ミニ特集:専門・認定薬剤師を知る
ミニ特集にあたって:臨床現場で働く薬剤師が目指す専門資格や認定資格は,薬剤師の臨床能力および専門知識を深化させ,医療現場において重要な役割を果たす.これら資格制度は,薬剤師が高度な薬物治療に関する専門知識とスキルを実践に適用し,多職種との連携を通じてチーム医療におけるリーダーシップを発揮するための基盤を提供するものである.本ミニ特集では,これら資格制度の意義とその臨床実践における成果を概観し,さらには資格取得によって得られた研究成果に焦点を当てる.また,各領域のエキスパートによる論文執筆を通じた課題解決の手法を紹介し,薬剤師の専門性の向上および臨床応用における展望を考察するような特集を企画した.
表紙の説明:医の博物館は,平成元年(1989年)9月に日本で初めての医学博物館として日本歯科大学新潟歯学部内に開館した.展示史料は,医学・歯学・薬学に関する約5,000点(16世紀から現在に至る西洋と日本の古医書,浮世絵,医療器械器具,薬看板,印籠など)の貴重なものばかりである.近代解剖学の祖・ベサリウスの「ファブリカ」,杉田玄白の「解体新書」など,原本を間近で見ることができる.
薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)では、薬剤師に求められる基本的な資質・能力の一つとして「科学的探究」が挙げられ、薬剤師の生涯にわたる目標として設定された。専門薬剤師は「特定の専門領域の疾患と薬物療法についての十分な知識と技術ならびに経験を活かし、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療において質の高い薬剤業務を実践」するだけでなく、「その領域で指導的役割を果たし、研究活動も行うことができる能力を有することが認められた者」と定義されている。学術論文の有用性には二面性があり、一つはエビデンスとしての社会的有用性、もう一つは著者の学術的実績である。専門薬剤師には、専門領域で行われる薬物治療で不足するエビデンスを肌で感じ、切実なテーマに基づいた研究を実施することで、エビデンスとして構築することが求められる。
ボールミルを使って高速Wittig反応,コバレントドラッグを利用した核医学治療,原薬の連続晶析と湿式粉砕を組み合わせた連続生産,ウイルスのグアニン四重鎖による核内因子ハイジャックと宿主応答抑制,「患者のための薬局ビジョン」実現に向けた薬局機能の検討について,高齢化社会におけるSGLT2阻害薬
日本緩和医療薬学会では2020年から緩和医療専門薬剤師の認定制度を開始し、2024年5月現在、6名の認定者を輩出している。また、本資格は2023年2月17日付で医療法上広告が可能な専門性に関する資格として認められた。緩和医療専門薬剤師認定試験を受験するための要件の1つとして、緩和医療領域における1報以上の論文発表が求められている。薬学全体でのエビデンスの構築のためには、より多くの薬剤師が論文を執筆できるよう、職場や学会による様々な支援が必要である。
日本臨床薬理学会認定薬剤師は、臨床薬理学の専門家として国民がより有効でかつ安全な薬物治療の恩恵を受けられるために貢献することが求められている。臨床薬理学は、薬物と人との関係のあらゆる側面に関係する科学であり、集学的領域のため薬学以外にも医学、看護学も関わる多種多様な学問である。そのため、臨床薬理学に関連する研究のイメージがしやすくなるように業績の紹介と認定薬剤師について取り上げる。
我が国では、1980年代に生じた薬害エイズという歴史的経緯を踏まえ、日本病院薬剤師会HIV感染症専門薬剤師制度が設立され、専門薬剤師を中心に薬剤師は、HIV感染症診療のみならず、臨床研究等に携わってきた。また、薬害エイズによる早期の救済医療の必要性から、抗HIV薬承認審査は、迅速審査および市販後調査が実施されている。そこで、HIV感染症専門薬剤師として、ファーマシューティカル・ケアを実践してきた一事例を紹介する。
現在, 薬剤師は高度化する医療に伴い多職種でのチームや医療連携に対応すべく様々な領域で専門性が求められている。なかでもがん薬物療法領域の認定・専門資格については早くからその制度が整備されてきた。2006年に日本病院薬剤師会のがん薬物療法認定薬剤師制度が発足し, 2022年よりがん薬物療法専門薬剤師制度が新設されている。今回, がん薬物療法専門薬剤師の資格取得に向けて筆者が取り組んだ, 論文作成を通じた課題解決のための着眼点について紹介する。
がん薬物療法の進歩とその複雑さから「がん専門薬剤師制度」が2006年に創設された。がん指導薬剤師には高度な臨床能力とともに研究業績も要求される。病院薬剤師の行う臨床研究には、単施設後ろ向きコホート研究から多施設共同前向き介入研究まで多岐に渡るが、副作用のほぼ必発である抗がん薬では、切実な臨床疑問との遭遇頻度は高く、研究対象として極めて重要である。本論文は、がん領域における病院薬剤師の専門性と研究活動の視点について自身の経験を交えて考察する。
