応を起こさせるようなものである。生物学にも化学にも詳しい薬学領域の研究者であれば、誰でも参画できる研究である。若い研究者は入門することで視野が広がる。楽しく前途洋々たるこの研究に、ぜひ親しんでいただきたい。生物学者は生体を修飾したい、有機化学者はこの面白い反応を生体内で起こさせたい、そういう動機でよいと考える。生物と化学の融合は益々加速し、新分野開拓につながるものと確信している。
Editor's Eye
セミナー
最前線
セミナー
  • もう1つの生体直交性化学修飾法
    髙遠 美貴子, 浜地 格
    2021 年 57 巻 11 号 p. 999-1003
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    疾患関連タンパク質の生体内における局在、動態、そして異常を観察・解析する基礎的な研究は、薬物の作用機序解明や新薬開発に不可欠である。特定のタンパク質を生体内で追跡するためには何らかの方法でそのタンパク質を標識する必要があるが、従来法の多くは遺伝子操作を必要とし、標的分子の機能や挙動を損なう恐れがあった。本稿では、遺伝子操作を必要としない天然タンパク質の化学修飾法「リガンド指向性化学」の原理と特徴を概説した上で、創薬への応用例を紹介する。
セミナー
  • 鵜澤 尊規, 多田 誠一, 伊藤 嘉浩
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1004-1008
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    近年、抗体医薬、核酸医薬の新規上市が続いており、今後、非天然物との複合化は医薬合成で重要な技術になると思われる。これまでに試験管内において酵素反応もしくは有機化学反応を用いて、生体高分子へ位置特異的に非天然要素を組み込む「広義の直交化反応」は可能となっている。直交反応をさらに高度化することで、試験管内だけでなく細胞内でさえ天然反応と競合しない「高度に直交化されたシステム」が現実のものとなってきている。本稿では、生物学のセントラル・ドグマである複製・転写・翻訳反応を直交化した代表的な例を紹介するとともに、さらに高度に直交化することで細胞内反応へ展開した例についても紹介する。
セミナー
セミナー
  • 廣瀬 友靖, 砂塚 敏明
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1014-1018
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    米国スクリプス研究所のK. B. Sharpless教授は, 触媒的酸化反応(エポキシ化, ジヒドロキシル化)に関する研究の功績で2001年にノーベル化学賞を受賞された.奇しくも同年, 同教授によって触媒的酸化反応とは全く異なるコンセプトであるクリックケミストリーが提唱された.1) 「クリック」 = 「カチッという音」から想像できるように, 「クリックケミストリー」とはシートベルトを繋げるがごとく異なる2分子を特定の官能基間で連結させる化学であり, それにより新たな機能性分子の広がりを創製することが基本的な考え方である. また, 本化学に用いる連結反応は自然界で起こる連結反応(ペプチド, 核酸, 多糖形成)と同様にヘテロ原子を介するという特徴がある. 本化学で利用されるある種の反応は官能基選択性が非常に高く, さらに水や有機溶媒中などで実施可能であることから, 生体内や生体成分の混合物中での選択的連結反応を可能とするため「生体直交型」反応として注目される. 本稿では, クリックケミストリーとその応用であるin situクリックケミストリーについて, その概要と大村記念研究所における取り組みについて解説する.
最前線
最前線
  • 大木 悠一朗, 伊藤 大知
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1025-1029
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    軟性あるいは硬性内視鏡下で、シリンジ、カテーテル、スプレーを用いて投与可能な2液性のインジェクタブルハイドロゲルは、医療機器・DDS・再生医療/組織工学など幅広い応用が期待されている。また細胞封入マイクロカプセルやバイオプリンティングプロセスにおけるバイオインクなど関連分野への応用も期待されている。材料設計の鍵は、骨格となる生体適合性が高いポリマーと、生体内での安全性が高い架橋反応の利用である。近年発展が著しい生体直交型反応を架橋反応として利用した新しいインジェクタブルハイドロゲルの開発とその医療応用が期待されている。
最前線
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1036-1039
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,57巻8,9号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
日本ベンチャーの底力 その技術と発想力
日本人が知らないJAPAN
期待の若手
  • 野村 洋
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1045_1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    2021年4月より、新たに研究室を始める機会をいただいた。どんな教育研究の方針でラボを運営すべきか思案する毎日である。これまで指導していただいた先生方からは、研究に対する心構え、自ら研究分野を開拓する姿勢と気合、研究の楽しさ、人と人との信頼関係の大事さを学んだ。そして、これからは若手を育てる責任と楽しみを感じている。自分で考えて実験して試行錯誤する研究の醍醐味を通じて、独創的な研究と人材育成を推進したい。
期待の若手
トピックス
  • 田湯 正法
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1046
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    ヒドラゾンやヒドラジンは多くの医薬品や生物活性物質に含まれており,また合成中間体としても鍵となる分子であることから,その変換反応の開発は重要な研究課題である.特に,化合物の生物活性や物理化学的性質を大きく変化させられるフルオロアルキル基(Rf基)の導入が近年注目を集めている.なかでも,光レドックス反応によるヒドラゾンのCsp2-Hフルオロアルキル化が盛んに研究されてきたものの,導入できるRf基の種類は限られていた.一方,Dilmanらは最近,調製容易なスルフィド2が,光レドックス反応において様々なRfラジカル前駆体となることを報告している.今回彼らは2を用いて,ヒドラゾンからRf基を持つヒドラゾンとヒドラジンを自在に作り分けられる手法を開発したため,本稿で紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Prieto A. et al., Eur. J. Org. Chem., 2378-2393(2018).
