ファルマシア
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56 巻 , 2 号
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目次
  • 2020 年 56 巻 2 号 p. 96-97
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    ミニ特集:患者に寄り添った医療を考える
    ミニ特集にあたって:近年,薬剤師はあらゆる専門性を身に着け,医療チームの一員として活躍する姿が見られる.病棟や在宅などで患者と接していく中で,ある時ふと自分(薬剤師)の限界を感じた人もいるだろう.「私に何ができるだろう」と悩んだ時,「その患者にとって何が必要なのか」を考えられる薬剤師であってほしいと願っている.このミニ特集では患者に寄り添う医療の実際や,患者の声を聴くスキルについて紹介していただいた.患者に寄り添った医療の在り方と薬剤師の果たすべき役割を考える機会となれば幸いである.
    表紙の説明:大河ドラマ「麒麟がくる」が始まった.本能寺の変の主役,明智光秀が主人公だが,波乱万丈の生涯を送った光秀にふさわしい始まりだ.その光秀の家紋が桔梗紋である.光秀に大きな影響を与えた斉藤道三,一癖も二癖もありそうな足利義昭,人物として完成後に出会った織田信長,それらの人物と光秀の関係が,大河ドラマでどう描かれるか興味深い.また,意外な著名人も実は桔梗紋を使っていた.電子付録では,キキョウの花と共に桔梗紋の著名人を詳しく紹介したい.
ミニ特集 オピニオン
Editor's Eye
ミニ特集 最前線
ミニ特集 話題
  • 中村 明澄
    2020 年 56 巻 2 号 p. 110-113
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    「Cureには限界があるがCareに限界はない」その時々に必要とされるCareを提供し続け、その人らしい選択を支えていくことが終末期の医療の姿そのものである。その人らしい選択を支えるには、患者・家族とのコミュニケーションの取り方が鍵となる。医療者は、自分の思い込みに注意し、リードではなくガイドに徹しテンポを合わせ、患者・家族の言葉の真意に迫り、その思いは揺れるものと理解して真摯に向き合っていくことが重要である。
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
  • 一人ひとりに合ったこころのケアを
    後藤 美穂
    2020 年 56 巻 2 号 p. 128-130
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    わが国のひきこもりの人は100万人を超えると推定され、長期化や年齢の上昇が深刻化している。ひきこもりの原因の1つとして、精神疾患の関与が指摘されているが、医療職の関わりは未だ少ない。本稿では、ひきこもりの人と医療とのつながりの重要性を、ケースを中心に報告。さらにこころのケア全体を視野に入れた、治験領域における当事者支援の一環としてのPatient Centricity活動について、当法人の取り組みを中心に紹介する。
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
最前線
セミナー
話題
  • 伊神 春奈
    2020 年 56 巻 2 号 p. 147-151
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    厚生労働省では、健康・医療・介護分野での情報通信技術やデータの利活用をすすめ、健康寿命の延伸や社会保障の持続可能性の確保につなげる「データヘルス改革」の取組を進めている。2019年9月には、厚生労働大臣を本部長とするデータヘルス改革推進本部で、目指すべき未来やその実現に向けた2025年度までの工程表を盛り込んだ新たな計画として、「今後のデータヘルス改革の進め方について」をとりまとめた。本稿ではこの内容をご紹介したい。
速報 わだい
最終講義
  • 実験に学ぶ
    藤岡 弘道
    2020 年 56 巻 2 号 p. 154-155
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    筆者自身の学生時代、博士研究員時代、大学教員時代の研究並びに教育生活で、折々に考えたこと、感銘を受けた偉大な先人の研究姿勢と教え、遭遇したセレンディピティとその実験結果の展開としての有機化学の常識を覆す世界で唯一の反応の発見、さらには、現在の研究環境を受けての若手研究者に思うこと、また未来の研究生活への独断と偏見に満ちた提言などを自由に記述した。
前キャリアが今に生きること
留学体験記 世界の薬学現場から
トピックス
  • 葉山 登
    2020 年 56 巻 2 号 p. 161
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    光学活性な脂肪族アミンは,天然物や医薬品に数多くみられ,その合成を目的に様々な触媒反応が開発されている.なかでも窒素求核剤をアルケンに直接付加させるヒドロアミノ化反応は,出発原料の官能基化を必要としない原子効率に優れた反応である.しかし,ヒドロアミノ化反応は,一般的にアンチマルコフニコフ型付加で進行するため,α-第三級アミンの合成は達成されていなかった.今回Sigmanらは,三置換アリルアルコール1のマルコフニコフ型のヒドロアミノ化反応を開発し,光学活性なα-第三級アミンを得ることに成功したので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Bahamonde A. et al., J. Am. Chem. Soc., 141, 8708-8711(2019).