保険薬局薬剤師は論文作成ができないと考えている人が多いが、日常業務から派生した内容を論文にすることは可能である。筆者は保険薬局薬剤師として働いており、継続的に学会発表や論文作成を行っている。私が保険薬局で行っている論文作成は、難しい研究ではなく、保険薬局薬剤師はこれだけ頑張っているのだという職能を世の中に示す内容である。今回は、論文作成を通じた課題解決のための着目点について述べていく。
薬剤師の役割は時代と共に変化しており、業務も多様となっている。医療チームの一員としてより専門的な知識が求められる。専門的な知識を得る、スキルアップをする過程で、職能団体が提供する専門薬剤師や指導薬剤師を目指すことは有益である。しかしながら専門薬剤師や指導薬剤師を目指す際には学術的な側面の要件として学会発表や論文発表が求められるものも多い。論文執筆のための課題解決に向けた着目点について考えたい。
シクロデキストリン(CD)は食品、医薬品など幅広い分野で利用されている環状オリゴ糖である。その特徴的な構造は「魔法の糖」と呼ばれ、古くから薬物の安定性や溶解性の改善、生体利用能の向上などの包接効果が報告されている。特にCDのサイズは1 nmと小さいため、分子レベルでのマイクロカプセル化に興味が持たれる。今回、食品成分を中心に事例を紹介する。
ICTを駆使したデータヘルス改革は、医療の質向上と効率化を目指す取り組みであり、薬剤師の役割は大きく変化している。Personal Health Record(PHR)の活用により、薬剤師はデジタルで医療データを管理し、服薬指導や治療計画の個別最適化に活かすことが求められる。一方で、電子処方箋や電子版お薬手帳の導入が進み、薬剤師には高度なデジタルリテラシーが必要となる。
本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.
本稿は,厚生労働省医薬局医薬品審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,令和6年9月24日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示するとともに,「新薬のプロフィル」欄において詳しく解説しますので,そちらも併せて参照して下さい.
なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.
本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
今回は,60巻9号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
令和5年3月、45年の研究生活を終えた。深く考えもせず踏み込んだ薬学の道で、幸運にも若い頃から自由奔放に自分の研究テーマに取り組むことができた。研究を戦いと比喩するのは大げさかもしれないが、研究の日々はアイデアとの戦い、言うことを聞かない反応との戦いであった。しかし、折々に咲いた小さな勝利の花が大きな実を結び、研究生活が豊かなものとなった。これまでの研究とその折々の心模様を振り返る。
筆者は、2017年6月から2018年12月までイギリス・ケンブリッジにあるMRC LMB研究所で、2019年1月から2024年3月までオーストラリア・メルボルンにあるWEHI研究所のDavid Komander博士の研究室でポスドクとして留学を経験した。本稿では、筆者が留学に至るまでの経緯や、留学をして良かった点、苦労した点の両方を紹介させていただく。
学位取得への歩みは、私の人生の重要な決断だった。これまで食品衛生分野の分析化学研究に取り組んできた。また、博士課程在学中にペンシルバニア大学(米国)への留学も経験することができた。これら貴重な機会を得ることができたことは、本事業の支援のおかげである。現在、国立医薬品食品衛生研究所で食品中の有害物質の摂取量の推定および調査をしている。これまで得られた知識や技術を食品衛生分野の行政に貢献していきたい。
長井記念薬学研究奨励支援事業に採択いただいたことで、研究とアルバイトの両立で一番頭を悩ませていた「時間の確保」を解決することができ、大学院時代に様々な成果を上げることができた。これからも本支援事業への感謝を忘れずに研究を進めていくだけではなく、学部生・大学院生が本事業の採択を目指してもらえるよう支援していきたい。
アルコールは最も普遍的な有機化合物群の1つである.複数のアルコールを炭素―炭素(C―C)結合形成を経て自在に連結できれば強力な複雑分子構築法となるが,汎用的な手法は未だ存在しない.最近Chenらは,級数の異なるアルコールから発生させた2種の炭素ラジカルを形式的に交差カップリングさせる,一般性の高いアルコール連結法を実現した.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Chen R. et al., Science, 383, 1350-1357(2024).