    2) Zubkov M. O. et al., Chem. Sci., 11, 737-741(2020).
    3) van der Worp B. A. et al., Adv. Synth. Catal., 363, 1152-1158(2021).
    4) Supranovich V. I. et al., Org. Lett., 20, 840-843(2018).
  • 中村 直人
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1047
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    mRNAを医薬品として応用する試みが加速度的に進んでいる.COVID-19ワクチンに留まらず,その短時間の発現を利用してオフターゲットの懸念が大きい遺伝子編集治療への応用も期待されている.生体成分との接触で容易に分解するmRNAを医療応用するには,脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle: LNP)に内包する手法がよく用いられる.典型的なLNPでは,細胞外でのmRNAの安定化や細胞内でのエンドソーム脱出を目的に,イオン化脂質,リン脂質,コレステロール,PEG脂質の4成分が使用される.これまでイオン化脂質のpH応答性を最適化しエンドソーム脱出能を付与する研究が多く行われてきたが,本稿では,粒子表面の安定化を担うリン脂質にpH応答性を付与し,活性向上および臓器選択性の付与を検討した報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Shuai L. et al., Nat. Mat., 20, 701-710(2021).
  • 髙山 健人
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1048
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    ヒトの腸内には約40兆個,1,000種類の細菌が存在しており,その数はヒトの細胞数約37兆個を凌駕する.そのため,腸内細菌叢は生体を構成する1つの臓器にも例えられ,健康の維持や疾病の発症を考えるうえでその存在を無視することはできず,新たな薬のターゲットになり得ると考えられる.最近では,生薬やその含有成分は宿主に直接作用するだけではなく,腸内細菌叢の構成や機能に変化を及ぼすことで薬効を発現することを示唆する報告がなされてきている.腸内細菌叢の破綻は,消化器疾患や代謝性疾患など様々な疾患との関連性が指摘されており,2型糖尿病(T2DM)についても,その関連性が示唆されている.本稿では,オウゴンのT2DM改善機構解明の一環として,腸内細菌叢への作用に注目したZhaoらの研究を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Zhao L. et al., Phytomedicine, 83, 153477(2021).
    2) Zhao L. et al., Endocrine, 66, 526-537(2019).
    3) Li F. et al., Nat. Commun., 4, 2384-2393(2013).
  • 大波多 友規
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1049
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    末梢神経障害は,運動神経や末梢神経が何らかの要因により障害され,手足の力が入らない状態やしびれ・痛みを伴う.抗悪性腫瘍薬の投与により生じる副作用の一種であり,患者のQOLを著しく低下させるため,臨床上大きな問題となっている.末梢神経障害の検査には血液検査や末梢神経伝導検査などが用いられるが,薬剤性末梢神経障害は他の神経症状との鑑別が難しく,その存在が見逃されることもまれではない.シクロホスファミド(CP)を投与中に発症した多発性神経障害の原因を究明するため,熱量測定を用いて末梢神経や筋肉に対するCPの毒性効果を測定したPéter Farkasらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Farkas P. et al., J. Thermal Anal. Calorim., online 15 March 2021, doi: 10.1007/s10973-021-10774-7
    2) 向山 厚ほか,蛋白質科学会アーカイブ, 1e039(2008).
    3) Farkas P. et al., J. Thermal Anal. Calorim., 126, 47-53(2016).
    4) Sato Y. et al., J. Biol. Macromol., 91, 151-157(2016).
  • 金江 春奈
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1050
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    心臓の収縮と弛緩のポンプ機能が何らかの原因(加齢・基礎疾患等)により障害され,十分な血液を全身に供給できなくなった状態が心不全である.これまで,心不全は収縮機能の改善を目指して治療が行われてきたが,近年,収縮機能が正常であるにも関わらず拡張機能が障害された心不全,いわゆる拡張機能不全(heart failure with preserved ejection fraction: HFpEF)に注目が集まっている.HFpEFは,拡張機能の障害によって心拍出量が低下するため,収縮不全と同様の治療方法では予後の改善は認められない.心筋の弛緩(心臓の拡張)は,筋小胞体に存在するCa2+ポンプであるSERCA【Sarco(endo)plasmic reticulum Ca2+-ATPase】が収縮時に上昇した細胞内Ca2+を筋小胞体内に取り込み,細胞内Ca2+濃度を低下させることで起きる.現在,このSERCA機能の低下がHFpEFの原因の1つとして考えられており,様々なモデル動物での検討および新たな治療薬の探索が行われている.本稿では,アンチエイジング効果が期待されているニコチンアミドを摂取することで,SERCA機能の改善を介したHFpEFの予防および治療が可能であることを示した研究を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Abdellatif M. et al., Sci. Transl. Med. 13:eabd7064(2021).
