超高齢社会を迎えた我が国では,骨粗しょう症患者が急増している.2015年に発行されたガイドラインでは患者数は約1,300万人と推定されており,寝たきり状態のリスクを増大させることから社会問題となっている.骨粗しょう症は,骨吸収と骨形成の均衡が崩れ,骨強度の低下を招く疾患である.中国では古くから民間薬として,タデ科
Polygonum amplexicaule var.
sinenseが骨粗しょう症だけでなく骨折やリウマチの改善などに用いられてきた.今回Liuらは,この植物の根茎から単離したイソクマリンA(IA)に骨形成促進作用を見いだしたので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) “骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版”,骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編,ライフサイエンス出版,東京,2015, pp. 4.
2) Liu M. Z.
et al.,
Eur.
J.
Pharmacol.,
858, 172480(2019).
3) Mukherjee A., Rotwein P.,
J.
Cell.
Sci.,
122, 716-726(2009).
4) Du S. J.
et al.,
Dev.
Biol.,
238, 239-246(2001).
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