2) Dong Z., MacMillan D. W. C., Nature, 598, 451-456 (2021).
3) Sakai H. A., MacMillan D. W. C., J. Am. Chem. Soc., 144, 6185-6192(2022).
スフィンゴ脂質であるセラミドが形成するチャネルは,孔径が濃度依存的に変化する特徴を持つ.ミトコンドリア外膜においてセラミドの自己集合により形成されるタンパク質透過性チャネルは,ミトコンドリアの恒常性を破壊してアポトーシスを誘導する.
Chenらは,コール酸とがん細胞ミトコンドリア選択的な集積能を持つトリフェニルホスホニウム(TPP)基をポリエチレングリコール(PEG)鎖で連結したPn-TPPsに,低濃度ではCl-チャネルを形成し,高濃度ではより孔径の大きい低分子透過性ナノポアを形成する,セラミド様の性質を見いだした.本稿では,Pn-TPPsのチャネル特性と自己集合様式,ミトコンドリアを標的とするがん細胞選択的な細胞増殖抑制活性について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Colombini M., Chem. Rev., 112, 6373-6387(2012).
2) Chen Z. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 63, e202318811(2024).
生薬等に含まれる多種多様な二次代謝産物の分析はLC等による分離分析が一般的であり,UHPLCやMS検出器の使用などで分離能や検出感度の改善が図られてきた.一方,近年では様々なナノテクノロジーが発展し,多分野で応用されている.生物学分野で利用されるナノポアは,脂質二重膜に埋め込まれた膜貫通型チャネルの貫通孔を指し,分子がこの貫通孔を通過する際の電流の変化を観測することで,単一分子を検出可能なセンサーとして利用できる.ナノポアは生物学分野では,ナノポアシーケンサー等の核酸分析技術として発展してきたが,現在では核酸以外にタンパク質や低分子の検出にも利用できる.また,ナノポアを利用した定量分析法の開発も行われてきた. 本稿では,これまで生薬の成分分析に応用されてこなかったナノポアセンサーを用いて丹参(タンジン)に含まれるフェニルプロパノイド等の成分を分析したFanらの研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Zhang M. et al., Proteins, 90, 1786-1799(2022).
2) Fried J. P. et al., Nano Lett., 22, 869-880(2022).
3) Fan P. et al., Nat. commun., 15, 1970(2024).
MicroRNA(miRNA)は,遺伝子発現の調節に重要な役割を担っており,多くの疾患との関連も指摘されていることからバイオマーカーとして非常に有望視されている.しかし,多くのmiRNAは発現量が低く,in vivoでの正確な検出は難しかった.Guらは,DNAの鎖交換反応を応用したユニークなメカニズムによって,miRNAの高感度イメージング手法を開発しているので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Gu Y. et al., Anal. Chem., 96, 7609-7617(2024).
2) Li H. et al., Anal. Chem., 93, 11043-11051(2021).
ヒトを含む哺乳類は,性染色体により性分化が決定され,性ホルモンや腸内細菌叢など他の環境要因によって性差は顕著となる.生体防御を担う免疫系においては,女性の方が強い免疫応答を示し,細菌などの病原体に対抗しやすい一方で,自己免疫疾患を発症しやすいことが明らかとなっている.さらに昨今では,新型コロナウイルス感染症の重症化や致死リスクに性差があることも報告されており,臨床的にも性差は重要な要素であるが,免疫応答の性差が生まれる詳細なメカニズムは不明であった.本稿では,皮膚免疫応答の性差について,男性ホルモンによる新たなメカニズムを明らかにしたChiらの報告を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Scully E. P. et al., Nat. Rev. Immunol., 20, 442-447(2020).
2) Chi L. et al., Science, 384, eadk6200(2024).
3) Sudo T. et al., J. Exp. Med., 218, e20200817(2021).