    2) Race N. J. et al., J. Am. Chem. Soc., 138, 15881-15884(2016).
  • 金子 敬一
    2020 年 56 巻 2 号 p. 162
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)は,細胞内セカンドメッセンジャーである環状ヌクレオチドcAMPを分解する酵素である.一方,PDE4D阻害剤は神経細胞内のシグナル伝達系を制御することで,記憶改善およびアルツハイマー病進行遅延の両作用を有するとされる.しかしながら,既存のPDE4阻害剤であるroflumilastやapremilast(1)は,吐気等の副作用の発現が課題となっている.上記の既存薬はPDE4のサブタイプ選択性が低く,またPDE4酵素の活性化型と定常型に対し,同程度の阻害活性を有することが知られている.著者らは副作用の低下を志向したPDE4Dサブタイプ選択的阻害剤を創出し,PDE4D酵素の活性化型に対して高い阻害能を示す化合物を見いだしたので,本稿で紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Gurney M. E. et al., J. Med. Chem., 62, 4884-4901(2019).
    2) Naganuma K. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 19, 3174-3176(2009).
    3) Gurney M. E. et al., Sci. Rep., 7, 14653(2017).
  • 渡辺 美咲
    2020 年 56 巻 2 号 p. 163
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    超高齢社会を迎えた我が国では,骨粗しょう症患者が急増している.2015年に発行されたガイドラインでは患者数は約1,300万人と推定されており,寝たきり状態のリスクを増大させることから社会問題となっている.骨粗しょう症は,骨吸収と骨形成の均衡が崩れ,骨強度の低下を招く疾患である.中国では古くから民間薬として,タデ科Polygonum amplexicaule var. sinenseが骨粗しょう症だけでなく骨折やリウマチの改善などに用いられてきた.今回Liuらは,この植物の根茎から単離したイソクマリンA(IA)に骨形成促進作用を見いだしたので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) “骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版”,骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編,ライフサイエンス出版,東京,2015, pp. 4.
    2) Liu M. Z. et al., Eur. J. Pharmacol., 858, 172480(2019).
    3) Mukherjee A., Rotwein P., J. Cell. Sci., 122, 716-726(2009).
    4) Du S. J. et al., Dev. Biol., 238, 239-246(2001).
  • 坂庭 賢太朗
    2020 年 56 巻 2 号 p. 164
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    タンパク質の結晶は,X線を用いた高分解能での三次元構造決定に必須である.タンパク質の結晶化は現在も困難なステップの1つであるが,その一方で,生体内において自発的に結晶化し,疾病を引き起こすタンパク質も存在する.Charcot-Leyden結晶(CLC)は,古くから喘息患者の炎症組織などに確認されていた結晶であり,現在では糖結合タンパク質の一種であるGalectin-10(Gal-10)から成ることが知られている.このCLCについて,構造生物学的な見地と免疫学的アプローチによって結晶析出とアレルギー症状との関連を評価し,結晶溶解抗体による治療法開発を目指す研究を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Persson E. K. et al., Science, 364, eaaw4295(2019).
    2) Mulay S. R., Anders H. J., N. Engl. J. Med., 374, 2465-2476(2016).
  • 安藤 智暁
    2020 年 56 巻 2 号 p. 165
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    ヒトの血液には,赤血球,白血球,血小板などの血球成分が存在しているが,これらには寿命があり,私たちの血液は常に新たに作られることによってその恒常性が維持されている.新しく作られる過程には何段階もの分化のステップがあり,最も未分化な状態から,徐々に方向性の決まった前駆細胞,そして完全に分化した血球細胞へと進みながら,細胞の数を増やしていく.この分化と増殖は一体となっているので,後戻りできない.しかし,その起源となる「最も未分化な細胞」だけは,分裂するときに「未分化なままでいる細胞」と「分化・増殖に進む細胞」の両者を生む必要がある.この細胞こそが造血幹細胞であり,未分化なまま(=多能性を維持したまま)自己複製するという非常に特殊な能力を備えている.もしこの能力が失われてしまうと,全てが方向性の決まった細胞となり,徐々に分化が進んで,やがては新たな血球系細胞の供給が止まってしまう.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Wilkinson A. C. et al., Nature, 571, 117-121(2019).
    2) Ieyasu A. et al., Stem Cell Reports, 8, 500-508(2017).
