医薬品の開発と天然物には密接な関係がある.1981年から2014年に開発された医薬品の約半数が,天然物そのものや天然物をシード,リード化合物として合成されたものである.昔から天然物探索研究,いわゆる「ものとり」により,多種多様な天然低分子化合物が単離,構造決定されてきた.しかし近年,天然素材からは既知化合物が得られることが多く,新しい天然物の発見は,以前に比べて難しくなっている.今回,KerstenとWengの遺伝子解析を基盤とした,新しい化合物の取得に応用可能な手法を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Newman J. D., Cragg G. M.,
J.
Nat.
Prod.,
79, 629-661(2016).
2) Kersten D. R., Weng J. -K.,
Proc.
Natl.
Acad.
Sci.
U.
S.
A.,
115, E10961-E10969(2018).
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