鎖状ペプチドをリード化合物とした創薬研究において,側鎖を介した12員環以上の形成は,代謝安定性や膜透過性の向上が期待できる有用なアプローチである.一方,架橋構造の導入により分子量は増大し化学合成が煩雑になる傾向にあるため,ファーマコフォアのみ適切に抽出したテンプレートの設計が迅速な合成展開には望ましい.著者らは,鎖状ペプチドの物性改善を目的に,活性配座の三次元構造を基にした環状ミメティクスの設計ならびに誘導体展開を行ったので,紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Marsault E., Peterson M. L.,
J.
Med.
Chem.,
54, 1961-2004(2011).
2) Houštecká R.
et al.,
J.
Med.
Chem.,
63, 1576-1596(2020).
3) Knight C. G., Barrett A. J.,
Biochem.
J.,
155, 117-125(1976).
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