膵臓がんは,その多くが膵管に発生する膵管腺がんである.膵がん患者数は増加傾向にあり,日本におけるがん死亡数の第4位であり,米国においては2030年までに第2位になると予想されている.膵管腺がんは早期の発見が難しく,転移してから発見されることが多いため,発見時に既にかなり症状が進行していることがめずらしくない.そのため,膵管腺がんの転移浸潤のメカニズムの解明と,転移を抑制する治療法の開発が必要とされている.膵管腺がんは他のがん種と比較して,がんの増殖と抗がん剤抵抗性に関与する非悪性の間質が豊富に存在している.この間質の大部分はがん関連線維芽細胞(CAF)で構成されている.CAFには,発現する分子の種類や量の違いによって,機能の異なるいくつかのサブタイプが存在する.膵がんの腫瘍組織には筋線維芽細胞性CAF (myCAF),炎症性CAFおよび抗原提示性CAFなどが不均一な集団を形成している.近年,CAFはがん治療の標的候補として注目されているが,これらの不均一な細胞集団についての理解が不十分なため,効果的な治療戦略の構築が困難な状況であった.本稿では,膵管腺がんオルガノイドと遺伝子改変CAF前駆細胞(PSC)を共移植した同所性移植マウスモデルを用いて,悪性細胞が分泌するトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)によって活性化したmyCAFが膵管腺がんの増殖や,膵臓がんの主な転移先である肺や横隔膜への転移を促進するメカニズムを明らかにしたMuccioloらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Halbrook C. J. et al., Cell, 186, 1729-1754(2023).
2) Mucciolo G. et al., Cancer Cell, 42, 101-118(2024).
3) Biffi G., Tuveson D. A., Physiol. Rev., 101, 147-176(2021).
脳内の老廃物は,脳脊髄液(CSF)の流れに沿ってグリアリンパ系(グリンパティックシステム:GS)により,脳外へ排出されることが知られている.GSにおいては,脳室の脈絡叢で生産されたCSFが,軟膜の動脈周囲腔(PVS)から脳実質に流入し,細胞間質液と混ざり合った後,静脈PVSから頸部リンパ節へと排出される.GSの阻害はアルツハイマー病(AD)の原因物質であるアミロイドの蓄積を増大させるため,AD病態の要因としても注目されている.また,外部からの特定の周波数刺激は神経活動を惹起させることが可能であり,ガンマ周波数帯の感覚刺激(ガンマ刺激)がADモデルマウスの脳内アミロイド蓄積および記憶障害を改善することが報告されている.この非侵襲的なガンマ刺激によるAD病態の改善はユニークな手法のため脚光を浴びているが,その作用機序の詳細は不明である.本稿では,ガンマ刺激におけるアミロイド代謝の促進に対して,初めてGSを介した作用機序を明らかにした論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Iliff J. J. et al., Sci. Transl. Med., 4, 147ra111(2012).
2) Iaccarino H. F. et al., Nature, 540, 230-235(2016).
3) Murdock M. H. et al., Nature, 627, 149-156(2024).
4) Jiang-Xie L. F. et al., Nature, 627, 157-164(2024).
2019年12月に武漢から始まった新型コロナウイルス感染症の爆発的な拡散が,社会・経済活動を停滞に追いやったことは記憶に新しい.製薬企業がこぞって開発したワクチンの登場に,誰もが大きな期待を寄せたであろう.今日,数多くの病原体に対してワクチンが実用化に至っているが,免疫抑制療法を受けている患者がワクチンの恩恵を十二分に受けることの能否は,払拭できない疑問点として残っている.本稿では,主にB細胞の抗体産生機能を抑制するプリン代謝拮抗薬ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil: MMF)がワクチンの抗体獲得に及ぼす影響の解析結果を中心に紹介する.MMFと言えば,固形臓器移植の適応に目がいきがちであるが,ループス腎炎などの自己免疫性疾患にも適応を有しているため,多くの診療領域で参考になる知見であろう.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Fatly Z A. et al., J. Infect., 88, 106133(2024).
2) de Weerd A. E. et al., Transpl. Int., 35, 10839(2022).
2024年に紅麹を使用した機能性表示食品で、死者や重篤な腎臓障害が多数報告される事故が起きた。機能性表示食品制度は、約10か月と極めて短期間集中検討で2015年に創設された制度である。9年経過して起きた今回の事故を受け、健康被害情報の報告義務化、GMP導入等、安全性を中心に基準改正を行われることとなった。今回、改正の内容と薬剤師の担う新たな役割について述べる。
市民向けの公開講座は、通常の学会発表とは異なる準備が必要である。筆者が過去に聴講した講演の思い出を紹介するとともに、読者に対して市民公開講座の講師を依頼されるケースを考えてみることを提案する。