    2) Verdin E. et al., Science, 350, 1208-1213(2015).
    3) Namekata I. et al., Int. J. Hum. Cult. Stud., 28, 701-707(2018).
  • 西村 周泰
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1051
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    「細胞の運命を自在にコントロールする」.一昔前までは不可能とされた現象であるが,最近は線維芽細胞などの体細胞に遺伝子導入を行い,神経細胞や心筋細胞などに直接変換するダイレクトリプログラミングの研究が盛んになってきており,新しい再生医療の潮流が形成されつつある.さらには,化合物を用いたダイレクトリプログラミングである「ケミカルリプログラミング法」の開発も進められており,特定の化合物の組み合わせを一定期間,細胞に処置することで,目的の細胞を産み出すことが可能になっている.薬を用いて細胞の運命を変えることは,かつては不可能とされていた技術であるが,今はそれができる世の中になりつつある. 時代は確実に変化し,薬学においても新しい研究領域が創成されつつあると感じている.
    ここで紹介する論文は,成体マウスの脳に,フォルスコリン(300µM),CHIR99021(60µM),ISX9(120µM),I-BET151(6µM),およびY27632(30µM)を混合して,浸透圧ポンプを用いて14日間,持続注入することで,脳内のアストロサイトを機能的な神経細胞(chemically induced neurons: CiNs)へ変換することに成功したという研究報告である.なお,この化合物の組み合わせは,同じ研究グループの先行研究で報告されており,線維芽細胞から神経細胞へのダイレクトリプログラミングを誘導する化合物のスクリーニングにより得られている.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Rivetti di Val Cervo P. et al., Nat. Biotechnol., 35, 444-452(2017).
    2) Li X. et al., Cell Stem Cell, 17, 195-203(2015).
    3) Ma Y. et al., Cell Discov., 7, 12(2021).
  • 鴨志田 剛
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1052
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    生命とは何か? 生命の起源はどこか? 地球外に生命は存在するのか? これらの疑問は我々人類が長年持ち続け,未だ答えにたどり着けていない最大級の謎である.生命の起源に関しては,大きく分けて①神様が作ったという考え,②地球上で長い年月をかけて単純な物質が複雑に変化し誕生したという考え,③地球外からやってきたという考えの3つがある.①の考え方も素敵だが,科学的には②や③の説について深く議論されてきた.本稿では人類が生命の起源を探る際に考慮すべき点について最新の知見を基に述べたい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Kawaguchi Y. et al., Front. Microbiol., 11, 2050(2020).
    2) Cortesão M. et al., Front. Microbiol., 12, 601713(2021).
    3) Sielaff A. C. et al., Microbiome, 7, 50(2019).
    4) Bijlani S. et al., Front. Microbiol., 12, 639396(2021).
  • 八島 秀明
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1053
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌(SA)菌血症は,生命を脅かす病態であり,その予後改善は臨床上重要な課題である.重症菌血症患者においては血小板減少症がしばしば認められ,死亡率を上昇させる独立したリスク因子として報告されている.血小板減少症の発症メカニズムとしては,これまでにSAが分泌するα毒素が血小板表面に発現する細胞外プロテアーゼ(ADAM-10)に結合し,血小板の異常凝集を誘発することが知られている.一方で,老化した血小板表面では糖タンパク質が脱シアル化され,肝臓のAshwell Morell受容体(AMR)に補足・除去されることが知られているが,AMRを介した血小板除去機構がSA菌血症患者における血小板減少症発症に寄与しているかどうかは不明であった.
    本稿では,SAが産生するα毒素が血小板傷害を惹起し,その結果AMRにより除去される一連の生体応答(α毒素―血小板―AMR経路)がSA菌血症患者の血小板減少症発症に関与していることを示すとともに,Drug repurposingによりα毒素―血小板―AMR経路を標的とした治療薬候補を発見したSunらの報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Claushuis T. A. et al., Blood, 127, 3062-3072(2016).
    2) Surewaard B. G. J. et al., Cell Host Microbe, 24, 271-284(2018).
    3) Hoffmeister K. M., Falet H., Thromb. Res., 141(Suppl 2), S68-72(2016).
    4) Sun J. et al., Sci. Transl. Med., 13, eabd6737(2021).
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談話室
  • 江川 祐哉
    2021 年 57 巻 11 号 p. 1035_1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    最近の薬学部では臨床分析についても勉強する。その内容を一部担当していたが、この講義では年齢を重ねるのも悪くないと思っている。35歳を超えるとバリウム検査を経験できる。噂に聞いていた発泡剤、バリウム製剤のつらさを実感し、検査台では天からの声の指示通りに転がり、最後には下剤をもらう。講義ではその時々の苦しさを語るあいまに、硫酸バリウムは難溶性で消化管から吸収されない、原子番号の大きいバリウムはX線を吸収しやすい、などの物理化学の話をはさむ。
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