  • 山村 英斗
    2020 年 56 巻 2 号 p. 166
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    細胞内のCa2+濃度を厳密に制御するイオンチャネルは,細胞増殖・遊走・浸潤・転移・分化など様々な生理機能に関与する.イオンチャネルの中でも,がん細胞の悪性化に関わりの深いものがK+チャネルである.これまで,中コンダクタンスCa2+活性化K+チャネルや内向き整流性K+チャネルなどの幾つかのK+チャネルの活性化が,がんの悪性化を亢進させることが報告されている.本稿では,電位依存性K+チャネルの1つであるKv11.1(hERG)チャネルが,多くのK+チャネルとは逆に,がんの悪性化の根幹である転移能を抑制することを報告したBreuerらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Pardo L. A. et al., Nat Rev Cancer., 14, 39-48(2014).
    2) Breuer E. K. et al., Cell Death Dis., 10, 2041-4889(2019).
    3) Fukushiro-Lopes D. F. et al., Oncotarget, 9, 3321-3337(2018).
  • 西村 泰光
    2020 年 56 巻 2 号 p. 167
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    Dipeptidyl peptidase 4(DPP4)は2型膜タンパク質あるいは可溶性タンパク質として働くプロテアーゼである.1990年代にDPP4のインスリン分泌タンパク質,いわゆる「インクレチン」分解作用が明らかとなり,2型糖尿病治療薬としてDPP4阻害剤(DPP4 inhibitor: DPP4i)の開発が進んだ.DPP4は多くのケモカインも切断することから,DPP4iの糖尿病治療薬としての肝・腎障害などの副作用が注意喚起されるが,他方でケモカイン不活化阻害薬としての抗腫瘍効果が期待されている.DPP4iの抗腫瘍効果は,これまでNK細胞・T細胞により説明されてきた.しかし,アレルギー疾患に関わる好酸球による腫瘍組織中への浸潤,腫瘍関連組織好酸球増多症(tumor-associated tissue eosinophilia: TATE)も古くから知られる.ところが,種々の固形がんにおいてTATEと予後改善の報告がある一方,予後不良指標になるという逆の報告もあり,腫瘍疾患における好酸球の位置づけを難しくしている.そのようななか,HollandeらによりDPP4iが好酸球による抗腫瘍免疫応答を惹起することが明らかにされたので,その報告を紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Barreira da Silva R. et al., Nat. Immunol., 16, 850-858(2015).
    2) Almagthali A. G. et al., Diabetes Metab. Syndr., 13, 36-39(2019).
    3) Reichman H.et al., Trends Cancer, 2, 664-675(2016).
    4) Hollande C. et al., Nat. Immunol., 20, 257-264(2019).
  • 遠藤 美緒
    2020 年 56 巻 2 号 p. 168
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    薬剤耐性菌は,世界的に増加しており,国際社会でも大きな課題となっている.2015年に世界保健機関(WHO)総会において,薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)に関するグローバルアクションプランが採択された.WHOでは,2017年に抗菌薬をAccess(一般的な感染症の第一選択薬),Watch(耐性化が懸念されるため限られた適応に使うべき薬),Reserve(最後の手段として保存する薬)の3つのグループに分類し,抗菌薬使用の優先順位を定め,2018年よりこれらをAWaRe分類として提唱した.AWaRe分類は,抗菌薬使用量から抗菌薬適正使用を判断するための新たな指標であり,各国の分類別抗菌薬使用量のAccessの割合が60%以上になることを目標に定めている.また,感染症の罹患機会が多い小児期には,抗菌薬の処方機会も多く,AMR対策において小児は重要な位置づけにある.
    本稿では,入院中の小児への抗菌薬使用状況について,ある一時点の調査日における処方状況を調査する点有病率調査(Point Prevalence Survey: PPS)により集計し,AWaRe分類を用いて分析した報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) WHO model list of essential medicines. 20th list(March, 2017). Geneva: World Health Organization, 2017.
    2) Hsia Y. et al., Lancet Glob. Health, 7, e861-e871(2019).
    3) Liem T. B. Y. et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 29, 1301-1303(2010).
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談話室
  • 太田 茂
    2020 年 56 巻 2 号 p. 169
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
    薬学部における教養教育の意義について、文部科学省は「学問のすそ野を広げ、様々な角度から物事を見ることができる能力や、自主的・総合的に考え、的確に判断する能力、豊かな人間性を養い、自分の知識や人生を社会との関係で位置付けることのできる人材を育てる」としている。それ以外にも教養教育の様々な科目を履修することでそれぞれの学問分野における研究の進め方を知ることが可能となり、それにより自分の専門領域の研究の進め方の参考となるのではないかと考えている。
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