我々の健康維持や疾患の発症には日々の食生活が深く関わっている.いくつかの報告から高脂肪食と肥満が大腸がん発症に関与することが示唆されている.一方,このような食事を続けることで,正常な腸上皮組織がどのように変化しがん発症につながるのか,そのメカニズムは明らかにされていなかった.本稿では,高脂肪食を与えたマウスにおける腸内細菌叢の変化が腸上皮組織を変化させ,初期の腫瘍形成を促進することを示唆したBeyazらの論文について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Gallagher E. J., LeRoith D.,
Physiol. Rev.,
95, 727–748(2015).
2) Beyaz S.
et al.,
Cell Stem Cell,
28, 1922–1935(2021).
3) Chen Y.
et al.,
Front.
Cell.
Infect.
Microbiol.,
11, 625913(2021).
4) Abreu M. T.,
Nat.
Rev.
Immunol.,
10, 131–144(2010).
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